認証済みバッジのためにTwitter Blueに課金することを海外セレブやホワイトハウスが拒否、もはや認証済みバッジを持つ意味がないとの指摘も
Twitterは2023年4月1日(土)以降、有料サブスクリプションサービスであるTwitter Blueに加入していないユーザーから、アカウント名の横に表示される青色の「認証済みバッジ」を削除するとしています。ところが、既に数百万人ものフォロワーを持つアスリートや有名人、ホワイトハウスなどは認証済みバッジを維持するためにTwitter Blueへ月額8ドル(約1100円)を支払うことを拒否しており、「認証済みバッジに本人確認の意味がなくなった」との指摘も上がっています。
Scoop: White House won't pay for Twitter verification
https://www.axios.com/2023/03/31/twitter-verification-white-house-biden-check-mark
Twitter's Verification Fee Sparks Backlash From LeBron James, Celebrities - Bloomberg
https://www.bloomberg.com/news/articles/2023-03-31/twitter-s-verification-fee-sparks-backlash-from-lebron-james-celebrities
Without Verification, What Is the Point of Elon Musk’s Twitter? | Electronic Frontier Foundation
https://www.eff.org/deeplinks/2023/03/what-made-pre-elon-musk-twitter-relevant
Celebrities don’t want to pay Elon for a blue check | TechCrunch
https://techcrunch.com/2023/03/31/celebrity-blue-check-twitter-verification/
Twitterは2009年、MLBのカージナルスで監督を務めたトニー・ラルーサ氏が「Twitterは偽アカウントを放置している」として提訴したことを受け、アカウントが本物であることを認証するシステム「Verified Account」を導入しました。2016年には各ユーザーが認証済みバッジの付与を申請できるリクエストシステムが登場し、多くの著名人や政治家、ジャーナリストが認証済みバッジを取得しました。
ところが、2022年にTwitterを買収したイーロン・マスク氏は、「Twitterの認証済みバッジはでたらめ」と発言。その後、Twitterは有料サブスクリプションサービスのTwitter Blueで認証済みバッジを付与するシステムを開始し、月額料金を支払ってTwitter Blueに加入すれば誰でも認証済みバッジを取得できるようになっています。
そして2023年4月1日以降、旧式の検証プロセスを通じて認証済みバッジを取得していたTwitter Blue未加入のアカウントから、認証済みバッジが剥奪されることが発表されました。なお、認証済みバッジをまとめて確実に削除することは困難であるため、認証済みバッジの削除には数週間の猶予があるとのこと。
Twitter Blueが全世界で利用可能になり4月1日からはTwitter Blue未加入の認証済みアカウントから青色チェックマークが外れることに - GIGAZINE
Twitter Blueの加入者を増やすことはTwitterの収益改善にとって重要ですが、一部の有名人はTwitter Blueへの課金を拒否する姿勢を見せています。5000万人以上のフォロワーを持つNBA選手のレブロン・ジェームズ氏は、「えーっと、俺の青いチェックマークはもうすぐ消えるだろう。みんなが知ってる通り、俺はそんな笑っちゃうようなことにお金を出さないから」とツイート。
Welp guess my blue ✔️ will be gone soon cause if you know me I ain’t paying the 5. ????????♂️
— LeBron James (@KingJames) March 31, 2023
250万人以上のフォロワーを持つ俳優のウィリアム・シャトナー氏は、「無料でくれたものにお金を支払わないといけないのですか?」とツイートしてマスク氏を批判しています。
Hey @elonmusk what’s this about blue checks going away unless we pay Twitter? I’ve been here for 15 years giving my ⏰ & witty thoughts all for bupkis. Now you’re telling me that I have to pay for something you gave me for free? What is this-the Colombia Records & Tape Club?????
— William Shatner (@WilliamShatner) March 26, 2023
2022年シーズンのスーパーボウルでMVPを獲得したアメフト選手のパトリック・マホームズ氏は、認証済みバッジを外されないためには月額8ドルを支払う必要があるというツイートに対し、「子どもを養わなくちゃいけないから……」とジョークを飛ばしました。
Can’t bro i got kids… https://t.co/dP0DlmVaDl
— Patrick Mahomes II (@PatrickMahomes) March 31, 2023
そもそも、認証済みバッジはTwitter Blueに料金さえ支払えば誰でも取得できるため、もはや本人確認の意味をなさないという指摘もあります。アメリカの社会運動家であるモニカ・ルインスキー氏は、自分と同名のアカウントが認証済みバッジを取得していると報告しました。
well this is going to be fun… pic.twitter.com/sMab5OvAXa
— Monica Lewinsky (she/her) (@MonicaLewinsky) March 26, 2023
また、ラッパーのアイス・スパイス氏は、たとえ認証済みバッジがなくてもアカウントに100万人以上のフォロワーがいるということ自体が、このアカウントが本物だという証拠になるとツイートしています。
1M on here is heavy blue check wya :')
— Ice Spice ☆ (@icespicee_) March 1, 2023
海外メディアのAxiosは、ホワイトハウスのデジタル戦略ディレクターであるRob Flaherty氏がスタッフに送信した電子メールで、「Twitter Blueは個人レベルの認証をサービスとして提供していないと理解しています。従って、青いチェックマークは単にそのユーザーが有料ユーザーであることの証になりました」と述べ、ホワイトハウスとして認証済みバッジを取得する意思はないことを通知。スタッフが自分でTwitter Blueに加入することは可能なものの、料金は自費であると述べました。
ニューヨーク・タイムズも、認証済みバッジを取得するためにTwitterへ料金を支払う意図がないことを表明しており、ユーザーからこのことを伝えられたマスク氏は、「よし、じゃあ認証済みバッジを外そう」と反応しています。
ニューヨーク・タイムズがTwitterの認証済みバッジの維持に対する支払い意思がないことを表明 - GIGAZINE
記事作成時点では、ニューヨーク・タイムズ公式Twitterアカウントの認証済みバッジがなくなっていました。
デジタル空間の言論の自由を擁護する電子フロンティア財団は、かつてのTwitterは本人確認を行った著名なユーザーのみに認証済みバッジを付与することで、報道機関にとって重要な情報源になってきたと指摘。しかし、認証済みバッジを入手する資格がクレジットカードによる課金のみになってしまった以上、Twitterの有用性と他のプラットフォームに対する優越性は失われたと述べました。
なお、ニューヨーク・タイムズが入手した内部文書によると、Twitterは上位500の広告主とフォロワー数上位1万の組織に対し、認証済みバッジの月額料金を免除する施策を検討しているそうです。また、スポーツチーム・報道機関・金融機関・フォーチュン500に属する企業・非営利団体」などに対し、組織に所属するユーザーに専用ロゴバッジを付与する新たな検証システム「Verified Organizations」の提供も発表されています。
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