警察が遠隔でスマートフォンのカメラやマイクを作動させて人々を監視できる法案が可決される
警察が容疑者が所持するスマートフォンのGPSやカメラ、マイクを遠隔で操作し、スパイできるようにする法案がフランスで可決されました。この法律により、法執行機関が容疑者の位置を特定したり、容疑者の声や顔写真を記録したりすることが可能になるとされています。
France set to allow police to spy through phones
https://www.lemonde.fr/en/france/article/2023/07/06/france-set-to-allow-police-to-spy-through-phones_6044269_7.html
France passes bill to allow police remotely activate phone camera, microphone, spy on people
https://gazettengr.com/france-passes-bill-to-allow-police-remotely-activate-phone-camera-microphone-spy-on-people/
司法改革法案に盛り込まれたスパイ条項には、法執行機関が容疑者のノートパソコンやスマートフォン、車、その他これらに接続するデバイスのカメラやマイク、GPSを遠隔操作で作動させ、容疑者をスパイできるようにするとの文が記載されています。
この法案について行われた討論会で、エマニュエル・マクロン大統領陣営の議員たちは「遠隔スパイ行為は、犯罪の性質と重大性を勘案して正当化される場合にのみ、厳密に定められた期間だけ有効である」とする修正案を挿入。スパイ条項を含む司法改革法案は討論を経て可決され、上院を通過して法制化のための立法府の承認待ちとなりました。
この法律により、容疑者の声や写真、位置情報を取得し、テロ犯罪や組織犯罪の疑いのある人物から情報を取得できるようになることが期待されています。ただし、この法律では医師、ジャーナリスト、弁護士、裁判官、国会議員などの機密性の高い職業に対する使用は禁じられているとのこと。さらに、スパイ行為ができる期間は最大6カ月と定められており、位置情報を取得できるのは、少なくとも懲役5年相当となり得る犯罪行為に限定されています。
このスパイ条項は左派や人権団体から「権威主義的なスパイ法案」として非難されており、デジタル著作権団体La Quadrature du Netは「基本的自由の侵害に深刻な懸念を抱かせる」との声明を出しています。エリック・デュポン=モレッティ法務大臣は、「年に数十件しか発動しないだろう」と主張していますが、法案では「何が重大な犯罪にあたるのか」が明確化されていないため、フランス政府が法律を悪用する恐れがあるとの懸念もあります。
モレッティ法務大臣は、法執行機関が持つ権限はジョージ・オーウェルの「1984年」のような監視国家からはほど遠いと主張。法律によって「人々の命が救われる」と述べています。
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