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コンピューターチップのサプライチェーンの国別シェアを一目で確認できるサイト「Supply Chain Explorer」


コンピューターに利用されるICチップの製造は、世界中のさまざまな企業が複雑に関わり合って成り立っています。そんなICチップの国際的なサプライチェーンの様子を国・企業のシェアなどの情報とともに図解してくれるサイトが「Supply Chain Explorer: Advanced Chips」です。

Supply Chain Explorer: Advanced Chips
https://chipexplorer.eto.tech/?input-resource=N26


サイトにアクセスしてみると下図のように表示されます。一番上の項目は「デザイン」で、CPUやGPU、FPGA、AI用チップなどの設計についてまとめられており、さらに下には「製造」「組み立て・テスト・パッケージング」という項目が続いています。「Logic chip design: Advanced CPUs」をクリックしてみます。


すると、「CPUは主要な汎用論理チップで、IntelとAMDの2社が市場を独占してきた」という説明が表示されました。下部に「Notable supplier companies」という項目もあり、AMDおよびIntelが「US(アメリカ合衆国)」という国籍付きで掲載されています。2社の他にも、中国の4社が「無視できるレベルの市場シェア」という表示付きで並べられていました。回路設計以外には「コア知的財産権」と「電子設計自動化ソフトウェア」の情報がある模様。「コア知的財産権」をクリックしてみます。


コア知的財産権についても、「チップ設計会社が設計で使用するためにライセンスを供与する、再利用可能なモジュール式設計ブロック」という説明が表示されました。


複数の国がシェアを分け合っている場合は各国のシェアをグラフにした図が表示されます。回路設計ではアメリカ合衆国が独占状態でしたが、コア知的財産権のシェアではArmが本拠地を置くイギリスが存在感を出しています。


サプライチェーンを順番にたどっていく方法のほかに、「HIGHLIGHT BY」の項目を選択することで特定の項目をハイライトすることも可能です。「SPECIFIC INPUTS」を選択してみます。


「CHOOSE INPUT」という欄が出現。「WAFER(ウエハー)」を選択すると、いきなりウエハーの項目が出現します。


また、「SUPPLIER COUNTRIES」で「JAPAN」を選択すると、工程のなかで日本のシェアが高い項目が青くハイライトされます。回路設計の項目ではあまり存在感がありません。


しかし、「Fabrication(製造)」の項目ではさまざまな分野でシェアを持っている模様。


そのほか、「MARKET CONCENTRATION(市場集中度)」という項目でハイライトすると特定の国に供給が偏っている項目が青く表示されます。試しに真っ青に光っている「Wafer handlers」をクリックして表示してみます。


この分野では日本が圧倒的なシェアを獲得している模様。グラフの下には「ダイフク」「ローツェ」「村田機械」などの企業名が掲載されていました。

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in ハードウェア, Posted by log1d_ts

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