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性的な画像を送らせて金銭を要求する「セクストーション詐欺」を行うスパムアカウントがX(旧Twitter)上の中国人ユーザーの間で増加中との報告


ソーシャルネットワーキングサービスの「X(旧Twitter)」では、一般のユーザーによる投稿が数多く行われている一方、ユーザーをだまして金銭を要求するようなスパムアカウントも多数存在しています。影響力のある一部の中国人ユーザーが行った投稿に対する返信に、無数のスパムアカウントが殺到していることが報告されています。

New Twitter scam in China: sextortion scammers - Rest of World
https://restofworld.org/2023/chinese-sextortion-scammers-are-flooding-twitter/


中国人ジャーナリストのワン・ツィアン氏は自身が行った投稿に対して、多数のアカウントがワン氏に対して性的な画像やコメントを含んだ返信を行っていることを発見。返信を行うアカウントにはすべて有料サブスクリプション「Blue(旧Twitter Blue)」の加入者であることを示す認証済みバッジが付与されていました。以下はワン氏に対して返信を行ったスパムアカウントの一部です。


ワン氏はすぐにこれらのアカウントがセクストーション詐欺師によるスパムアカウントだと把握。これらのアカウントは、若い独身女性を装って、話題の投稿に性的な画像などを含んだメッセージを返信し、プロフィールに記されたTelegramのリンクを介して連絡するように求めています。

ワン氏によると、これらのスパムアカウントが要求するTelegramのリンクにアクセスした場合、詐欺師はユーザーに対して「安全上の理由」で特殊なビデオチャットソフトウェアをダウンロードするよう指示。さらに言葉巧みにユーザーの男性に対して衣服を脱がせ、その様子を記録し、撮影された映像の流出をほのめかしてユーザーに金銭を要求します。スパムアカウントにだまされたという匿名の男性は「詐欺師に2万7500ドル(約400万円)を送金することになりました」と報告しています。


これらのスパムアカウントに対して、ワン氏は1つずつブロックを行いましたが、次々と新たなスパムアカウントがワン氏に対して返信を行ったとのこと。ワン氏は「まるで終わりのないゲームです」と語っています。

北京師範大学のルンゼ・ディン氏は「中国国内ではグレート・ファイアウォールと呼ばれる厳しい検閲によって、アダルトコンテンツへのアクセスは厳しく規制されています。その結果、多くの中国人ユーザーはアダルトコンテンツに関するインターネットリテラシーが欠如しています。そのため、セクストーション詐欺の影響を受けやすくなっています」と推測しています。

また、リーズ大学のリュウ・チョン氏は「わずか月額980円で入手できるXの認証済みバッジが、スパムアカウントに対して信頼性を与えてしまっています」と指摘しています。

作家のムロン・シュエクン氏もスパムアカウントの被害を受けるユーザーの一人で、シュエクン氏がXで投稿を行うとすぐに無数のスパムアカウントによる返信が殺到するとのこと。シュエクン氏は「スパムアカウントの投稿によって、一般ユーザーとの有意義な会話が妨げられています」と述べています。


ワン氏はまん延するスパムアカウントについてXに報告したものの、対処されたスパムアカウントはごくわずかだったとのこと。そこでワン氏らは独自に「セクストーション詐欺師との戦い」と銘打ったキャンペーンを開始。ワン氏は自身のフォロワーに対して、スパムアカウントのTeregramのリンクにアクセスして、無意味な質問などを行って嫌がらせをするように促しています。


キャンペーンの開始以降、ワン氏は「自身の投稿に対するスパムアカウントからの返信の数が減少しています」と報告。一方で、X上で中国語のアダルトコンテンツを発信するアカウントをブロックできるGoogle Chrome拡張機能「PureTwitter」を開発したソフトウェアエンジニアのロビン・リー氏は「毎日30~70のスパムアカウントを検出してブロックし続けています」と述べ、セクストーション詐欺に関わるアカウントが依然として存在していることを明かしています。

ワン氏は「いつの日かXが、より質の高いニュースの発信や議論を行うことができる場所になることを願っています」と述べています。

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in ネットサービス,   セキュリティ, Posted by log1r_ut

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