メモ

Googleに650億円の罰金、報道機関とのライセンス交渉に失敗


2020年4月に下された「ニュースなどのコンテンツ使用に関するライセンス交渉を報道機関と行うべき」という命令にGoogleが従わなかったとして、フランスの競争規制当局が2021年7月13日に、Googleに対して5億ユーロ(約650億円)の罰金を科しました。

Rémunération des droits voisins : l’Autorité sanctionne Google à hauteur de 500 millions d’euros pour le non-respect de plusieurs injonctions | Autorité de la concurrence
https://www.autoritedelaconcurrence.fr/fr/communiques-de-presse/remuneration-des-droits-voisins-lautorite-sanctionne-google-hauteur-de-500

Google fined 500 million euros in France in news copyright row
https://www.cnbc.com/2021/07/13/google-fined-500-million-euros-in-france-over-news-copyright-row.html

France fines Google 500 mln euros over copyright row | Reuters
https://www.reuters.com/technology/france-fines-google-500-mln-over-copyright-row-2021-07-13/

Google (GOOG:US) Fined $593 Million By French Antitrust Agency - Bloomberg
https://www.bloomberg.com/news/articles/2021-07-13/google-said-to-be-fined-593-million-by-french-antitrust-agency

フランスでは2019年7月に著作権法が改正され、ニュースをインターネットで配信する際に「著作隣接権」が認められることとなり、Googleはニュースの配信元である出版社やメディアにニュースの使用料を支払わなければならなくなりました。

これに対してGoogleは、「リンクやコンテンツの一部を検索結果やGoogleニュースに表示しない」という方法で対処。Googleは以前からコンテンツ使用料の支払いを拒否する姿勢を貫いており、2014年にはGoogleへの使用料支払いを義務付ける法案を可決したスペインで、Googleニュースのサービス提供を終了しています。

「Google税」の法施行が決定した結果、Googleニュースがサービス終了 - GIGAZINE

By Alain Bachellier

Googleの対応を受けて、フランス競争委員会は「当局は、著作隣接権に関する法律の施行を契機としたGoogleのやり方は、支配的地位の乱用をまねく可能性が高く、報道分野に深刻かつ即時の危害をもたらすと考えます」とコメントし、Googleに対して「保護されたコンテンツを配信するために、報道機関と3カ月以内に誠意を持って交渉を行うべき」という命令を、2020年4月9日に下しました。

2021年1月、Googleはフランスの報道機関とニュースの使用料を支払うための交渉を始めたことを発表しました。

Googleがフランスの報道機関に対し「ニュースの使用料」を支払うことに同意 - GIGAZINE


しかし、Googleと報道機関の交渉は決裂。フランスの報道団体であるLe Syndicat des éditeurs de presse magazine(SEPM)、l'Alliance de Presse d'information Générale(APIG)、l'Agence France Presse(AFP)は、2020年8月~9月に「Googleは誠実な交渉を行わなかった」と苦情を申し立てており、フランス競争委員会がGoogleの調査を行っていました。

調査の結果、Googleは2020年4月の命令に従わなかったとして、フランス競争委員会はGoogleに対して5億ユーロの罰金を科しました。この5億ユーロという金額は、フランス競争委員会がこれまで科してきた罰金の中で史上最高額になります。


さらにフランス競争委員会は、「客観的で透明性が高く公正な基準に従って誠実に交渉すること」「報酬の透明性を高く評価するために必要な情報を報道機関に対して提供すること」をGoogleに求め、2カ月以内に必要な情報をすべて報道機関に提供しなければ、1日当たり最大90万ユーロ(約1億1700万円)の遅延金も科すと発表しました。

Googleの広報担当者は経済メディアのCNBCに対して、「フランス競争委員会の決定には非常に失望しました。私たちは最初から誠意を持って行動してきました。罰金は、和解に達するための私たちの努力と、ニュースが私たちのプラットフォームでどのように機能するかという現実を無視したものです」とコメントしました。

また、Googleの広報担当者は「これまで著作隣接権に関する合意を発表したのはGoogleだけです。さらにグローバルライセンス契約を含むAFPとの契約や出版物に対する著作隣接権のライセンス料も最終的に決定する予定です」と述べました。

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in メモ,   ネットサービス, Posted by log1i_yk

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