メモ

乳児に歌を歌うことは言語を学ぶのに不可欠、乳児は最初に個々の音ではなくリズムを通じて言語を理解する


乳児の言語習得は音素ではなく音の高低やテンポである「リズム」を通して行われるため、乳児が言語を学ぶのには歌を歌うことが大切という研究結果をケンブリッジ大学の研究チームが発表しました。

Emergence of the cortical encoding of phonetic features in the first year of life | Nature Communications
https://www.nature.com/articles/s41467-023-43490-x


Singing to babies is vital to help them learn language, say scientists | Language | The Guardian
https://www.theguardian.com/science/2023/dec/01/singing-to-babies-is-vital-to-help-them-understand-language-say-scientists


これまで、乳児は音の要素をそれぞれ学習し、その要素を組み合わせて単語を作ると考えられていました。研究チームは事実を確認するため、生後4カ月・7カ月・11カ月の乳児50人を対象に小学校の先生が18曲の童謡を歌うムービーを見せ、その間の脳の活動を観察しました。

研究チームの分析によると、乳児の脳は言葉を発する前であっても生後4カ月から6カ月までに単語を認識することができるとのこと。ただし、生後7カ月になるまでは音の最小単位である音素を処理しておらず、代わりに音の高低やテンポという「リズム」をベースにして単語を認識していると述べられています。


あらゆる言語においてリズムは言語を構成する一つの大切な要素となっており、乳児はリズムのパターンを元に単語と単語の切れ目を推測しているとのこと。また、乳児はリズムの情報を足場や骨格のようにベースとして利用し、音声情報を補足として用いることで単語の認識を行っています。研究チームは「全ての赤ちゃんはBPM120のペースで強い音節を伴うビート構造にさらされており、私たちは赤ちゃんに話すときにこのリズムを強調するように生物学的にプログラムされている」と話しました。

乳児の脳は生後7カ月ごろから徐々に音素を処理し始めますが、処理できる音素の増加ペースはゆっくりとしており、言語の基礎を形成するには遅すぎるペースとのこと。研究チームは「話し言葉のリズム情報が乳児の言語システムの発達を陰で支えていると信じている」と述べた上で、「親はできるだけ赤ちゃんに話しかけたり歌いかけたりした上で、童謡のような赤ちゃん向けの話し方をすることで言語習得の結果に違いが生じる」と述べました。


今回の研究は言語が失読症や発達性言語障害とどのように関連しているかを調査するベイビーリズムプロジェクトの一環となっており、研究チームは失読症や発達性言語障害の原因が音声情報の処理の問題ではなく、リズムの知覚の問題という可能性があることについても指摘しました。

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