生き物

ヘリコプターが低空飛行したせいでワニが大乱交を始めてしまう事態が発生


オーストラリアのワニ飼育場で、付近をヘリコプターが飛行したことによりワニが一斉に交尾を始めてしまう事態が発生したと報じられました。

Crocodile sex frenzy triggered by Chinook helicopters and thunder in central Queensland - ABC News
https://www.abc.net.au/news/2023-10-01/croc-sex-frenzy-rockhampton-chinook-helicopter-aphrodisiac/102914902

Low-flying helicopter sparks massive crocodile orgy in Australia | Live Science
https://www.livescience.com/animals/alligators-crocodiles/they-mated-like-mad-low-flying-helicopter-sparks-massive-crocodile-orgy-in-australia

オーストラリア・クイーンズランドで3000匹を超えるワニを飼育しているKoorana Crocodile Farmのオーナーのジョン・レバー氏によると、この地域を飛行するチヌークというヘリコプターのパイロットはよくレバー氏のワニ飼育場をコース変更の目印にしており、あるときパイロットが低空飛行した際に、ワニが交尾を始めてしまったとのこと。

レバー氏はオーストラリアのテレビ局・オーストラリア放送協会(ABC)の取材に対し、「大柄なオスのワニが全員体を起こして空に向かってほえ、ヘリコプターが飛び去るとワニは狂ったように交尾しました。ヘリコプターの音にはワニたちを興奮させる何かがあるようです」と話しました。


ヘリコプターの接近がワニを発情させてしまった理由について、専門家らはさまざまな説を提唱しています。オーストラリアのチャールズ・ダーウィン大学でワニの生態を研究しているキャメロン・ベイカー氏の話では、オーストラリアのワニの発情期はクイーンズランド州北部の雨期とほぼ一致しているそうです。雨期が到来すると雷雨が発生しますが、その際の雷鳴とヘリコプターの飛行音をワニが聞き間違えてしまったというのが、ベイカー氏の仮説です。

ベイカー氏は「ワニたちはおそらく、雨期がやってくる合図として雷雨を利用しているのでしょう。雨期は交尾を始めるのに適した季節なので、それに合わせてちょうどいい時期に卵を生む準備ができるのです」と述べました。

卵からかえったばかりの子ワニが育つには豊富な餌が必要ですが、洪水が発生していると子ワニがおぼれてしまいます。そのため、ワニは雷雨が発生している時に交尾をして、天候が落ち着いたころに卵を産むそうです。


また、ヘリコプターの飛行音が水に当たった時に発生する低い低周波音が、ワニのオスが縄張りを主張する声に聞こえて、これがワニたちをたき付けてしまった可能性もあります。

「ヘリコプターの音が水に当たると、非常に低い周波数の『ドスン、ドスン』という音が発生する可能性があり、これが偶然大きなオスが『おい、ここは俺の縄張りだ』と言う時の音に聞こえたのかもしれません。彼らがこの音をどのように使い、何を伝えているのかはまだわかっていませんが、彼らは体全体を震動させることで低いゴロゴロという鳴き声を発しているという説があります」とベイカー氏は話しました。

クイーンズランド大学の動物学教授であるクレイグ・フランクリン氏は、別の仮説を提唱しています。フランクリン氏によると、ワニは気圧の変化を認識できる外皮感覚器(ISO)という器官を持っており、これで雨が降るかどうかを察知しているとのこと。ヘリコプターが飛行すると強い風が発生するため、これがワニに気圧の変化のような影響を与えた可能性があると、フランクリン氏は述べています。


ただし、ワニはひとつの環境変化だけをたよりに繁殖を開始しているわけではありません。フランクリン氏は「ワニの生態は複雑で、日照時間や気温、降水量、気圧の変化など、さまざまなシグナルで繁殖活動のタイミングを計っています」と話しました。

また、飼育場のオーナーのレバー氏も「この冬はとても暖かい冬でした。雷雨はワニたちにとっては興奮剤のようなもので、雷雨が来るとワニは本当に高ぶるんです。すでに雨も降っています」と話して、さまざまな要因がワニの求愛シーズン到来を早めたのではないかと語りました。

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in サイエンス,   生き物, Posted by log1l_ks

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