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「忘れられる権利(RTBF)」に関する訴訟でGoogleの主張が通り権利はEU限定適用に

by Vladimir Fedotov

忘れられる権利(RTBF)」にまつわるGoogleとフランス当局との間の訴訟で、欧州司法裁判所は権利の対象を「EU域内で行われる検索」とする裁定を下しました。これはGoogleの主張が認められた形です。

The operator of a search engine is not required to carry out a de-referencing on all versions of its search engine
(PDFファイル)https://curia.europa.eu/jcms/upload/docs/application/pdf/2019-09/cp190112en.pdf


Google wins fight to restrict right-to-be-forgotten ruling to EU search engines | VentureBeat
https://venturebeat.com/2019/09/24/google-wins-fight-to-restrict-right-to-be-forgotten-ruling-to-eu-search-engines/

RTBFを巡っては2014年5月、欧州司法裁判所が「私人は時間の経過に伴って現状にそぐわなくなった過去の個人情報に関する検索結果を削除するようGoogleに要求できる」と決定したことで、すべてのEU加盟国版のGoogleで、削除要求のあったページがインデックスから削除されるようになりました。

Googleに検索結果の削除要請する際の根拠となる「忘れられる権利」とは何か? - GIGAZINE

by Jimmy

しかし、2015年にフランスの「情報処理と自由に関する国家委員会(CNIL)」が、RTBFの範囲を全世界のGoogleに拡大するよう要求。

2016年、フランス当局はGoogleが要求に従わなかったとして11万ドル(約1180万円)の罰金を科しましたが、Googleはこれに不服を申し立てて上訴し、争いは欧州司法裁判所に持ち込まれていました。今回の裁定により、GoogleはRTBFをEU域外にまで拡大する必要がなくなりました。

本件では、同じようにヨーロッパでインデックス削除について争いを繰り広げてきたMicrosoftや、Wikipediaを運営するWikimedia財団もGoogleを支持し、Wikimedia財団の法律顧問であるAeryn Palmer氏は「どの国も、全世界がどの情報にアクセスできるかをコントロールしようとすべきではない」と主張しています。

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in メモ,   ネットサービス, Posted by logc_nt

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