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人工衛星インターネット「Starlink」を未改造のスマホで使うテストを通信当局が認可、840基の衛星を運用してデータを転送


アメリカの連邦通信委員会(FCC)が2023年12月14日に、SpaceXの「セルラーStarlinkシステム」のテスト実施を許可しました。SpaceXは、この試験で840基の衛星を運用し、全米の20数カ所で未改造のスマートフォンにデータを転送する予定です。

Spacex Cell | PDF | Satellite | T Mobile Us
https://www.scribd.com/document/688619591/Spacex-Cell

FCC Clears SpaceX to Test Cellular Starlink on Phones | PCMag
https://www.pcmag.com/news/fcc-clears-spacex-to-test-cellular-starlink-on-phones

今回、FCCがSpaceXに与えた「実験的な特別仮承認(STA)」により、同社は2024年6月14日までの180日間、地上にある未改造のT-Mobile端末にデータを転送するテストを行うことができます。実験に使用される電波帯域は、1910~1915MHzと1990~1995MHzとのこと。

FCCは当初、SpaceXによる「セルラーStarlinkシステム」の配備を部分的にしか認めておらず、SpaceXは衛星のアンテナが機能することを確認するための短いテストしか実施できない状態でした。今回の承認により、SpaceXはセルラー接続用の技術を搭載した衛星の打ち上げを開始することが可能になります。


SpaceXによると、このテストでは最終的に840基の衛星がそれぞれの軌道上でセルタワーの役割を果たし、地上の2000台のテスト用デバイスに接続サービスを提供する予定とのこと。当初の試験は13カ所の予定でしたが、その後FCCに対して追加で12カ所の「電波天文学的な拠点」も追加することを申請しました。

テスト拠点はカリフォルニア州マウンテンビュー、カンザス州カンザスシティ、ワシントン州レッドモンド、テキサス州ダラスなどで、実際に端末にサービスを提供するのは840基の衛星ペイロードのうち約60基だとのことです。


AT&T、Dish Network、Globalstarなどの通信企業は、Starlinkの通信システムが自社のサービスに障害を発生させる可能性についての懸念を表明しています。

一方、SpaceXは「セルラーStarlinkシステム」がアメリカの消費者に利益をもたらし、他社のサービスに電波障害を引き起こすことはないと反論しており、今回の試験ではこの点の検証に焦点が当てられることになります。


提出書類には、今回付与された承認の下でそのような有害な干渉が発生した場合、SpaceXはそのような干渉を通知し、ただちにシステムの運用を停止しなければならないと記載されています。

SpaceXは、2024年にT-Mobileや他の提携企業のためにセルラーStarlinkシステムを打ち上げ、2025年に音声やデータ通信を開始する予定とのことです。

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in モバイル,   ネットサービス, Posted by log1l_ks

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