イケメンと恋愛できるのに会話がまるで成り立たないPC向けノベルゲーム「狂気より愛をこめて」はハチャメチャな中にいじらしい愛が見えて心をわしづかみにされました
恋愛シミュレーションゲームはテキストを読み進めていく遊び方で、テキストのほとんどをキャラクターとの会話が占めています。そのため、セリフの内容やどんな会話をするのかという点はキャラクターの魅力やゲームの楽しさを大きく左右しますが、PLAYISMがPC向けに販売している「狂気より愛をこめて」は、美男子たちと恋愛できるのに誰一人まともなやりとりができない狂気に満ちたノベルゲームとなっています。
狂気より愛をこめて | Game | PLAYISM公式サイト
https://playism.com/game/frommadness-withlove/
From Madness with Love - Trailer - YouTube
狂気より愛をこめて | じゃむさんっぽいど公式サイト
https://rokettojam123.wixsite.com/jamsanppoid/frommadnesswithlove
Save 20% on From Madness with Love on Steam
https://store.steampowered.com/app/2101130/
起動した画面は以下のような感じ。ホームではドット絵のキャラクターたちが画面内を縦横無尽に飛び交っています。
「狂気より愛をこめて」はキャラクターの言動から世界観までおかしなところだらけなゲームですが、以下のムービーを見るとわかるとおり、ゲームを起動した時からその狂気っぷりがあふれ出ています。
ぶっとび具合が開幕からフルスロットルな恋愛ゲーム「狂気より愛をこめて」のタイトルコール - YouTube
「はじめから」をクリックしてプレイ開始。
まずは「あなたの苗字を入力してください」と表示されたので、プレイヤーネームを入力して「OK」をクリックします。
同じように名前も入力して「OK」
名前を確認したら「はいい」を選択。
次に、一人称を「私」「僕」「某(それがし)」から選ぶことができます。「私」をクリック。
「それじゃ、狂気より愛をこめて、はじまるよ~!」
オープニング曲である「実際に言った寝言だけで作詞した歌」のムービーが流れます。
オープニングムービーは以下から見ることができます。
From Madness with Love - Opening Theme Song - YouTube
主人公である「私」は、私立古詩庵歌羅芽琉院学園(しりつこしあんからめるがくえん)に転校してきた高校2年生。もともと通っていた学校が爆破されてしまったため、家が近いこの学校に通うことになったそうで、その初日からスタートします。
「早めに来ちゃったし、せっかくだから校内探検しようかな?どこに行こう……」とのことなので、「校舎庭」を選択してみます。
そこでは、何か困っている様子の小柄な男の子と出会いました。「声をかけてみる」をクリック。
すると開口一番、「あし、なめろ」とあまり友好的ではない言葉を投げかけられました。
主人公は「流石はお金持ち学校、弱者は搾取されるのだと注意喚起してくれてるんだね」と納得した様子。
その後、自分のクラスに向かいます。主人公のクラスは2年ポメ組ですが、ポメ組の教室へ向かう廊下も魚が泳いでいたりピンク色のアノマロカリスらしき生き物がいたりと、どこか不思議な雰囲気。
教室では、金髪のやんちゃな雰囲気のクラスメイトにいきなり「マジで!?おしりボム!」と話しかけられました。彼は佐伯祐介で、主人公と同じ高校に通って同じように転校してきたそうです。主人公に気さくに話しかけてくれますが、ノリとバイブスで話しているような感じがあり、何を言っているのか理解するのは難しくなっています。
次に出会ったのは生徒会長のアオルタ。クールな性格で学業も優秀な人物ですが、佐伯とは別の理由で何を言っているのかわかりません。「狂気より愛をこめて」はフルボイスですが、音声で聞いても理解することは難しいです。
保健室に連れて行かれた主人公が出会ったのは、保険医の荒川修司。おっとりとした雰囲気で常に笑顔な表情が魅力的な先生です。比較的まともな会話が成り立つものの、ところどころ変な発言が飛び出ています。
最後に出会ったのは、朝に校舎庭で見かけた田村マシュマロ。相変わらずキツい言葉を投げかけてきます。
同級生の佐伯、先輩のアオルタ、先生の荒川、年下である田村の4人が恋愛対象のキャラクターです。転校初日に学校を案内してもらうシーンで、4人のキャラクターと順番に会うことができたので、キャラクターたちとの会話をムービーにまとめてみました。以下のムービーを見ると、「狂気より愛をこめて」がどんなゲームなのかよりわかるはず。
美男子ばかりなのに誰一人まともに会話してくれない「狂気より愛をこめて」のキャラクターたちと出会ってみた - YouTube
ゲーム画面には、画面をフルスクリーンにできる「SCREEN」やタイトルに戻るための「TITLE」などのメニューがあります。メニューから「CONFIG」をクリック。
BGM、キャラクターボイス、SEの音量を個別に調節したり、不要な音をミュートにすることができます。また、「TEXT SPEED」ではテキストの表示速度を10段階で変更可能。
また、画面下のメニューにある「LOG」からは、テキストをさかのぼって読むことができます。ノベルゲームにはよくある機能ですが、「狂気より愛をこめて」では特に重要な意味を持っています。以下は、何の言語かわからない言葉で話しているため、何を言っているのかまるでわからないアオルタとの会話シーン。ここで「LOG」をクリックしてみます。
すると、アオルタのセリフが翻訳されて表示されていました。主人公の視点では常にアオルタが何を言っているのかわかりませんが、ストーリー後半だと「LOG」から重要な情報が得られることもあります。
例えば以下のシーンでは、アオルタと似た雰囲気の女子生徒が登場しますが、セリフのウィンドウには「?」と表示されてキャラクターの名前はわかりません。
そこで「LOG」を開いてみると、アオルタ先輩の謎の言語が「えめす」という名前を呼んでいるのがわかりました。
学校生活2日目からは、ゲーム部に所属するかアオルタに誘われたオカルト研究部に行くか、それともまっすぐ帰るかなど、選択肢によってストーリーやイベントが変化していきます。「オカルト研究部に行く」をクリック。
オカルト研究部では、部長のマキシマム穴子と出会いました。マキシマムは熱心に主人公を部活に勧誘してくれたりオカルト調査中に異変があったら全力で心配してくれたりとかなり常識的な人物ですが、主人公と恋愛することはできないサブキャラクターです。
各エピソードが終わるごとに、「ここでセーブしますか?」と表示されます。以下の画像では「4月後半」とありますが、基本的にじっくりよんでも5分~10分程度のエピソードで月ごとの前半、後半と区切れており、サクサク読み進めていくことができます。
各エピソードはちょっとした勉強回だったり、季節ごとのイベントだったりをキャラクターたちと過ごすもので、それぞれ短いものがほとんどですが、シーンごとの立ち絵やイベントCGが充実しており、キャラクターの魅力を感じていくことができます。
また、イベントには運動会やクリスマスなど一般的なものだけではなく、オカルト部に入って七不思議の調査をしていたところ、目の前がゆがんでしまうというような日常から外れたものもいくつかありました。
七不思議の調査では、危うく危険な状態で意識を失ってしまいそうになる主人公を、田村が救ってくれました。汚い言葉ばかりの田村ですが、どこかオカルトには思うところがある様子。そのような、各キャラクターに秘められた狂気だけではない秘密も気になります。
ストーリー中で見たイベントCGは、タイトル画面の「ギャラリー」からチェックすることができます。
各キャラクターごとに13~15枚ほどのCGが用意されています。
4月から1月までイベントを読み進めたところ、荒川が唐突に「好きな人の顔を思い浮かべて」と話しかけてきます。
さらに、3月になって「あの人に告白する」「今の関係を守る」という選択肢が現れました。なお、ここで「今の関係を守る」を選んでも、テキストがループして次に進めません。「あの人に告白する」をクリック。
その後、学校の目の前で「あの人のところに……私のあの人に会いに行くんだ!」と決意して、どのキャラクターに告白しに行くかを選ぶことができます。2月まで多くのイベントを一緒に過ごした「アオルタ先輩」を選びます。
アオルタに告白した結果、好意的な反応は見せてくれたものの、断られてしまいました。その後、エメスが再登場して「アオルタと同じ国からやってきたの」と教えてくれます。どうやらアオルタは日本生まれではなく、言葉が通じない理由も、主人公からの告白を断った理由もそこにある様子。
その後のストーリーも5分~10分程度で読むことができるものですが、エンディングは各キャラクターに「TypeA」と「TypeB」の2種類があります。これまでのストーリー以上に狂っていたり、一転して切なくなる展開だったりと、さまざまなラストシーンを楽しむことができます。
また、そこまでのイベントであまり仲良くなれなかったキャラクターを告白シーンで選んだところ、告白は一蹴されてしまいます。
告白は受け入れられることなく、「ゲームオーバーです」と表示されてその後のイベントも見ることができません。そのため、4月から目当てのキャラクターを狙って仲良くしていくことが大事。
プレイしていて最初に感じるのは「意味がわからない」という部分で、会話が理解できなさすぎたり、作中では誰も触れないけど背景や起きるイベントが謎すぎたりと、ツッコミどころが多すぎて笑えました。ただ、発言ややりとりは支離滅裂になることが多いですが、発生するイベントは「ケガをしたから保健室に連れて行く」「お弁当をこぼしたから譲ってもらう」などシンプルなもので、はちゃめちゃさと常識具合のバランス感覚も優れていて読みやすいです。また、各エピソードはじっくり読んでも10分かからないくらいでサクサク進行していくため、むちゃくちゃな会話や展開でもストレスを感じることなく、キャラクターの魅力をイベントCGと共に楽しむことができました。
また、特に注目したいのが主人公のキャラクター性。会話が通じないキャラクターばかりなので、主人公はどちらかといえば常識人の立場にあるように思えるのですが、この学園で常に明るく過ごしているので「むしろ主人公が一番おかしいのでは?」と思わせる勢いがあります。そして、会話が通じないキャラクターたちに対しても、たまに軽くツッコミを入れることがありますが、基本的には嫌な顔することなくまっすぐ向き合っているのが好印象。例えば、謎の言語で何を話しているか全くわからないアオルタですが、主人公はひるむことなく「相変わらず何言ってるか分かんないけどいやな顔してないし良いか!」とあっけらかんとした態度です。
以下はアオルタが長尺で話した直後のシーンですが、主人公は「(何を言っているかはわからないが長かったので)へー!たくさん理由があるんですね!アオルタ先輩、生徒のことをしっかり考えてるんだなあ……多分」と、声色や表情、セリフの長さなどから意図を推測して、ほとんど問題なく意思疎通をしています。「全員会話が通じない」&「謎すぎる世界観」という難しそうな設定ですが、それを主人公の明るさが上手にまとめているように感じられました。
「狂気より愛をこめて」はSteamもしくはDLsiteで購入することができます。価格はSteam版が税込1680円、DLsite版が1650円です。なお、「狂気より愛をこめて」は「成人向けコンテンツ」に指定されています。
また、「狂気より愛をこめて」のSteam版キーを以下のプレゼント記事から入手できます。
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