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ウェンディーズがGoogleのジェネレーティブAIでドライブスルーを自動化する「Wendy’s FreshAI」を発表


アメリカ発のファストフードチェーンとして知られるウェンディーズが、ドライブスルーでGoogle CloudのジェネレーティブAIテクノロジーを試験運用すると発表しました。

Wendy's Taps Google Cloud to Revolutionize the Drive-Thru Experience with Artificial Intelligence
https://www.prnewswire.com/news-releases/wendys-taps-google-cloud-to-revolutionize-the-drive-thru-experience-with-artificial-intelligence-301819196.html

Wendy’s tests an AI chatbot that takes your drive-thru order - The Verge
https://www.theverge.com/2023/5/9/23716825/wendys-ai-drive-thru-google-llm


Wendy’s, Google Train Next-Generation Order Taker: an AI Chatbot - WSJ
https://www.wsj.com/articles/wendys-google-train-next-generation-order-taker-an-ai-chatbot-968ff865

Google and Wendy's bring AI chatbot to fast food - Android Authority
https://www.androidauthority.com/wendys-ai-chatbot-3322101/

現地時間の2023年5月9日、ウェンディーズとGoogle Cloudがドライブスルーでの自動注文を実現するための人工知能(AI)ソリューションである「Wendy's FreshAI」を試験するための提携拡大を発表しました。ウェンディーズは2021年からGoogle Cloudのデータ分析、AIテクノロジー、機械学習、クラウドツールなどを活用するためのパートナーシップを提携しています。Wendy's FreshAIはドライブスルーの注文を自動化するため、Google CloudのジェネレーティブAIと大規模言語モデル(LLM)テクノロジーを駆使しています。


ウェンディーズでは顧客の75~80%がドライブスルーを利用しているため、AIを用いた自動化によるシームレスな注文体験を実現することで、複雑なメニューオプションや周囲の騒音による聞き取りづらさの解消などが期待できます。ウェンディーズでは顧客が注文時に自由にメニューをカスタマイズ可能で、その組み合わせは何十億通りもありますが、AIを導入することで店舗側のコミュニケーションエラーによる「間違ったメニューの調理」などのミスが発生しづらくなると考えられます。

ウェンディーズのトッド・ペネゴールCEOは「ウェンディーズは50年以上前に業界初の最新の受け取り窓口を導入しました。我々はGoogle Cloudとの提携を拡大することで、ドライブスルー体験に新たなイノベーションの波をもたらすことに興奮しています」「Google CloudのジェネレーティブAIテクノロジーは顧客に真の差別化された、より速く、スムーズなエクスペリエンスを提供する大きな機会を生み出し、従業員が素晴らしい料理を作ることと何度も来店し続けるファンとの関係を構築することに集中し続けることができるようにします」とコメント。


ウェンディーズは2023年6月にオハイオ州コロンバス地区にある店舗でGoogle CloudのAIテクノロジーの最初の試験運用をスタートし、顧客と会話するためのジェネレーティブAIサービス「Vertex AI」などが利用される予定。このVertex AIでは、オーダーメイドの注文を理解したり、顧客からよくされる質問への回答を生成したりすることが可能とのことです。

ウェンディーズで試験運用されるAIツールは、レストラン向けのハードウェアおよびPOSシステムと統合されたGoogleのLLMを、ウェンディーズのメニューやビジネスルール、基本的なコミュニケーションロジックなどでトレーニングしたものであるとのこと。詳細は明らかにされていませんが、海外メディアのThe Vergeは「ウェンディーズはGoogle Cloudと協力し、LLM上にカスタマイズされたチャットAIを構築しました。詳細はGoogle I/O 2023で発表される予定です」と報じています。

Google Cloudのトーマス・クリアンCEOは、「ウェンディーズは常にイノベーションの最前線に立っており、新しいジェネレーティブAIテクノロジーでウェンディーズとのパートナーシップをさらに強化できることに興奮しています」「ジェネレーティブAIは人々とブランドのかかわり方を根本的に変えています。ウェンディーズとGoogle CloudのジェネレーティブAIテクノロジーの統合により、クイックサービス業界における優れたドライブスルーエクスペリエンスの新たな標準が確立されると期待しています」とコメントしています。


なお、ウェンディーズのドライブスルーをAIで自動化するには、ウェンディーズの定番メニューである「ミルクシェイク」が「フロスティ」という愛称で注文されることや、「ジュニアベーコンチーズバーガー」が「JBC」と略されて注文されることに、AIが対応できるようになることが求められます。

クリアンCEOはウォール・ストリート・ジャーナルに対して「ドライブスルーでAIを用いて顧客対応することは非常に簡単な問題だと思われるかもしれませんが、実際は非常に難しい問題のひとつです」とコメント。例えば、ドライブスルーでの注文時に車の後部座席に座る子どもたちの話し声をAIが無視しなければいけなかったり、注文途中で気が変わった顧客にも対応しなければいけなかったりと、課題は複数存在するそうです。

なお、ウェンディーズはあくまでドライブスルーの自動化にAIを活用しようとしているだけで、人間の従業員をAIに置き換えようとしているわけではありません。実際、AIが顧客の注文を正しく処理できない場合は、人間の従業員が対処することとなり、AIの使用を拒否して従業員に対応してもらうことを要請することもできます。

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in ソフトウェア, Posted by logu_ii

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