メモ

Amazonの倉庫労働者は41%が仕事中にケガをした経験ありで69%は痛みや疲労で無給の休みを取らざるを得なかったと報告


Amazonの倉庫は労働環境が非常に厳しく管理されており、Amazonの倉庫労働者は負傷率が競合他社よりも高いとたびたび報告されています。新たにイリノイ大学シカゴ校の研究チームが行った調査では、Amazonの倉庫労働者が負傷する割合はこれまで考えられてきたよりもはるかに高く、実に41%が仕事中に負傷した経験があると報告されました。

41 Percent of Amazon Workers Have Been Injured On the Job, New Report Finds | Center for Urban Economic Development | University of Illinois Chicago
https://cued.uic.edu/pain-points/


Amazon Worker Injuries More Widespread Than Thought, Study Says - Bloomberg
https://www.bloomberg.com/news/articles/2023-10-25/amazon-worker-injuries-more-widespread-than-thought-study-says

More Amazon Workers Suffer Injuries Than Previously Thought
https://gizmodo.com/amazon-workers-suffer-injuries-than-previously-thought-1850957337

Amazonは膨大な量の商品を発送するための倉庫を世界各地に持っており、アメリカだけで数十万人もの倉庫労働者が働いています。そんなAmazonの倉庫では、従業員の作業効率を高めるために厳しい管理体制が敷かれており、「Amazonの倉庫労働者が仕事中に休養や配置転換を要する負傷をする割合は業界平均の2倍に達する」というレポートも発表されています

アメリカのワシントン州労働産業局は2022年3月に、州内のフルフィルメントセンターで「安全規則に対する深刻な故意の違反があった」と認定して、Amazonに対して罰金の支払いと安全性の改善を行うように命令しました。これに対してAmazonは、「当局の是正勧告は現時点で法的に正当だと認められていない」と主張し、当局の命令を禁止するように裁判所に要請しています。

Amazonが「倉庫での危険を軽減するように命じた労働当局の命令は憲法違反」と訴える - GIGAZINE


そこで、イリノイ大学シカゴ校の都市経済開発センターの研究チームは、Amazonの倉庫労働者が仕事中に負傷した経験の有無や精神状態について調査しました。レポートの共著者であるベス・グテリウス博士は、「メディアの報道と政府機関の調査により、Amazonの倉庫の労働条件について深刻な疑問が提起されたため、この調査に着手しました」と述べています。

研究チームは2023年4月~8月にかけてMetaが運営するアプリの広告を通じて、Amazonで勤務する人々に対してアンケートを実施しました。質問に対して真剣に回答していないものや、実際にはAmazonで働いていないと思われる回答、管理職や配送ドライバーなど倉庫労働者以外の回答などを除外し、最終的にアメリカの42州にある451カ所のAmazon倉庫に勤める1484人の倉庫労働者からの回答を収集したとのこと。


回答を分析したところ、主に以下のような結果が判明したと研究チームは報告しています。

・倉庫労働者の41%が、倉庫での作業中に負傷した経験があり、勤続3年以上の労働者はその割合が51%に達する。
・倉庫労働者の69%が、調査の前月に痛みや疲労のため無給の休暇を取らざるを得なかった。また、34%は1カ月間で3回以上無給の休暇を取っていた。
・倉庫労働者の52%が、仕事で燃え尽き症候群を感じており、勤続3年以上の労働者ではその割合が60%に達する。
・倉庫労働者の41%が、常に/ほとんどの場面で「より速く仕事をしなければならない」というプレッシャーを感じている。
・ケガをした倉庫労働者の53%、燃え尽き症候群になっている倉庫労働者の78%が、「より速く仕事をしなければならない」というプレッシャーを常に/ほとんどの場面で感じている。
・倉庫労働者の60%が、「以前の職場よりAmazonの方が従業員の監視が厳しい」と感じている。


レポートでは、「この調査結果は、Amazonの倉庫で働く多くの人々がそこで働いたことで苦しみ、痛みやケガ、燃え尽き症候群やその他の心理社会的ストレスを訴えていることを示しています。Amazonは倉庫業界や経済全体の規範・慣行を再構築する、典型的な『イノベーター』として称賛されてきました。しかし、私たちの調査データによると、これまで以上にスピードと効率性を追求するAmazonは、大きなコストを労働者に押しつけているのです」と結論付けられています。

レポートの共著者であるサンジェイ・ピント博士は、「Amazonの倉庫で働く労働者の多くが、そこで働く一種の暗黙の条件として、痛みや疲労のために無給の休暇を取らざるを得ないのは問題です。これによって労働者の給与は短期的に減少します。また、このデータから読み取れる健康被害の大きさは、幸福度・医療費・将来の雇用・全体的な経済的安定に対する潜在的な長期的影響について、懸念を抱かせるものです」と述べました。

今回のレポートに対してAmazonの広報担当者は、「これは『研究』ではなく、Amazonをおとしめる動機のあるグループによって、ソーシャルメディアで行われた調査です」と述べ、レポートの内容には信頼性が乏しいと主張。「従業員の健康と安全ほど重要なことはありません。私たちは日々改善を続けるために取り組んでおり、ネットワーク全体の安全に投資し続けます」とコメントしました。


本記事に関連するフォーラムをGIGAZINE公式Discordサーバーに設置しました。誰でも自由に書き込めるので、どしどしコメントしてください!

• Discord | "仕事中にケガしたことある?" | GIGAZINE(ギガジン)
https://discord.com/channels/1037961069903216680/1167389835170947134

この記事のタイトルとURLをコピーする

・関連記事
Amazonの倉庫労働者が重傷を負う確率は同業者の2倍、業界の負傷者の半分がAmazon従業員 - GIGAZINE

Amazonが「倉庫での危険を軽減するように命じた労働当局の命令は憲法違反」と訴える - GIGAZINE

Amazon倉庫での「深刻な負傷」の発生率は業界平均の2倍、自動化が進んだ倉庫で特に負傷率が高いとの指摘 - GIGAZINE

Amazonの従業員は競合他社よりもはるかに頻繁に負傷しているというデータ - GIGAZINE

Amazonの労働環境の劣悪さを示すレポートが公開される - GIGAZINE

Amazon倉庫従業員が「だまされて劣悪な環境で働かされた」と告発 - GIGAZINE

Amazonは労働組合をつぶすために「労働組合は従業員に危険を及ぼす」などと主張する教育ビデオを作っていた - GIGAZINE

「Amazonの労働者よりロボットの方が待遇がいい」とイギリスのAmazon倉庫で初のストライキが勃発 - GIGAZINE

Amazonが数十万人の倉庫労働者を社内システムから切り離す、「組合つぶしが目的では」との指摘も - GIGAZINE

in メモ, Posted by log1h_ik

You can read the machine translated English article here.