「Google Chrome 119」安定版リリース、iOS版でアドレスバーを画面下部に移動できるようになるもAndroid版は変更なし
ウェブブラウザ「Google Chrome」の最新安定版であるバージョン119.0.6045.106がリリースされました。iOS版にてアドレスバーを下部に移動させる設定が可能になったほか、既存のCookieに400日の有効期限の上限が適用されたり、色の相対的な指定を可能にするCSSのアップデートが行われたりしています。
New in Chrome 119 - Chrome for Developers
https://developer.chrome.com/blog/new-in-chrome-119/
How to choose a position for your address bar in Chrome on iOS
https://blog.google/products/chrome/customize-chrome-ios-address-bar/
New in Chrome 119: cookies expiration limit updated, CSS updates, & fenced frames improvements! - YouTube
◆iOS版Chromeにてアドレスバーを下部へ移動できるように
手の大きさや端末のサイズ次第では画面上部のアドレスバーに指が届きづらい場合がありましたが、Chrome 119以降はアドレスバーの位置を画面下部へ移動させることが可能になりました。
位置を変更するにはアドレスバーを長押しし、「アドレスバーを一番下に移動」をタップすればOKです。同様の手順でアドレスバーの位置を上に戻すことも可能なほか、設定の「アドレスバー」でも位置を変更できます。
◆既存のCookieに400日の有効期限を設定へ
Chrome 104以降、Cookieを新規で設定したり有効期限を更新したりする際には最長で400日先の日付までしか有効期限を設定できないように制限が行われています。Chrome 119までは既存のCookieにはこの制限が適用されていませんでしたが、Chrome 119以降は既存のCookieにも400日の制限が行われるようになります。
Chrome 119を初めて起動した際にデータベースの移行が行われ、400日を超える有効期限を持つCookieは400日先の日付へと更新されるとのこと。
◆CSSのアップデート
・「:user-invalid」および「:user-valid」疑似クラスをサポート
誤った入力が行われている要素を示す疑似クラス「:user-invalid」および正しい入力が行われている要素を示す疑似クラス「:user-valid」がサポートされました。既存の「:invalid」および「:valid」疑似クラスに似た動作をしますが、「:user-invalid」「:user-valid」の方はユーザーの入力後のみアクティブになるという違いが存在しています。
・clip-pathで<geometry-box>を指定可能に
clip-pathは画像をパスに沿って切り抜く機能で、例えば円形に切り抜くと下図のように表示されます。
複雑な形状を指定することも可能となっています。
Chrome 119ではこのclip-pathのパラメーターで<geometry-box>がサポートされ、基本シェイプの参照ボックスを指定できるようになり、切り抜いた後の画像の形に沿って要素を配置することなどが可能になっています。
・色を相対的に指定できるように
色を相対的に指定する構文がサポートされました。「from ~」で元の色を指定するとブラウザが色の形式に従って変換・分解して変数へ格納してくれるため、あとはその変数を使って色を指定すればOKです。
具体例は下図の通り。元の色はhsl形式で指定されていますが、ブラウザが変換してくれるためどんな形式で取り出しても大丈夫というわけ。
その後の色の指定は変数を使用する点以外は従来通りの記法となっています。
元の色の明度を80%にする指定の例はこんな感じ。
◆Fenced Frameの改善
Fenced Frameはiframeに似た機能ですが、埋込み元のサイトとの通信が制限されているという特徴があり、広告をFenced Frame内で表示することでユーザーのプライバシーを守ることができます。Chrome 119では、オークションで落札した広告のサイズをURLに反映する仕組みが追加されました。
◆その他の変更点
・WebSQLが完全に削除されました
・「monitorTypeSurfaces」オプションを使うことで画面共有による情報流出を防止できるようになりました
◆オリジントライアル
・ポップアップを全画面で開くオプションのオリジントライアルが開始されました
また、Google Chrome 119には15件のセキュリティバグフィックスが含まれています。
なお、次期安定版の「Google Chrome 120」は現地時間の2023年12月5日にリリース予定です。
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