Amazonの倉庫労働者が重傷を負う確率は同業者の2倍、業界の負傷者の半分がAmazon従業員
Amazonの倉庫で働く労働者が、仕事中に重傷を負う割合が業界平均より倍以上も高く、負傷者の増加率も極めて高いことが、アメリカの労組連合であるStrategic Organizing Center(SOC)のレポートにより判明しました。
The Injury Machine: How Amazon's Production System Hurts Workers - Strategic Organizing Center
https://thesoc.org/what-we-do/the-injury-machine-how-amazons-production-system-hurts-workers/
Amazon’s injury rate jumped 20% last year, new report shows | The Seattle Times
https://www.seattletimes.com/business/amazons-injury-rate-jumped-20-last-year-new-report-shows/
Amazon workers made up almost half of all warehouse injuries last year - The Verge
https://www.theverge.com/2022/4/12/23022107/amazon-warehouse-injuries-us-half
以下は、Amazonが2021年に労働安全衛生局に報告したデータを元にSOCが作成した、倉庫労働者100人のうち何人が負傷したかのグラフです。色分けのうち、赤色は休養を取らなければならない負傷を、水色は負担が軽い仕事に再配置しなければならない負傷を、黒色はその他の負傷を表しています。
SOCが重傷者と定義する、「休養を要する負傷」は100人中1.7人、「配置転換を要する負傷」は5.1人で合計6.8人と、Amazonを除く業界の平均である3.3人の倍以上でした。
また、負傷率も高くなっています。以下は、過去5年間の負傷率の推移を表したグラフです。2020年の負傷率が100人中6.6人だったのに対し2021年は7.9人と、負傷率は1年で20%増加して過去最多だった2019年に続く2番目となりました。
この結果についてAmazonの広報担当者は、メディア向けの声明の中で「Amazonは、新型コロナウイルスのパンデミックのさなかに商品や物資を必要とした人たちに対応するため、数万人を追加雇用しました。そして、新しい人材を訓練したため、2020年から2021年までに負傷件数が増加しました。しかし、2019年と比較すると、負傷率は13%減少しています」と述べて、負傷率の増加は新しい人材の増加によるものだと説明しました。
一方、SOCは「Amazonは倉庫の安全性を向上させることを何年も約束してきましたが、負傷率は依然として増加しています。Amazonは労働者の安全を維持する上で十分な措置を講じていません」と指摘しました。
Amazonは、これまでもたびたび倉庫での負傷者が多いとして批判されています。
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