Google検索から情報を削除するため偽造された裁判所命令が60件もGoogleに届いていたことが判明
by garloon
Googleは個人情報や自己に不利益な情報の削除を要請できる「個人情報の削除リクエスト フォーム」を設けていますが、申請しても削除が認められない場合の最終手段として法的手続きが考えられます。しかし、Googleに届いていた情報の削除にまつわる裁判所命令の中に「偽造されたものが多数見つかった」ことがCBCニュースの報道により明らかになりました。
Online reputation management: CBS News investigation finds fraudulent court orders used to change Google results exclusive - CBS News
https://www.cbsnews.com/news/online-reputation-management-cbs-news-investigation-finds-fraudulent-court-orders-used-to-change-google-search/
People forged judges’ signatures to trick Google into changing results | Ars Technica
https://arstechnica.com/tech-policy/2019/07/people-forged-judges-signatures-to-trick-google-into-changing-results/
ビジネスの世界には、企業の評判を向上させる「レピュテーション・マネジメント」を請け負う企業が存在しており、その事業内容の中には顧客に不利益な情報を隠匿するような取り組みも含まれています。
by mohamed_hassan
こうした取り組みの多くは合法的なものですが、中には犯罪活動への関与が疑われるケースもあります。そこで、CBCニュースがアメリカの中小企業からGoogleに送付された裁判所命令を調査したところ、数千件の文書の内60件が偽造されたものだということが判明したとのこと。
偽造された裁判所命令の中には、ケース番号が「1-2-3-4-5-6-7-8-9」のようになっているなど、明らかにそれと分かるずさんな偽造文書も見受けられましたが、多くは洗練されたものでした。また、偽造文書により削除されようとしていた情報の中には、児童への性犯罪で有罪判決を受けた2名の受刑者に関するものも見つかっています。
by Alexas_Fotos
GoogleはCBCニュースによるインタビューの申し入れを断りましたが、代わりに「システムを悪用している者を特定するために全力を尽くします」と回答。さらに、技術系ニュースメディアArs Technicaからの問い合わせに対しては、「既に裁判所命令の真偽を検証するプロセスが整備されており、もし不当に削除された情報があった場合は、必要に応じて復元することになっています」と答えており、万全の体制が整いつつあることを示しました。
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