Twitter改めXが広告費を一定以上支払わないと金色認証マークを剥奪すると警告

Xがアメリカとイギリスの一部の広告主に対し、広告費を一定額以上支払わない限り認証ステータスを失うと警告していたことが分かりました。イーロン・マスク氏による買収以後、Xは広告主離れに苦しんでいることが報じられており、マスク氏は挽回策を次々と打ち出しています。

Elon Musk’s Rebranded Twitter Cuts Ad Prices - WSJ
https://www.wsj.com/articles/elon-musks-rebranded-twitter-cuts-ad-prices-d2615d8f

ウォール・ストリート・ジャーナルによると、Xは広告主に対し、2023年8月7日からブランドアカウントが過去30日間に少なくとも1000ドル(約14万円)、または過去180日間に少なくとも6000ドル(約85万円)の広告費を使わなかった場合、金色の認証マーク(そのアカウントが企業公式であることを示すチェックマーク)を失うことになると警告していたとのこと。

Xでは他者のブランドになりすまして誤情報を拡散する悪質なユーザーの存在が相次いでいるため、多くの企業にとって認証マークの存在は重要なものといえます。

また、ウォール・ストリート・ジャーナルが広告主に確認したところによると、Xはアメリカとイギリスの一部の広告主に対し、検索タブにトレンドやトピックとともに表示される動画広告枠を割引価格で提供し始めたとのこと。この種の広告は検索タブに24時間表示されるもので、広告主にとって大きなアピール手段になります。

Xは2023年7月31日まで、これらの広告枠の新規予約を50％オフで提供する予定。Xから広告主に送られたメールには「割引の目的は、FIFA 女子ワールドカップのような重要な瞬間に、広告主がリーチを獲得できるようにすること」と書かれていたそうです。

Xが広告費を割り引くことで収益を強化しようとしたのは今回が初めてではありません。XがまだTwitterだった頃、同社はスーパーボウルの時期に「広告費を50万ドル(約7000万円)費やせば追加の50万ドル分の広告枠が無料」というキャンペーンを実施しており、マスク氏による買収で広告出稿を止めていた一部のブランドが支出を再開したと報じられていました。

2022年10月にマスク氏がTwitterを買収した直後は、その混乱に乗じて有害ななりすましアカウントが増加したたため、主要広告主が広告の出稿を次々に停止してブランドのイメージダウンを回避しようとしていました。デジタルマーケティング分析企業のPathmaticsが提出したデータによると、2022年9月時点でTwitterに広告を出稿していた上位1000社のうち、およそ625社が2023年1月時点で広告出稿を止めていたことが分かっています。

Twitterの主要広告主の半数以上が広告出稿を停止、広告による収益も急落 - GIGAZINE

マスク氏は2023年7月に「広告収入が最大50％減少しキャッシュフローがマイナスになった」とツイートしていますが、すぐにキャッシュフローがプラスになるという明るい道筋も示しており、収益奪還を図ろうとする中でNBCユニバーサルの元広告責任者であるリンダ・ヤッカリーノ氏を最高経営責任者として雇い、ブランドの復活をもくろんでいます。広告主の中にはヤッカリーノ氏を「広告主にとってのコンテンツモデレーションの重要性を十分に理解している人物」と評価している人もおり、Xというプラットフォームに必要な安定性をもたらすことが期待されています。