ゲームでお金を稼げるプラットフォーム「Skillz」はチートし放題であると開発者が警告しチートツールの「SkillsTruth」を公開
スマートフォン向けゲームのマルチプレイプラットフォームやeスポーツ関連の機能を提供する「Skillz」をベースに作られたゲームについて、ソフトウェアエンジニアが「スポーツではなくギャンブルだ」と非難した上で、宣伝されたセキュリティが十分でないことを実証するチートツール「SkillsTruth」を公開しました。
SkillsTruth - A tool to cheat at any Skillz-based game.
https://www.skillztruth.com/
Skillzはさまざまなゲームを提供するプラットフォームであり、プレイヤーがゲームを遊ぶことで現金を稼げることが特徴です。2018年時点で1800万人のプレイヤーが登録しており、Skillzが開催した世界的なeスポーツトーナメントでは上位10人のプレイヤーに270万ドル(約3億6000万円)の賞金が用意されるなど、ゲームのマルチプレイプラットフォームとして大きな地位を築き上げています。
しかし、ソフトウェアエンジニアのブライアン・ハマチェク氏がSkillzのプレイヤーの勝率を調べたところ、すべてのプレイヤーの勝率が50%に収束していたそうです。マルチプレイ対応のゲームで50%の勝率が維持されるのは良い兆候ですが、ハマチェク氏は新規プレイヤーの平均勝率が56%、トッププレイヤーの平均勝率が53%であったことなどを鑑みて、「このプラットフォームにおいて個人の腕前は結果に関係しない。ただのギャンブルだ」とSkillzを非難しました。
また、Skillsは不正行為に対抗するために「最先端のセキュリティ・プロトコルと高度な定量分析」を利用していると主張しています。このことについてハマチェク氏は「不正行為を防止するための技術的な安全策はほとんど採用しておらず、あまりにも勝ちすぎるプレイヤーをBANしているだけ」と分析。セキュリティの脆弱(ぜいじゃく)性を実証するため、チートツールを開発して公開しています。
このチートツールはWindows搭載PCとiPhoneがあれば誰でも利用可能で、ユーザーがゲームのスコアを好きな値に変更するなどの行為を実行できるとのこと。ハマチェク氏が公開しているデモムービーでは、ゲームのスコアを書き換えている様子を確認できます。なお、チートツールはSkillzプラットフォームの弱点を実証するために作成されたもので、当然ながら悪用は推奨されていません。
ハマチェク氏は「Skillzはニューヨーク証券取引所で取引されている上場企業ですが、ユーザーに対して信じられないほど不誠実で、ビジネスモデルは詐欺です。ユーザーは支払った金額以上のお金を獲得することはできず、もしそうなった場合、Skillzはあなたのアカウントを停止しようとするでしょう。ギャンブル会社とは異なり、Skillzはギャンブル依存症に関するガイダンスをユーザーに提供していませんが、同社の製品はギャンブル中毒者を生み出しています」と訴えました。
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