人気歌手が「AIで自分の声から曲を作ってもOKでペナルティなし」と発表
目覚ましい発展を続けるジェネレーティブAIは音楽の分野にも続々と進出しており、2023年4月にはAIで生成されたラッパー・Drakeの曲がSNSで大ヒットしたところ、Drake本人がそのことに懸念を表明する事件も起きています。音楽業界がAIとの対立を深める中、カナダ出身のミュージシャンで、イーロン・マスク氏との間に子どもをもうけたことでも有名なGrimesが、「ヒットした際のロイヤリティの山分けを条件に、自分の声をペナルティなしで使用し自由に楽曲を作成することを許可する」と発表しました。
Grimes says anyone can AI-generate her voice “without penalty” | Ars Technica
https://arstechnica.com/information-technology/2023/04/grimes-says-anyone-can-ai-generate-her-voice-without-penalty/
Grimesは2023年4月24日のツイートで、「私の声を使ってAIが生成した楽曲が成功した場合、ロイヤリティを50%分配します。これは、他のアーティストとコラボするのと同じ条件です。ペナルティなしで、自由に私の声を使ってください。私はレーベルを持たず、法的拘束力もありません」と述べました。
I'll split 50% royalties on any successful AI generated song that uses my voice. Same deal as I would with any artist i collab with. Feel free to use my voice without penalty. I have no label and no legal bindings. pic.twitter.com/KIY60B5uqt
— ???????????????????????? (@Grimezsz) April 24, 2023
ただし、例えばナチス賛美や赤ちゃんへの暴力を想起させるような、極めて有害な歌詞を含む場合は著作権を行使して削除することもあるとGrimesは付け加えています。
Ok hate this part but we may do copyright takedowns ONLY for rly rly toxic lyrics w grimes voice: imo you'd rly have to push it for me to wanna take smthn down but I guess plz don't be *the worst*. as in, try not to exit the current Overton window of lyrical content w regards to…
— ???????????????????????? (@Grimezsz) April 24, 2023
元パートナーであるイーロン・マスク氏がAIを危険視し開発停止を訴える書簡に署名したのとは対照的に、GrimesはAIに前向きです。Grimesは続けて投稿したツイートの中で、「マシンと融合するのはクールだと思うし、すべてのアートをオープンソース化して著作権を殺すというアイデアも好きですね」と話しています。
I think it's cool to be fused w a machine and I like the idea of open sourcing all art and killing copyright
— ???????????????????????? (@Grimezsz) April 24, 2023
Grimesは以前から、AI以外の新しい技術をアートに取り入れることにも積極的な姿勢を見せていました。2020年には、自身の楽曲を用いたNFTアート作品をオークションに出品し、38万8938ドル(当時のレートで約4100万円)で落札されています。
Grimesは、「不愉快な曲は削除してもインターネット上に残る」と注意を呼びかけたツイートに対して、「私はある種のカオスを期待しています。『Grimes』はアートプロジェクトであり、音楽プロジェクトではありません。 最終的な目標は常に、素敵な曲を作ることではなく境界を押し広げることです。ポイントは、シミュレーションに穴を開けて何が起こるかを見ることです。もしそれが私たちにとって悪い結果だとしても」と述べて、予測不能な結果も歓迎するとの姿勢を見せました。
We expect a certain amount of chaos. grimes is an art project, not a music project. The ultimate goal has always been to push boundaries rather than have a nice song. The point is to poke holes in the simulation and see what happens even if it's a bad outcome for us https://t.co/RSAW4xQCAi
— ???????????????????????? (@Grimezsz) April 24, 2023
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