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Google・TikTok・Metaなどが子どもや若者の健康への悪影響を把握した上で中毒になるようプラットフォームを設計したことを示す資料が裁判所に提出される


テクノロジー政策提言団体のTech Oversight Projectが、ソーシャルメディア依存症に関する裁判資料として提出された文書を分析し、「Meta・Google・Snap・TikTokといったソーシャルメディアは子どもや若者の健康への既知の害を全く考慮せず、意図的にソーシャルメディア中毒になるようプラットフォームを設計し、若者の大規模な中毒を引き起こしたという決定的な証拠が明らかになった」と報告しています。

ECH OVERSIGHT REPORT: UNSEALED COURT DOCUMENTS SHOW TEEN ADDICTION WAS BIG TECH’S “TOP PRIORITY” - Tech Oversight Project
https://techoversight.org/2026/01/25/top-report-mdl-jan-25/

2026年1月20日にカルフォルニア州およびノースダコタ州の地方裁判所に提出された書類には、Google・Meta・TikTokなどが過去に社内でやり取りしたメールや社内文書などが含まれています。この資料から、Google・Meta・TikTokなどは子どもや若者がソーシャルメディア中毒になるようプラットフォームを意図的に設計したことがうかがえると、Tech Oversight Projectは指摘しました。

◆Meta
2016年にはFacebook(現Meta)の社内で「マーク(・ザッカーバーグ)は2017年上半期の会社にとっての最優先事項は10代の若者であると決定した」というやり取りが行なわれていました。

さらに、2016年7月にやり取りされた内部メールでは、「Lifestageアプリに関する広範な議論」が行われており、内部の懸念に対する安全策がほとんど講じられないままアプリがリリースされたことが示されています。

他にも、Metaはより多くの高校生ユーザーを獲得するための戦略として「スクールブラスト」(授業時間中に送信される一斉通知)について議論していました。ただし、スクールブラストに関する記述は日付のない大幅に編集された内部文書に存在しているため、いつ記載されたものかは不明です。

2016年に社内でやり取りされたメッセージでは、「当社の製品を通じて、ある地域や学校にいる大多数の10代の若者の関心を引くことは、特にメッセージ機能において、同じ地域で過ごす時間全体を増やすために非常に重要です」と記されており、社員の共通の認識として「10代の若者」をターゲットとしていることが伺えます。

2018年2月に作成された内部文書には、「Tweens on Facebook」という製品の開発と、Facebookの「プライベートモード」の試験運用に関する情報が含まれています。Facebookは青少年に悪影響を与えるという風説にどう対抗するかについての内部議論を行っており、Facebookの利用と幸福度の低下との相関関係が内部データで示されています。

2018年には「地元の高校でInstagramの広報役を務める10代のトレンドセッター」を募集するプログラムについて議論する内部文書が作成されています。このプログラムにおける理想的なアンバサダーは、「13~17歳で多様性があり、仲間との良好な関係にある人物」とされており、アンバサダーには報酬・インセンティブ・景品が支給され、秘密保持契約(NDA)への署名が義務付けられていました。

他にも、2023年に作成されたスライドでは、InstagramがSnapとの競争力を高めるために「学校のネットワークを買収の手段として利用する」可能性があるという提案や、「卒業や転校などの移行期間に特に学校との関係構築にInstagramを不可欠なものとして位置付けたい」という願望などが説明されています。


他にも、2025年5月16日に作成された専門家への報告書では、ソーシャルメディアの使用に伴うリスクと害について、青少年ユーザーとその保護者に効果的な警告を提供しなかったと結論付けています。

さらに、「市場環境レビュー:ティーンの機会費用と生涯価値」と題された社内スライドでは、「13歳の若者の生涯価値は1人あたり約270ドル(約4万2000円)である」という悪名高い記述があります。

また、「ティーンのメンタルヘルス:習慣の生き物」と題されたスライドでは、10代の若者のメンタルヘルスに関する研究結果が報告されており、「10代の若者は、たとえ望んでもInstagramから離れられない」「10代の若者は、Instagramを『中毒者の物語』として語ります。それは、悪いことだとわかっていても抵抗できないと感じ、強迫的な行動に多くの時間を費やしているというものです」などと記載されています。

◆Google
GoogleはYouTubeの自動再生機能の役割に関するスライドで、「自動再生は睡眠パターンを乱す可能性があります。夜間の自動再生を無効化または制限することで、睡眠時間を節約できる可能性があります」という結論を出しています。

また、2018年5月に当時のYouTubeのプロダクト管理ディレクターであるジェームズ・ベザー氏が、ある教育者から「登校前に子どものスクリーンタイムを制限するように保護者に提案している」と伝えたことを明かしています。

2018年12月に作成されたG Suite for Educationに関するスライドには、「YouTubeは安全ではなく、学校ではブロックされることが多い」「安全でないコンテンツ、コメント、広告をブロックする方法がない」「YouTubeを学校で安全に利用できるようにする取り組みはまだ成果を上げていない」といった記述が含まれていました。


2019年に作成されたYouTubeの社内文書では、若者のデジタルウェルビーイング向上に向けた取り組みについての議論の中で、13~24歳のユーザーに特に大きな影響を与えている3つの懸念事項として「習慣的な多用」「深夜の使用」「意図しない使用」が挙げられています。

2020年11月に作成された子ども向け製品とアクセス拡大のための事業計画が記されたスライドでは、「子どもたちをGoogleのエコシステムに迎え入れることは、生涯にわたるブランドへの信頼と忠誠心につながります」「つまり、これは学校だけの問題ではなく、子どもや10代の若者を一生涯引き留める魅力的で『クールな』製品でもあるということを本質的に主張するものです」と記されており、同社が子どもや若者を意図的にターゲットとしていることがはっきりとわかります。


2021年9月に作成されたスライドでは、「現在、Googleのウェルビーイングツールのほとんどは、使用するために設定画面を開く必要があります」「これらのツールがあることを人々は知っているのでしょうか?実際に使用している人はどれくらいいるのでしょうか?」「ウェルビーイングをどのように測定しているのでしょうか?現時点での答えは、測定していないということです」と記されています。


他にも、2023年2月に送信されたメールでは「ショート動画はティーンの関心を惹きつける上で大きな役割を果たしています。しかし、ショート動画だけにとどまらず、ティーンに特化した楽しさ、エンゲージメント、責任感といったOKRを設定するなど、コアコンテンツ全体でティーンに焦点を当てています」と、ティーンへの訴求策について社内で議論されていました。

YouTubeに関する10代とミレニアル世代の見解と行動を分析したスライド資料では、「ミレニアル世代の4人に1人が、スマートフォンを長時間使いすぎて仕事に遅刻したことがある」と認めてることが記されており、13~17歳の若者の個人的な意見や生活を形成する上でのYouTubeの影響に関する統計情報も含まれています。

YouTubeにおける10代の若者の健康と安全に関する認識と課題を議論した文書では、「しかしながら、YouTubeにおける10代の若者の健康と安全にとって、2つの大きな課題があります。ひとつが不健全な信念や行動を伝え、常態化させてしまう『低品質コンテンツを推奨してしまう点』で、もうひとつが友人との時間や睡眠といった貴重な時間を奪ってしまう、『意図しない長時間使用』です。これらの懸念は、深みがなく、無限のフィード体験が可能なショートコンテンツ(10代の若者に人気)において最も顕著です」と記されていました。

さらに、社内向けに作成されたスライドでは、「ユーザーの行動が健康への悪影響をもたらす可能性がある」と記されており、健康に悪影響をもたらす4つの動画視聴行動として「(1)深夜の使用」「(2)習慣的な頻繁な使用」「(3)意図しない使用」「(4)問題のあるコンテンツ」が挙げられていました。


他にも、デジタル動画が視聴者の幸福感に与える影響に関する研究の文献レビューでは、「短い動画を視聴すると、ドーパミンが『即効性』として分泌されます。ドーパミンは報酬系と関連しており、薬物やその他の中毒性物質を摂取した際に感じる達成感に似たものを感じられます」 「研究者はYouTubeが中毒性を持たせることを目的として作られていると考えています。ビンジウォッチングを促すような仕掛け(自動再生、おすすめなど)が設けられています」「通知はYouTubeの重要な要素であり、中毒性の一因となっています」といった具合に、YouTubeのどういった機能が中毒性を引き起こしているかが指摘されています。

◆TikTok
TikTokが2021年9月に作成した社内文書では、「当社は重要な(デジタルウェルビーイングの)基礎機能をいくつか構築しましたが、これらには成長の余地がまだたくさんあります」「ユーザーにとってTikTokの使用を阻む最大の要因は、プラットフォームに中毒性があると考えていることだと分かりました」「TikTokの強迫的な使用が蔓延(まんえん)しており、ユーザーは自分の使用状況を理解し、効果的に管理し、TikTokで過ごす時間を有意義なものにするための、より優れたツールを必要としています」「TikTokは特に若いユーザーに人気がありますが、彼らは社会的報酬という形での強化に特に敏感で、効果的な自己制御能力がほとんどありません」などと記されています。

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in ソフトウェア,   ネットサービス, Posted by logu_ii

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