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MicrosoftがActivision Blizzard買収を成立させるため任天堂&NVIDIAにXboxのゲームを10年間にわたり提供する契約を結ぶ


Microsoftは2022年1月にActivision Blizzardの買収を発表しましたが、この買収に対してはアメリカやEUの規制当局が調査を進めています。こういった規制当局からの圧力に対抗するため、Microsoftは競合するゲーム企業である任天堂およびNVIDIAにXboxのゲームを提供する契約を結んだことが明らかになりました。

Microsoft and NVIDIA announce expansive new gaming deal - Stories
https://news.microsoft.com/2023/02/21/microsoft-and-nvidia-announce-expansive-new-gaming-deal/

Microsoft recruited Nintendo and Nvidia to help fight Sony over the Activision deal - The Verge
https://www.theverge.com/2023/2/21/23608634/microsoft-activision-blizzard-deal-nintendo-nvidia-partners

Microsoft inks Nvidia game deal to assuage regulators over Activision merger | Reuters
https://www.reuters.com/technology/microsoft-president-says-he-has-activision-licensing-deal-with-nvidia-2023-02-21/

Microsoft Signs 10-Year Contract To Get Xbox Games On Nintendo
https://kotaku.com/microsoft-nintendo-activision-call-of-duty-xbox-switch-1850140199

Microsoft is bringing Xbox PC games to Nvidia’s GeForce Now service - The Verge
https://www.theverge.com/2023/2/21/23608930/microsoft-nvidia-geforce-now-xbox-games-announcement

MicrosoftがActivision Blizzardの買収を発表したのは2022年1月のこと。Activision Blizzardはコール オブ デューティをはじめとする多数の人気コンテンツを有するゲーム企業であるため、同じくゲーム業界における最大手のひとつであるMicrosoftがActivision Blizzardを買収することで、ゲーム業界におけるバランスが崩れ、独占につながる可能性が危惧されていました。2022年12月にはActivision Blizzard買収を阻止するため、連邦取引委員会がMicrosoftを提訴。

MicrosoftによるActivision Blizzard買収を阻止するため連邦取引委員会が提訴 - GIGAZINE


2023年1月にはEUの公正取引委員会がMicrosoftに独占禁止法に関する警告を予定していることも明らかになりました。

Microsoftによる8兆円規模のActivision Blizzard買収作戦についてEUが独占禁止法に関する警告を準備している - GIGAZINE


MicrosoftはActivision Blizzardを買収しても独占につながることはないと主張するため、買収が成立しても「PlaystationでもCall of Dutyを出し続ける」と発言してきましたが、新たに任天堂とNVIDIAにXboxのゲームを提供するための契約を結んだことを発表しました。

Microsoftのブラッド・スミス社長は、Xboxのチーフであるフィル・スペンサー氏、Activision Blizzardのボビー・コーティックCEOらと共に、買収についてヨーロッパの議員と話し合いの場を設けています。この会議にはPlayStationのチーフであるジム・ライアン氏や、Google、NVIDIA、Valve、Electronic Arts、European Games Developer Federationなどの代表者、さらには6つの異なる規制当局の関係者も出席しているとのこと。


この会議に出席したのち、スミス社長は記者会見を開き、改めてソニーのPlayStationブランドはXboxよりもはるかに売れ行きが良く、Activision Blizzardを買収してもMicrosoftがソニーを上回るような力をつけることはないと主張しました。Microsoftはイギリスの競争市場庁に対しても、「MicrosoftによるActivision Blizzard買収契約を破棄し、ソニーのゲーム市場における地位とシェアを確固たるものにしたいのでしょうか?」という質問状を送付しており、同社はたびたび市場を独占しているのはソニーであると主張してきました。

そして、規制当局にMicrosoftによるActivision Blizzardの買収を許可させるため、同社は任天堂およびNVIDIAと新たな契約を結んだことを発表しました。

Microsoftが任天堂と結んだ契約は、10年間にわたりCall of Dutyを任天堂のゲームプラットフォームに提供するというもの。これは2022年12月にスペンサー氏が明かしていた契約と同じものです。


さらに、MicrosoftによるActivision Blizzard買収が成立した暁には、NVIDIAの提供するクラウドゲームサービスであるGeForce NOWにXboxのゲームを提供するという10年間にもおよぶ契約も締結されています。MicrosoftはNVIDIAとの契約について、「これによりMicrosoftのActivision Blizzard買収に関するNVIDIAの懸念が解決されます」と説明しました。


なお、Microsoftが任天堂やNVIDIAと結んだ契約と同様のものをソニーにも提供する予定があるとスミス社長はTwitter上で発言しています。

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in ゲーム, Posted by logu_ii

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