サイエンス

太陽系外から飛来した小天体「オウムアムア」は葉巻型で岩石質か金属質


2017年10月19日に見つかった、史上初めて太陽系外から飛来したことが確認された小天体「A/2017 U1」改め「オウムアムア」は、9月9日に太陽に最接近、10月14日には地球に最接近しました。発見時点ですでに地球から離れつつあるところだったわけですが、集中的な観測が行われたことで、いろいろなことが判明しています。

A brief visit from a red and extremely elongated interstellar asteroid | Nature
https://www.nature.com/articles/nature25020

News | Solar System's First Interstellar Visitor Dazzles Scientists
https://www.jpl.nasa.gov/news/news.php?feature=7006

First Interstellar Asteroid Wows Scientists - YouTube


恒星間を移動する小惑星や彗星があるということは理論化されていましたが、実際に天体が飛来していたとしても小さくて暗いために観測できていないのではないかと考えられていました。太陽系外からの天体を観測できたのはオウムアムアが初めてで、地球近傍天体研究センターのポール・チョーダス氏が「我々は数十年間、この日を待っていた」と語ったほどの出来事です。オウムアムア飛来と観測者の動きなどは以下の記事にまとまっています。

「我々は数十年間、この日を待っていた」、太陽系の外から飛来したと考えられる謎の天体を確認 - GIGAZINE


去りゆくオウムアムアに対する集中的な観測によって、オウムアムアは長さと幅の比が10:1という葉巻型をしていることがわかりました。以下はヨーロッパ南天天文台によるオウムアムアのCGイラスト(想像図)で、太陽系の小惑星や彗星では見られない形状です。長さは、推定400m~800mほどとみられています。

by European Southern Observatory / M. Kornmesser

宇宙線を長年浴びている影響で、表面は「やや赤みを帯びた灰色」をしており、軸上を7.3時間ごとに回転しているとのこと。水や氷はなく、岩石や金属でできていて密度は高いそうです。

10月14日に地球に最接近し、10月19日の発見時点ですでに地球から離れつつあったオウムアムアは、11月1日ごろに火星軌道を通過。現在は木星軌道との間を飛行しており、2018年5月に木星軌道を通過、2019年1月には土星軌道を通過するとみられています。

なお、飛来元についてはこと座のベガの方向からであることがわかっていますが、軌道や速度を計算したところ、ベガ周辺で生まれたものではないということもわかっています。

この記事のタイトルとURLをコピーする

・関連記事
まるで「第二の月」のように地球を回る天体の素性が明らかにされる - GIGAZINE

太陽系に本物の第9惑星「惑星X」が存在する可能性が急浮上 - GIGAZINE

宇宙の彼方から届く謎の電波「高速電波バースト」が繰り返し発生していることが判明して宇宙の謎がさらに深まる - GIGAZINE

15世紀に韓国で観察された超新星爆発の謎が21世紀に解明される - GIGAZINE

インターネット時代の天体観測はアマチュア天文家が大きな役割を果たせるようになってきている - GIGAZINE

in サイエンス,   動画, Posted by logc_nt

You can read the machine translated English article here.