半導体露光装置メーカー・ASMLが中国の従業員にデータを悪用されていたことが判明
オランダの半導体露光装置メーカーであるASMLが、独占技術に関するデータを中国の従業員に悪用されていたことを決算報告書で明らかにしています。
Critical chip firm ASML says former China employee misappropriated data
https://www.cnbc.com/2023/02/15/critical-chip-firm-asml-says-former-china-employee-misappropriated-data.html
ASMLは世界最大の半導体露光装置であり、最先端の半導体を製造するのに必要となる極端紫外線リソグラフィ(EUV)装置をほぼ独占的に扱っています。
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2023年2月15日にASMLが発表した2022年度決算報告書の65ページ目、リスク要因に関するページに、「中国の(現時点で)元従業員により、独占技術に関するデータが悪用されたことがあります」という記載が見つかりました。
ASMLによれば、この件はただちに社内で包括的な調査が行われ、ASMLの事業にとって重要なものではないことが確認されたとのこと。ただ、このセキュリティ案件の結果、特定の輸出管理規制に違反した可能性があるため、関係当局に報告を行い、追加の改善策を講じたそうです。
ASMLは中国に半導体露光装置を輸出・販売しないよう、政府経由でアメリカから圧力をかけられており、2023年に入って、オランダは日本とともにアメリカの求める輸出規制強化に協調することを表明しています。
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