マクドナルドがAIを使ってドライブスルーのメニューを購入者1人1人に最適化する見込み
by Alan | Flickr
マクドナルドが機械学習のスタートアップ「Dynamic Yield」を3億ドル(約330億円)で買収したことを発表しました。オンライン通販サイトでは個人に最適化された「オススメ」や「人気商品」が表示されますが、これと同様の機能がドライブスルーのメニューでも実装される見込みとなっています。
Dynamic Yield to Join the McDonald’s Family — Dynamic Yield
https://www.dynamicyield.com/blog/dynamic-yield-joins-mcdonalds/
McDonald's to Acquire Dynamic Yield, Will Use Decision Technology to Increase Personalization and Improve Customer Experience
https://www.prnewswire.com/il/news-releases/mcdonalds-to-acquire-dynamic-yield-will-use-decision-technology-to-increase-personalization-and-improve-customer-experience-300818098.html
McDonald's Acquires Machine-Learning Startup Dynamic Yield for $300 Million | WIRED
https://www.wired.com/story/mcdonalds-big-data-dynamic-yield-acquisition/
McDonald's to Personalize Drive Thru Menus Using AI
https://www.pcmag.com/news/367447/mcdonalds-to-personalize-drive-thru-menus-using-ai
Dynamic Yieldはイスラエルにあるテルアビブを拠点とするスタートアップで、パーソナライゼーションと意思決定に関するテクノロジーを提供しています。マクドナルドではDynamic Yieldの技術をドライブスルーで表示するメニューに搭載する予定となっており、これにより注文を行う時間帯や天気、お店の混雑状況、人気メニューといったさまざまな要素を鑑みた上でそれぞれの購入者に最適化したメニューを示せるようになるとのこと。アルゴリズムは各店舗の過去の販売データや近くで開催されているイベントといった情報も扱い、Amazonで表示される「この商品を買った人はこんな商品も買っています」といった機能と同様のレコメンド機能を実装することも可能です。
これが実際のディスプレイ。「この店舗で人気のメニュー」や……
追加メニューの候補が表示されています。
2019年3月時点でのマクドナルドのドライブスルーは非常に静的なものです。ドライブスルーの利用者に表示されるディスプレイにはいくつかのバナーやキャンペーン商品が表示されていますが、「朝マックとそれ以外のメニュー」といった時間帯による切り替えを除けば、1日を通してほとんど変化することはありません。WIREDの取材に対してマクドナルドのCEOであるスティーブ・イースターブルック氏は「私たちはテクノロジーの活用して、さまざまな要素を1つにまとめるという行為をまだ行っていません」「マスマーケティングからマスパーソナライゼーションへ移行するために、顧客に有益な方法で、エコシステムのデータを解放しなければなりません」と語っています。
マクドナルドには既に膨大なデータが蓄積されているため、機械学習を取り入れることにより、「5時にハッピーセットを2つ注文するのは、親が子どものために食事の準備をしているということ。親のためのコーヒーや軽食を表示すべき」といった判断が取られるようになります。さらに、ドライブスルーが混んでいる時は「すぐに受けとることができるメニュー」を表示すれば、速度の改善にも役立ちます。
マクドナルドは2018年の時点で上記のドライブスルー機能をアメリカの一部店舗でテストしており、この結果を受けて2019年中には機能を全米のドライブスルーに実装することを決断。その後は、全世界的に新しいドライブスルー機能を展開していく予定です。また、セルフオーダー式のキオスクを導入している店舗や、モバイルアプリにも導入予定とされています。
イースターブルック氏は「それぞれのお客様の状況に沿った利便性を提供できるようにすることは、私たちの成長計画にとってテクノロジーは重要な要素です」「この買収によって、私たちは共に将来的なテクノロジーとデータ活用の可能性を大きくすることができ、『より顧客に個人最適化された体験を作り出す』というビジョンを現実のものにする速度を加速することができます」と述べました。
またDynamic Yieldのリアド・アグモンCEOは「Dynamic Yieldを始めた7年前、私たちは『顧客中心のブランドは、個人最適化を根幹としなければならない』という前提を持っていました。マクドナルドのような世界的アイコンのブランドと一緒にやっていけることをうれしく思います。また、人々の日常生活に大きなインパクトをもたらす方法にイノベーションをもたらせると興奮しています」と述べました。
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