サイエンス

エイリアンが送り込んだ小型探査機が地球を監視している可能性があると国防総省の研究機関が主張


エイリアンが太陽系に監視用の小型探査機を送り込み、地球を監視している可能性があるとアメリカ国防総省とハーバード大学の科学者が発表しました。

Alien mothership lurking in our solar system could be watching us with tiny probes, Pentagon official suggests | Live Science
https://www.livescience.com/alien-mothership-lurking-in-our-solar-system-could-be-watching-us-with-tiny-probes-pentagon-official-suggests


ハーバード大学の天文学者であるアヴィ・ローブ氏とアメリカ国防総省が共同で2022年7月に設立した「All-domain Anomaly Resolution Office(AARO)」は、未確認飛行物体(UFO)や陸・海・空・宇宙で起きる未確認航空現象や未確認異常現象を調査するための機関です。このAAROでディレクターを務めるショーン・カークパトリック氏が、「PHYSICAL CONSTRAINTS ON UNIDENTIFIED AERIAL PHENOMENA(未確認航空現象に関する物理的制約)」という草稿を公開しました。この中で、ローブ氏とカークパトリック氏は「地球外からやってきた太陽系を監視するための宇宙船が、小型の探査機を送り込んで来る可能性がある」と指摘しています。なお、この文書は国防総省の公式文書ではないものの、国防総省との提携プロジェクトにより作成されたものです。

PHYSICAL CONSTRAINTS ON UNIDENTIFIED AERIAL PHENOMENA
(PDFファイル)https://lweb.cfa.harvard.edu/~loeb/LK1.pdf


ローブ氏は太陽系外から飛来した恒星間天体の「オウムアムア」に関する研究論文で知られる天文学者。ローブ氏ら一部の天文学者は、オウムアムアの長さと幅の比が10:1という非常に細長い形状が太陽系の小惑星や彗星(すいせい)では見られないものであり、表面密度が高く岩石や金属でできているとみられたことから、「知的生命体が使う宇宙船ではないか?」と提唱していました。

太陽系外から飛来した謎の天体「オウムアムア」は地球外生命体が作った宇宙船なのか? - GIGAZINE


ローブ氏は「(オウムアムアの一件から)観測される恒星間天体が、地球へ接近する途中に多くの小型探査機を放出する宇宙船である可能性を考慮するようになりました」と科学系メディアのLive Scienceに語りました。なお、ローブ氏は「この小型探査機はタンポポの種のようなもので、太陽の潮汐力や(探査機の持つ)操縦能力によって母船から分離することができます」とも語っています。

ローブ氏とカークパトリック氏は、既知の物理学で特定された未確認異常現象について調査を行っています。両者はオウムアムアのような恒星間を移動する謎の天体が「エイリアンが太陽系を監視するために使用している宇宙船」であり、オウムアムアのような天体が放出する破片が「エイリアンが地球を監視するために送り込んだ小型探査機」である可能性を指摘しています。また、この種の小型探査機が天文学者らに検出されることなく地球まで飛来する可能性もあると指摘しています。

ローブ氏ら研究チームは、「パラシュートのような大きな表面対質量比を備えた技術的な『タンポポの種(小型探査機)』が、地球の大気中で速度を落として燃焼して消失することを回避し、地表に到達した後に監視任務に就く可能性があります」と記しました。


研究チームは「(エイリアンは)太陽系内にある大気のある岩石質の惑星を探査したいと考えるでしょう」としており、金星・地球・火星がエイリアンにとって魅力的な探査候補となるだろうと指摘。また、探査機を作ったエイリアンは母船に乗る必要がなく、探査機と通信できる可能性も低いだろうと推測しています。

さらに、エイリアン文明はすでに存在しない可能性も研究チームは指摘しています。その理由は、銀河系に存在するほとんどの星が太陽よりも何十億年も前に形成されたものであるためです。ローブ氏は地球が誕生するよりも前に、知的生命体が探査機を作成していた可能性があるとして、「たとえ知的生命体がすでに生きていなくても、探査機を調べることはエイリアン文明が長い時間をかけて蓄積してきたものをチェックするために必要な行為です」と述べました。

なお、オウムアムア宇宙船説については2019年に「Nature Astronomy」で公開された論文が「オウムアムアが意図的に地球に送られたという考えは『挑発的』で『根拠がない』」と述べ、宇宙船説を否定。2021年にAstronomy&Astrophysicsで公開された書簡でも「星間移動に必要な宇宙論的タイムスケールを考えると、オウムアムアが地球外文明によって送られた宇宙船という可能性は低く、たまたま太陽系に迷い込んだ珍しい形の岩である可能性が高い」と結論付けられています。さらに、2023年3月に公開されたばかりの別の論文でも「オウムアムアの奇妙な動きは水素の排出ガスによるものである可能性が高い」として、オウムアムア宇宙船説が否定されています。

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in サイエンス, Posted by logu_ii

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