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AIのスゴさを実感できるGoogle Pixel 8 ProとPixel 8の「ベストテイク」と「音声消しゴムマジック」を使ってみた&Pixel 7からのカメラの進化もチェック


Googleの純正スマートフォン「Google Pixel 8」と「Google Pixel 8 Pro」が2023年10月12日に発売されました。Pixel 8シリーズの最大の目玉と言えるのが、前モデルからアップグレードされたチップセットのTensor G3で、実際にGIGAZINE編集部で購入してベンチマーク測定を行ったところ、その進化がはっきりと数字に表れた結果が得られています。さらに、強化されたAIの真価を実感できる新機能である「ベストテイク」と「音声消しゴムマジック」を実際に使ってみたり、Pixel 7と写真を撮り比べてカメラ性能の向上を確認してみたりしました。

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・目次
◆1:これで半目の写真とはさよならな「ベストテイク」
◆2:AIで動画の騒音を消す「音声消しゴムマジック」
◆3:Pixel 8シリーズのカメラ性能を前モデルと徹底比較
◆4:Pixel初の温度センサーをチェック

◆1:これで残念な半目写真とはさよならな「ベストテイク」
「ベストテイク」は、10秒以内に5~7枚を連写で撮影し、写っている人それぞれのベストな表情を選択して、1枚の集合写真に合成するAI編集機能です。しかも、この機能はPixel 8やPixel 8 Proで撮影した写真だけでなく、Googleフォトに保存されてさえいれば過去の写真でも最高の1枚にできるとのことなので、実際にやってみることにします。

Googleフォトアプリを起動しました。今回用意した写真は以下の5枚。被写体の4人は同じ人ですが、並びやポーズなどが違っています。


この写真をベースに編集してみます。後ろから光が差していて印象的な1枚ですが、残念ながら後ろにいる女性のひとりが目をつぶってしまっています。まず「編集」をタップ。


「ツール」から「ベストテイク」をタップします。


目をつぶってしまっている女性の編集候補が表示されました。ここで目を開けている顔を選んで「完了」をタップします。


これで全員がいい笑顔の写真が作れました。保存するには「コピーを保存」をタップします。


被写体の顔や表情が違いすぎると認識しないため、「最近の写真に若い頃の顔を合成」や「その場にいた友だちをこっそり別の人に変えてしまう」といった使い方はできないようになっていますが、集合写真を連写撮影した際や、同じ日に同じ場所で何枚か取った場合などであればAIがきちんと認識してベストな写真にすることが可能です。


◆2:AIで動画の騒音を消す「音声消しゴムマジック」
「音声消しゴムマジック」は、名前の通り消しゴムマジックの音声版で、「ベストテイク」と同様にPixel 8やPixel 8 Proで撮影したかどうかにかかわらず、Pixel 8シリーズのGoogleフォトアプリから使用することができます。

今回は以下の動画で「音声消しゴムマジック」の効果を試してみます。編集前の動画を再生すると、エスカレーターの「雨の日は、足元が滑りやすいので~」という案内がかすかに聞こえますが、駅の騒がしさに埋もれて聞き取りづらくなっています。

Vlogカメラ「PowerShot V10」で大阪駅の天井を撮影してみた - YouTube


まず、Googleフォトアプリで動画を開いて「編集」をタップします。


「音声」から「音声消しゴムマジック」を選択します。


自動でノイズを除去してくれたので「コピーを保存」をタップして保存しました。


こうしてできたのが以下の動画です。再生して聞き比べると、背景の騒音のうるささがまったく違うことがわかります。

Pixel 8の「音声消しゴムマジック」で邪魔なノイズをシャットアウトするとこんな感じ - YouTube


動画を再生して確かめつつ、消す音の種類や消去する度合いを調整することができるので、騒がしい場所で動画を撮影する場合や、撮影中に不意に近所を救急車が走ったりした時に便利です。


◆3:Pixel 8シリーズのカメラ性能を前モデルと徹底比較
Googleが公開している技術仕様からPixel 7、Pixel 7 Pro、Pixel 8、Pixel 8 Proのカメラの仕様を抜き出したのが以下。

 超広角カメラ広角カメラ望遠カメラ
Pixel 8 Pro48 メガピクセル Quad PD ウルトラワイド カメラ50 メガピクセル Octa PD 広角カメラ48 メガピクセル Quad PD 望遠カメラ
Pixel 812 メガピクセル ウルトラワイド カメラ50 メガピクセル Octa PD 広角カメラ 
Pixel 7 Pro12 メガピクセル ウルトラワイド カメラ50 メガピクセル Octa PD Quad Bayer 広角カメラ48 メガピクセル Quad Bayer PD 望遠カメラ
Pixel 712 メガピクセル ウルトラワイド カメラ50 メガピクセル Octa PD Quad Bayer 広角カメラ 


ここからは、Pixel 8シリーズのカメラ性能の向上を確認すべく、実際に4機種で写真を撮って比較していきます。なお、各画像のサムネイルをクリックすると元の写真が表示されますが、ファイルサイズが大きめなので注意してください。

・超広角カメラ
Pixel 7。4つの機種の中で、Pixel 7の超広角カメラのみ倍率が0.7倍となっています。


Pixel 7 Proの超広角カメラ。倍率は0.5倍です。


Pixel 8の超広角カメラ。倍率は同じく0.5倍です。


Pixel 8 Proの超広角カメラ。倍率は0.5倍です。


・広角カメラ
Pixel 7の広角カメラです。


Pixel 7の広角カメラの2倍ズーム。


Pixel 7のズームは8倍が限度。広角カメラで撮ったものを引き延ばしているので、ディティールがかなり失われています。


Pixel 7 Proの広角カメラ。


Pixel 7 Proの広角カメラの2倍ズーム。


Pixel 8の広角カメラ。


Pixel 8の広角カメラの2倍ズーム。


Pixel 8は広角カメラで最大8倍までズームします。


Pixel 8 Proの広角カメラ。


Pixel 8 Proの広角カメラの2倍ズーム。


・望遠カメラ
望遠カメラを搭載しているのは、Proが付く機種のみ。以下はPixel 7の Pro望遠カメラで、倍率は5倍です。


Pixel 7 Proの望遠カメラは最大30倍までズームできます。


Pixel 8 Proの望遠カメラで、倍率は5倍です。


同じくPixel 8 Proの望遠カメラで30倍まで拡大したのが以下。


Pixel 8シリーズと前モデルを比較して感じたポイントのひとつが以下で、Pixel 7の8倍ズーム(左)とPixel 8の8倍ズーム(右)の写真の同じ部分を切り取って比較したものです。どちらも細部がにじんでいますが、Pixel 8の方が細かいところまでくっきりしているのがわかります。


また、Pixel 8 ProとPixel 7 Proとでは、超広角カメラの性能が大きく違うと感じました。以下は、Pixel 7 Pro(左)とPixel 8 Pro(右)の超広角カメラで撮った写真を切り取って比較したもの。超広角カメラでは写真の端の方がにじみがちですが、Pixel 8 Proではこま犬や木の葉などのディティールがかなり保たれているのがわかります。


Pixel 8 Proでは「プロモード」により解像度を12MPから50MPへと設定することが可能です。解像度が上がった分、レリーズの時間が増えるため、シャッターボタンをタップしたあと1~2秒間スマートフォンを動かさないようにしないといけませんが、非常に高画質な写真を撮れるようになります。


実際に50MPに切り替えてから超広角カメラで撮影したものが以下。


広角カメラ。


広角カメラの2倍ズーム。


望遠カメラ。


望遠カメラの30倍ズーム。


プロモードでは、使用するカメラを手動で切り替えることが可能です。


「UW」が超広角カメラ、「W」が広角カメラ、「T」が望遠カメラです。アプリが自動的に使用するカメラを切り替えなくなるので、ズームを多用しながら撮影してもどのカメラを使っているのか混乱せずに済むようになります。


また、Pixel 8は明るさ、シャドウ、ホワイトバランスのみ手動で設定できますが、Pixel 8 Proはこれに加えてフォーカス、シャッタースピード、ISOも設定できるので、カメラの知識がある人なら撮りたい写真を自由自在に撮影できます。


加えて、前モデルではPro付きモデルしか対応していなかったマクロフォーカスが、Pixel 8も使用できるようになりました。これにより、Pixel 8とPixel 8 Proのユーザーは被写体にぐっと寄って写真を撮影することが可能です。


◆4:Pixel初の温度センサーをチェック
Pixel 8 Proには、Pixelシリーズとしては初めて温度センサーが搭載されました。使うには、まず温度計アプリを起動します。


「許可する」をタップ。


「温度測定」をタップします。


体温の測定や物体の中の温度までは測れないことが案内されています。「続行」をタップ。


「次へ」をタップ。


カメラバーにあるセンサーを対象物に近づけて使用することが説明されています。「次へ」をタップ。


センサーを対象物から5cm以内に近づけることが説明されています。「完了」をタップ。


これで準備完了です。


実際にお湯と氷水の温度を測定してみます。


一瞬で測定が完了しました。お湯は58.8度。


氷水は7度と表示されました。あくまで表面温度のみの測定なので、料理に火が通っているかの確認などには使えませんが、非接触での温度測定が可能なので、工夫次第ではスマートフォンの用途がさらに広がりそうです。

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in レビュー,   モバイル,   ハードウェア,   動画, Posted by log1l_ks

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