AFPがX(旧Twitter)を「ニュースの使用料を支払わせるため」に提訴、マスク氏は「変な話だ」と反発

世界三大通信社の1つとして知られるフランス通信社(AFP)が「報道のための著作隣接権」に基づくニュースの使用料の支払いを求めて、X(旧Twitter)を提訴しました。

AFP Takes Legal Action Against Twitter to Enforce News Agencies’ and Publishers’ Neighbouring Rights | AFP.com
https://www.afp.com/en/agency/press-releases-newsletter/afp-takes-legal-action-against-twitter-enforce-news-agencies-and-publishers-neighbouring-rights

Musk calls French news agency’s copyright case against X “bizarre” [Updated] | Ars Technica
https://arstechnica.com/tech-policy/2023/08/musk-calls-french-news-agencys-copyright-case-against-x-bizarre/

AFPを初めとする通信社やニュースメディアは、XやFacebook、Googleなどにニュースによる収益の一部をメディアに支払うべきだと以前から主張しています。2019年、EU理事会は「デジタル環境における著作権規則」の中で、「報道出版物の保護」を命令しました。これは、通信社やメディアが報じたニュースは、世に出てから1年間は保護の対象となり、使用料を支払う必要があると定めるものです。

Copyright rules for the digital environment: Council agrees its position - Consilium
https://www.consilium.europa.eu/en/press/press-releases/2018/05/25/copyright-rules-for-the-digital-environment-council-agrees-its-position/

EUの命令を受けて、Googleは2021年にニュースの使用料をフランスの報道機関に支払うことに同意しました。

Googleがフランスの報道機関に対し「ニュースの使用料」を支払うことに同意 - GIGAZINE

しかし、AFPは「報道のための著作隣接権の実施に関する協議への参加を、Xが明確に拒否していることに懸念を表面します」と述べており、Xがニュース使用料の支払いを拒否していることを明らかにしました。

AFPは、Xが支払うべきニュースの使用料を算出するための法的手段として緊急差止め命令を得るため、パリ司法裁判所に提訴したとのこと。

マスク氏はAFPの提訴に対して、「これは変な話です。AFPは私たちに、私たちではなくAFPが広告収入を得るサイトへのトラフィックの対価を支払わせようとしているのですか？」と述べ、AFPの主張を受け入れられないという姿勢をみせています。

AFPは「ニュースコンテンツの共有によって生み出される価値の公平な分配を確保するため、私たちは今後も関連する各プラットフォームに対して適切な法的手段を採用していく」と述べており、X以外のメディアプラットフォームにも同様に提訴を行う構えをみせています。

なお、Facebookは、ニュース使用料の支払いを求めるオーストラリアやカナダに対して強い反発を示しており、カナダではニュースの配信を停止する措置を行っています。

FacebookとInstagramがカナダでのニュース配信を停止、「ニュースを掲載したら収益を分けろ」とする法案に反発 - GIGAZINE