ソフトウェア

Googleがテキストから音楽を自動生成するAIモデル「MusicLM」を公開へ、学習用データセットの倫理的課題もクリア


Googleが、入力したテキストから音楽を自動で生成するAI「MusicLM」を日本時間の2023年5月11日から公開すると発表しました。GoogleのAIを体験できるアプリ「AI Test Kitchen」に登録していれば、一定の制限付きでMusic LMを体験できます。

How to try MusicLM from Google’s AI Test Kitchen
https://blog.google/technology/ai/musiclm-google-ai-test-kitchen/

Google updates AI Test Kitchen with 'MusicLM' text-to-music creator
https://9to5google.com/2023/05/10/ai-test-kitchen-musiclm/

MusicLMは2023年1月にGoogleが発表した自動作曲AIモデルです。MusicLMはのべ28万時間分もの音楽で構成されたデータセットでトレーニングしており、テキストの内容にふさわしい音楽を生成できます。MusicLMがどんな音楽を生成できるのかについては、以下の記事で試聴することが可能です。

Googleが入力したテキストから自動で作曲するAI「MusicLM」を開発 - GIGAZINE


1月にMusicLMについての論文が発表された時、研究チームはトレーニング用のデータセットに著作権で保護されたコンテンツが組み込まれる可能性があり、倫理的な課題があると指摘しており、Googleは「MusicLMをリリースする計画は当面ありません」と述べていました。

Googleは「責任あるイノベーションは単独で起こるものではないと信じています」と述べ、プロのミュージシャンと協力して「トレーニング用データセットの音楽を作成するワークショップ」を主催したことを以下のムービーで明らかにしています。このワークショップによって倫理的課題をクリアしたことにより、Androidアプリ・iOSアプリ・ウェブブラウザとして提供される「AI Test Kitchen」で体験できるようになったとのこと。

Music LM Artist workshop with AI Test Kitchen & Google Arts & Culture Lab - YouTube


MusicLMは「勉強に向いているアンビエントミュージック」「ディナーパーティーにぴったりなソウルフルなジャズソング」といった楽曲の雰囲気や目的をテキストで指定すると、自動で音楽を生成することが可能。Googleは「MusicLMは、プロのミュージシャンでも初心者でもクリエイティビティを表現するのに役立つ実験的なツールです」と紹介しています。ただし、公開に際して倫理的課題をクリアしたデータセットでトレーニングしているため、AI Test Kitchenで提供されるMusicLMでは、特定のアーティストによる演奏や歌声を再現したような音楽を生成することはできないそうです。


実際にAI Test KitchenでMusicLMを体験したニュースサイト・9To5Googleによると、1つのプロンプトに対して2つの楽曲が生成され、どちらの方がより優れた結果だったかをフィードバックする機能が用意されていたとのこと。また、生成された音楽をダウンロードすることも可能だそうです。


なお、AI Test Kitchenの登録は順番待ちの状態で、記事作成時点では登録してすぐに体験することはできませんでした。

この記事のタイトルとURLをコピーする

・関連記事
「AIが生成した数万もの楽曲」を音楽ストリーミングサービスのSpotifyが削除、不正な再生数の水増しが原因か - GIGAZINE

人気歌手が「AIで自分の声から曲を作ってもOKでペナルティなし」と発表 - GIGAZINE

AIで作った「AI音楽」が流行、Discord上には2万人超が集まる人気サーバーも - GIGAZINE

AIを使って制作された「DrakeとThe Weekndのコラボ曲」がTikTokでバイラルになり再生数900万回超を記録、SpotifyやApple Musicでも人気に - GIGAZINE

「AIのトレーニングに楽曲が使用されるのを阻止してほしい」とユニバーサルミュージックグループがSpotifyやApple Musicに要求 - GIGAZINE

in ソフトウェア,   ネットサービス,   ウェブアプリ,   動画, Posted by log1i_yk

You can read the machine translated English article here.