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Googleの独禁法違反訴訟は異例の「非公開裁判」になっているとの指摘


Microsoftが1998年にアメリカ司法省から提訴された際には、設立者であるビル・ゲイツ氏の答弁が一面記事として報じられ、世界一の大富豪が証言席でしどろもどろになる様子が衆目にさらされました。一方、2023年9月に始まった司法省対Googleの裁判では、裁判の経過の多くが非公開となっており、その内容を一般市民が知ることが難しくなっています。司法省が独占禁止法違反で大企業を追及した裁判という共通点を持ちながら、法廷における扱いがMicrosoftとGoogleとで大きく違う問題について、アメリカの企業問題に詳しい著作家のマット・ストーラー氏が考察しました。

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ストーラー氏によると、MicrosoftとGoogleの裁判の大きな違いは非常に単純で、Microsoftの場合は裁判が一般公開されたのに対し、Googleの裁判ではほとんどが非公開になっている点にあるとのこと。

Microsoftの場合は、裁判で取り上げられたものもそうでないものも含め、100件以上の宣誓証言が記録として公開されましたが、今回のGoogleの裁判を担当しているアミット・メータ判事は、Googleからの要請を受けて、裁判の音声記録を公開してほしいという第三者からの申し出を却下してしまいました。Googleはプライバシーや機密情報の保護を盾に裁判を公開しないように求めており、裁判所もGoogleの言いなりになっているため、Googleが明るみに出したくない事実のほとんどが秘匿されている状況にあります。


これがどれほど異様なことなのかについて、ストーラー氏は「Googleの弁護団は、裁判資料が『クリックベイト』にあたるという理由、つまりそれが単に興味深いものであるという理由で、それが封印されるべきであると主張しています。このような議論は一笑に付されるべきですが、メータ判事は真に受けてしまいました。その結果、重要な文言は削除され、大切な場面や恥ずべき場面が秘匿されてしまい、国民にとっては退屈極まりない裁判となっています」と批判しました。

裁判が公開されていないため、Googleの裁判の経過を見守るためにはコロンビア特別区の裁判所に直接赴く必要がありますが、法廷がいつまで非公開として閉鎖され、いつ再開されるのかは事前に明確にされていないとのこと。そのため、裁判を見ようとする人は法廷の扉が開くのを外で待ち構えていなければならず、苦労してやっと傍聴席に座ってもレコーダーなど電子機器を使うことは許可されていません。

これまでの裁判の公開状況は以下の通り。
・2023年9月18日:裁判のおよそ半分が閉鎖。
・2023年9月19日:全公開。
・2023年9月20日:およそ4分の3が閉鎖。
・2023年9月21日:およそ半分が閉鎖。
・2023年9月22日:裁判が全て閉鎖され、法廷が開かれたのは最後の事務処理のための数分のみ。


この措置により、裁判の中で最も重要とされているジョン・ジャナンドレア氏の証言はほとんど非公開となってしまいました。ジャナンドレア氏は、2018年にGoogleからAppleに移ったティム・クックCEO直属の上級幹部で、AppleとGoogleの急接近についての鍵を握る中心人物とされています。しかし、ジャナンドレア氏の証言のうち一般公開されたのはわずか10分間にとどまりました。

The New York Timesの調べによると、Googleが裁判に際して提出した35件の答弁のうち3分の2が非公開となっているとのこと。また、証人として検索エンジン・DuckDuckGoのガブリエル・ワインバーグCEOが5時間証言しましたが、そのうち一般公開されたのはわずか1時間でした。そのほか、Appleの最高幹部であるエディー・キュー氏の4時間以上の証言のうち半分以上が非公開にされるなど、Googleの裁判は透明性を欠く状況が続いています。

問題はGoogleに言われるがままに裁判を非公開にしているメータ判事だけではありません。司法省も、音声の公開を申し立てた非営利団体を支持せず、Googleが不快感を示すたびに判事の機嫌を伺って訴訟を非公開にするなど、弱腰の態度が目立つとのこと。政府機関としてアメリカ国民を代表する立場にある司法省がGoogleに迎合するのは、権限を付託してる国民への義務に矛盾していると、ストーラー氏は非難しています。

ストーラー氏は末尾で、「私はこの裁判に何を期待すべきかわかりませんでしたが、情報のブラックアウトは予想外でした。しかし、驚くべきことでもないように思えます。詰まるところ、Google以上にプライバシーの価値を知っている人はいないのですから」と述べました。

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in ネットサービス, Posted by log1l_ks

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