AppleとMicrosoftがiMessageとBingをEUの規制対象である「ゲートキーパー」リストから外させようと画策している
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EUで2022年5月から適用されている「デジタル市場法」で規制の対象となる「ゲートキーパー」のリストには、GoogleやApple、Microsoft、Metaなどの大手IT企業の主要なサービスが登録されるとみられています。そんな中で、MicrosoftやAppleがBingやiMessageをゲートキーパーのリストから外すように働きかけていると報じられています。
Apple and Microsoft say flagship services not popular enough to be ‘gatekeepers’ | Financial Times
https://www.ft.com/content/137d655b-c264-460f-bbe8-a269f0a3d8ac
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Apple and Microsoft dispute iMessage and Bing EU ‘gatekeeper’ status - The Verge
https://www.theverge.com/2023/9/4/23858948/eu-microsoft-apple-bing-imessage-dma-gatekeepers-list-dispute
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欧州委員会は2020年12月にデジタル市場法案を提案し、2022年9月に欧州議会と理事会の審議を経て採択されました。このデジタル市場法は、「ゲートキーパー」として指定された主要なネットサービスにさまざまな義務や細かな禁止事項を定めるものです。これまでEUではGoogleやMetaなどの大手IT企業によるEU競争法違反が発生した場合、発覚後に調査と訴追を行う必要がありましたが、デジタル市場法で企業の動きを事前に厳しく規制することができるようになりました。
デジタル市場法の規制対象となるゲートキーパーは、「年間売上高が75億ユーロ(約1兆1900億円)以上」「時価総額が750億ユーロ(11兆9000億円)以上」「4500万人以上の月間アクティブユーザー数」という3条件のいずれかを満たすと認定されるため、Google・Amazon・Apple・Meta・Microsoftなどの大手IT企業とその主要サービスはほぼゲートキーパーと見なされる可能性が高いといえます。
Amazon・Apple・Google・Microsoftなど大手テクノロジー企業7社がEUのデジタル市場法における「ゲートキーパー」であることを認める - GIGAZINE
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デジタル市場法は2023年5月2日に適用が開始されました。欧州委員会は2023年9月6日に、このゲートキーパーの定義を満たすと思われる企業とその提供サービスをまとめたリストを公表する予定です。
Financial Timesによると、Microsoftは自社のWindowsがゲートキーパーの定義を満たしていることに異議は唱えていないものの、検索市場におけるBingについては、競合サービスであるGoogle検索と比べると今後さらにシェアを減らす可能性があると主張しているとのこと。実際に検索エンジン市場のシェアは記事作成時点でGoogleが91.85%で首位に君臨しており、Microsoft Bingはわずか3.03%です。
Source: StatCounter Global Stats - Search Engine Market Share
もしMicrosoftのBingがゲートキーパーに指定された場合、MicrosoftはユーザーにGoogleを含む他の検索エンジンを選択肢として提供する必要があります。しかし、Financial Timesによれば、こうした規制は逆にGoogleの市場シェアを押し上げる可能性があるとして、EU内でMicrosoft側を擁護する声も上がっているそうです。
また、Microsoftとは別に、AppleもiMessageがユーザー数の基準を満たしていないと主張し、ゲートキーパーの定義を満たしていないとしています。iMessage自体はiPhoneやiPad、Macに組み込まれているので、全世界で10億人規模のユーザーを抱えていると予想されますが、Appleは近年だとiMessageのユーザー数を明らかにしていません。
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欧州委員会とMicrosoft、AppleはFinancial Timesの取材に対し、コメントを控えました。
なお、EUではデジタル市場法と同時期に「デジタルサービス法」も採択され、2024年2月から適用されます。このデジタルサービス法により、ソーシャルメディアや検索エンジンの違法コンテンツ対策とコンテンツモデレーションに関する責任と義務が細かく規定され、GoogleやMicrosoft、Apple、MetaなどはEUでのサービス展開でこれまで以上に苦戦を強いられる可能性があります。
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