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Googleが2022年に著作権侵害でブロックしたURLは6億8000万件以上、半数近くが一度も表示されることなくブロックされている


Googleは著作権侵害への取り組みとして、著作権侵害の疑いがあるコンテンツをGoogle検索の検索結果から削除しています。2023年8月末にGoggleがアメリカ特許商標庁に宛てた書簡によると、Goggleは違法なコンテンツが検索結果に一度も表示されることなくブロックできているケースも多く、ブロックしたコンテンツは2022年だけで約6億8000万件にものぼると報告されています。

Google Preemptively Banned Hundreds of Millions of 'Pirate' URLs Last Year * TorrentFreak
https://torrentfreak.com/google-preemptively-banned-hundreds-of-millions-of-pirate-urls-last-year-230903/


アメリカで施行されているデジタルミレニアム著作権法(DMCA)では、著作権者からの権利侵害の訴えを受けたインターネットサービスプロバイダは、それに該当するコンテンツを削除することが求められます。Googleが処理している著作権削除リクエストはほとんどがDMCAに基づくもので、1日平均で約300万件、2022年までの総数で70億件を超える違法なコンテンツを含むURLへのリンクが削除されています。また、Google検索結果からの削除だけではなく、Googleのブックマーク機能である「コレクション」など他のGoogleサービスからも削除されることが明らかになっています。

Googleは「Google検索に対して送られたDMCA削除リクエスト」を別のGoogleサービスにも反映している - GIGAZINE


DMCAに基づく削除依頼が行われた際には、検索エンジンのインデックスから該当のURLが削除され、違法なコンテンツへのリンクが削除される他、削除通知が来たドメインは検索結果として「降格」されることで掲載される順位が低くなります。Googleの報告によると、降格されたサイトは検索からのクリックの89%を失う傾向があるとのこと。また、検索エンジンのインデックスに登録されていないリンクも同様に削除対応が行われ、その場合は「該当のURLが将来的に検索結果に表示されることをブロックし、すべての追加の抑止策も実行します」とGoogleの著作権弁護士を務めるカレブ・ドナルドソン氏は説明しています。

このような「検索インデックスに表示される前のURL削除」は「プリエンプティブ(先手必勝)」の削除と呼ばれており、Googleがアメリカ特許商標庁の調査へ回答した書簡(PDFファイル)によると、2022年にWebフォーム経由で提出された削除の40%以上がプリエンプティブ削除によるものだったと明らかになっています。Googleが提出した書簡には、「2022年現在、6億8000万件を超えるURLに対処しています。そのうち40%は、当社の検索結果に一度も表示されていません」と記されています。


また、検索インデックスに含まれていない違法コンテンツのURLという点からさらに進んで、まだ著作権侵害が起こっていないコンテンツに対する削除依頼も受け付けているとのこと。例えば、サッカーワールドカップや総合格闘技などの人気ライブストリーミングに際しては、海賊版サイトが事前にウェブサイトを作成して違法なストリーミングを告知することがしばしば起きています。そのような場合、まだストリーミングが開始しておらず著作権侵害が行われる前でも、これらのサイトをオフラインにできるようになっています。

Googleは書簡の中で、「20年以上にわたり、私たちは『満たされていない消費者の需要が著作権侵害の主な要因である』ということを観察してきました。正規の供給によって需要が満たされない場合、ユーザーは海賊版コンテンツを求めることになります。だからこそ、著作権侵害と戦う最善の方法の1つは、より優れた、より便利で、正当な代替手段を提供することです。今後の著作権侵害対策戦略としては、合法的なコンテンツの入手可能性が鍵となっています」と、将来に向けた新たな著作権侵害対策への取り組みを強調しています。

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in ネットサービス, Posted by log1e_dh

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