メモ

Amazonの従業員は競合他社よりもはるかに頻繁に負傷しているというデータ


労働環境を改善するための非営利団体である「Strategic Organizing Center(SOC)」が、Amazonの倉庫労働者は競合他社で働く従業員よりもはるかに頻繁に負傷しているというデータを公開しました。

Primed for Pain - Strategic Organizing Center
https://thesoc.org/amazon-primed-for-pain/

Amazon Calls Warehouse Workers 'Industrial Athletes' In Leaked Wellness Pamphlet

https://www.vice.com/en/article/epnvp7/amazon-calls-warehouse-workers-industrial-athletes-in-leaked-wellness-pamphlet


Amazon workers injured on the job far more often than competitors
https://nypost.com/2021/06/01/amazon-workers-injured-on-the-job-far-more-often-than-competitors/

Study: Amazon workers injured at higher rates than rival companies
https://www.cnbc.com/2021/06/01/study-amazon-workers-injured-at-higher-rates-than-rival-companies.html

SOCが公開したデータによると、Amazonの倉庫労働者は2020年に100人中5.9人が「重傷」を負い、「仕事を休む(2.6人)」あるいは「軽い業務に従事せざるを得ない状況に追い込まれる(3.3人)」ことになりました。一方、Amazonの競合他社であるウォルマートの場合、重傷者は100人中2.6人でした。また、Amazon以外の倉庫労働者全体の重傷率は100人中3.3人であるため、Amazonの倉庫労働者はその他の倉庫労働者よりも80%も重傷率が高いということになります。


SOCは「Amazonのスピードに対する執着は従業員の多大な犠牲を強いています」「Amazonが生み出し、無視し続けている危険な労働条件について、Amazonに責任を取らせる時が来ました」と記し、Amazonの倉庫労働者の負傷率が高いことを非難しています。なお、Amazonの倉庫労働者は2020年に合計2万7000人以上が負傷しています。

Amazonの従業員は職場での高い負傷率について何年も前から声を上げており、2019年にはニューヨーク湾内のスタテンアイランドにあるAmazonの倉庫で働く労働者100人以上が、「Amazonは職場の安全を二次的な懸念事項として扱っている」と抗議しました。


労働環境に不満を持っているのはAmazonの倉庫労働者だけではありません。2020年にはAmazonの配達ドライバー100人中9.7人が仕事中に重傷を負っています。一方、物流における競合他社であるUPSの重傷率は100人中6.5人でした。

なお、Amazonの配達ドライバーはあまりに激務なためペットボトルの中におしっこすることを強いられていると報じられています。

Amazonドライバーは激務のため「ペットボトルの中におしっこ」を強いられている - GIGAZINE


Amazonの広報担当者であるケリー・ナンテル氏は、SOCの公開したレポートに対して異議を唱えなかったものの、従業員の負傷を減らすための措置を講じていると語っています。

なお、Amazonのジェフ・ベゾスCEOが買収したワシントン・ポストは、SOCのデータではなく、アメリカ労働省内の労働安全衛生庁(OSHA)が調査した最新のデータをベースに、アメリカのAmazonの倉庫で働く従業員20万時間分(1年間フルタイムで働く従業員100人に相当)の場合、重傷率が5.9人であったと報告しています。なお、これはSOCが公開したデータと同じ重傷率です。

Amazon’s OSHA data shows its workers injured at higher rates than rival companies - The Washington Post
https://www.washingtonpost.com/technology/2021/06/01/amazon-osha-injury-rate/


ワシントン・ポストがOSHAのデータをベースに公開したAmazon倉庫労働者と、それ以外の倉庫労働者の重傷率をまとめたデータが以下のグラフ。データは2017年から2020年までの分が公開されており、Amazonの倉庫労働者の負傷率は低下しているものの、その他の倉庫労働者よりも約2倍高い負傷率なままです。


Amazonの倉庫のうち、負傷率が最も高いのは以下の5つ。「Rate since 2017」は2017年以降の平均値です。

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in メモ, Posted by logu_ii

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