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格闘ゲームで繰り出される技の性質をカードで視覚化する、「鉄拳7」の場合


対戦格闘ゲームでは、さまざまなキャラクターを使って多種多様な技を繰り出しながら戦います。それぞれの技には発生の早さや硬直など、さまざまな数値が設定されており、公式サイトや有志によるデータベースに細かくまとめられているものの、ゲームの初心者には理解しにくい部分があります。この技の性質を視覚化して初心者にも分かりやすくする工夫を、データデザイナーのジェーン・チャン氏が公開しています。

Visualizing fighting game mechanics
https://janezhang.ca/work/tekken/

一般的に対戦格闘ゲームでは、方向キー(レバー)と攻撃ボタンの組み合わせでさまざまな技を繰り出すことができます。対戦格闘ゲームの技は主に以下の要素が設定されており、スキルアップするには各技の性質を把握することが重要です。

・発生フレーム
攻撃の動作に入ってから最初の攻撃判定が出るまでの時間。1フレームは60分の1秒で、発生フレームが短いものほど「速く繰り出せる技」ということになります。
・攻撃判定
攻撃が相手に当たる見た目上の広さ。
・攻撃判定持続時間
攻撃判定が出てから消えるまでの時間。単に「持続」と呼ばれることもあります。
・技後硬直時間
攻撃判定持続が終わった後、次に行動できるまでの時間。単に「硬直」と呼ばれることもあります。
・上段、中段、下段、投げ
多くの対戦格闘ゲームでは、基本的にガードをすれば相手の技を防御でき、技には、上段・中段・下段という属性が設定されています。例えば、立ったままガードした状態だと、下段の技をガードすることはできず、逆にしゃがんだままガードした状態だと中段の技をガードできないというように、対戦格闘ゲームでは「ガードの体勢」と「繰り出す技の属性」によって駆け引きが生まれるように設計されていることがよくあります。また、投げはガードしていてもダメージを与えることができる特殊な技となっています。
・ヒット硬直とガード硬直
繰り出した技がヒットした時、相手キャラクターは一定時間動けなくなります。逆に技をガードされた場合もやはり相手キャラクターは一定時間動けなくなります。同時に、技を出したキャラクターも技後硬直で一定時間動けなくなります。この硬直時間の長短で次にどちらが先に動けるか、つまりキャラクターの有利・不利が決まります。
・ダメージ
技がヒットすることによって削られる体力量。
・リーチ
技を出してから当たるまでの物理的な距離

これらの要素はすべて数値で表現可能。例えば「ストリートファイター6」でカプコンが公開している技のフレームデータは以下のような表で発生フレームや硬直時間などがまとめられています。


しかし、こういった表はただ数字が羅列している状態で視認性が悪く、特に初級者にとっては非常に見づらいといえます。そこで、チャン氏は2015年にリリースされた3D対戦格闘ゲームの「鉄拳7」で、1枚のカードに技の性能を視覚化するアイデアを披露しています。


カードの内容を示した図


図に書かれている各項目は以下の通り。

Command Input:技を出すコマンド入力。「1,2,2」はボタンの入力を示していて、「パピリオコンビネーション(LP・RP・RP)」という技のコマンドになっています。
Start-up Frames:発生フレームで、花びら1枚につき1フレームを表現しています。
Effective Range:技のリーチを4段階で示しています。
Damage:技のダメージ。パピリオコンビネーションは3発ヒットする技で、上に書かれた数字がダメージ数、その下に表示されている四角が上段・中段・下段を示しています。
Follow-up Frames:「Block」がガード硬直、「Hit」がヒット硬直、「CH」がカウンターヒット時のヒット硬直。硬直フレームがマイナスであれば不利、プラスであれば有利になります。

例に使われている「鉄拳7」のジョシーは、「スイッチスタンス(SWS)」という構えから技の派生が変化します。以下のカード4枚を見ると、スイッチスタンス中に押したボタンによって技がどう違うのかが一目で分かるようになっているとチャン氏は述べています。


なお、チャン氏によると、練習する際にすべての技の情報を付箋に書き込んで、近くに貼り付けて覚えたことがこのデザインを生んだきっかけになったそうです。

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in ゲーム,   デザイン, Posted by log1i_yk

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