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Facebookが「ニュース配信による利益を報道機関に還元する法案」成立後にニュース配信の停止を宣言


FacebookとInstagramで「カナダ人ユーザーに対してニュースを非表示にする施策」が2023年6月22日(木)に始まりました。FacebookおよびInstagramのニュース非表示対応はカナダでオンラインニュース関連の新法が成立したことを受けたもので、Googleなどの大手プラットフォームもニュースの非表示対応を実施する可能性があります。

C-18 (44-1) - LEGISinfo - Parliament of Canada
https://www.parl.ca/LegisInfo/en/bill/44-1/c-18

Changes to News Availability on Our Platforms in Canada | Meta
https://about.fb.com/news/2023/06/changes-to-news-availability-on-our-platforms-in-canada/

Canadians will no longer have access to news content on Facebook and Instagram, Meta says | CBC News
https://www.cbc.ca/news/politics/online-news-act-meta-facebook-1.6885634

Showdown with Google, Meta over news-blocking imminent | National Post
https://nationalpost.com/news/politics/showdown-looming-as-online-news-bill-is-about-to-become-law

2023年6月にカナダ議会で議論されていたオンラインニュース関連法案「C-18」が上下両院で成立し、2023年6月22日には法案の発効に必要な「国王の裁可」が下されました。C-18はオンラインプラットフォームの運営者に対して「プラットフォーム内でのニュース配信によって得た利益」をニュースの配信元に還元することを義務付ける法律で、FacebookおよびInstagramを運営するMetaは法案審議中から「法案が成立した場合、カナダでのニュース配信を停止する」と述べて法案に反対する姿勢を示していました。

「ニュースを掲載したら収益を分けろ」とするカナダの法案にMetaが「成立すれば掲載をストップする」と反発 - GIGAZINE


Metaは2023年6月1日にも「C-18が成立した場合、カナダでFacebookやInstagramを利用するユーザーは報道機関が作成するコンテンツにアクセスできなくなる」という旨のブログを公開し、法案への反対姿勢を強調していました。そして、2023年6月22日の法案成立後には当該ブログを更新し、「本日、カナダのすべてのFacebookおよびInstagramユーザーへのニュース提供を終了することを確認しました」「2023年6月初頭から、ニュースを非表示にするテストを開始しており、カナダの少数のユーザーがニュースにアクセスできなっています」と述べてニュース配信の停止を段階的に進めていることを明かしました。

Metaがカナダ国内でのニュース配信を停止したという報道を受けて、カナダのパブロ・ロドリゲス遺産大臣は「Facebookは、現時点ではC-18に基づく義務が生じていないことを理解しているようです。政府はC-18に対する国王の裁可を得て規制および実施のプロセスを進めます。政府が国民を代表して大手テクノロジー企業に立ち向かえないならば、一体誰が立ち向かうというのでしょうか?」と述べ、C-18の発効に向けた手続きを進める姿勢を強調しています。


C-18を巡っては、法案の審議中にGoogleが上院委員会に出席し、C-18が成立した場合「記事の質より量を重視する環境が生じる」「プラットフォームの提供者が上限のない財務責任を負うことになる」「検索結果表示順位の調整が制限され、悪意あるコンテンツが検索結果上位に表示されてしまう」として法案の修正案を提言していました。2023年6月22日にGoogleの広報担当者は「C-18がまもなく成立しようとしていますが、我々の懸念は何一つ解決されていません。私たちは今後も前進を続けるために政府と協力し続けます」と述べ、法案への不満を示しています。

なお、「ニュース配信で得た利益を報道機関に還元する」という仕組みの構築はカナダだけでなくオーストラリアなどでも進んでおり、Facebookは2021年2月にニュース記事の投稿を禁止していました。しかし、その後方針を転換してニュース共有に関する制限を撤廃しています。

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また、Googleもオーストラリアでのニュース配信に関する変更を計画していましたが、政府の策定したルールに従って報道機関へのニュース使用料支払いを始めています。

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in ネットサービス, Posted by log1o_hf

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