「Firefox 110」正式版リリース、OperaやVivaldiからのデータ移行をサポート
ウェブブラウザ「Firefox 110」の正式版が公開されました。今回の更新ではOperaやVivaldiからブックマークなどのデータ移行をサポートした他、トラブルが発生した際に原因のサードパーティ製モジュールをブロックする機能が追加されています。
Firefox 110.0, See All New Features, Updates and Fixes
https://www.mozilla.org/en-US/firefox/110.0/releasenotes/
◆他ブラウザからの移行サポート
FirefoxはこれまでもGoogle ChromeやMicrosoft Edgeのようなメジャーなブラウザからの移行をサポートしていましたが、今回の更新からOpera・Opera GX・Vivaldiといった比較的シェア率の低いブラウザについても対応し、それらのブラウザに設定されているブックマーク・履歴・パスワードをインポートできるようになりました。
他のブラウザーからデータをインポートする | Firefox ヘルプ
https://support.mozilla.org/ja/kb/import-data-another-browser
他ブラウザからのデータをインポートするには、まずFirefox上部左にあるハンバーガーボタンを押して表示されるメニューから「ブックマーク」を選択し、
ポップアップ表示されるサブメニューの最下部にある「ブックマークを管理」を選択すると、「ブラウジングライブラリー」画面が表示されます。
この画面のメニューから「インポートとバックアップ」/「他のブラウザーからデータをインポート」を選択すると「設定移行ウィザード」が表示され、ここにインストール済みのブラウザがリスト表示され、そこからインポート元のブラウザを選択するのですが、Firefox 110からはここにOperaやVivaldiなども表示されます。
◆WindowsのGPUサンドボックスが使用可能に
WindowsでGPUサンドボックスを使用できるようになりました。ただし、現時点ではX-Mouse Button Control(XMBC)ツールの不具合によりマウスホイールのスクロールが機能しなくなる場合があり、これについては現在も対応中とのことです。もしこの不具合が発生した場合は、XMBCを再構成することでスクロール機能は回復します。
◆サードパーティ製モジュールのブロック機能
現時点ではWindows限定ですが、サードパーティのモジュールがFirefoxに自分自身を挿入するのをブロックできるようになりました。これにより、サードパーティのモジュールがクラッシュなどの不適切な動作を引き起こすのを防ぐことが期待されます。
Identify problems caused by third-party modules in Firefox for Windows | Firefox ヘルプ
https://support.mozilla.org/ja/kb/identify-problems-third-party-modules-firefox-windows
この機能を使用するには、まずアドレスバーに「about:third-party」と入力して「サードパーティモジュールの情報」画面を表示させます。
ここに「システム情報を更新」ボタンが表示されている場合は、これを押すことで、より有益な情報に更新することができます。
サードパーティ製モジュールが原因でFirefoxがクラッシュしている可能性がある場合には、画面の一覧から怪しいモジュールを探し出し、モジュール名の並びにある「ブロックアイコン」をクリックして再起動すれば該当モジュールをブロックできます。また疑わしいモジュールについてはモジュール名の右隣に警告マークが表示される場合があり、これを頼りにすることもできます。
◆日付・時刻系入力フィールドのショートカットキー対応
Date・time・datetime-local入力フィールドで、以下のショートカットを使用して値をクリアできるようになりました。
・macOS:Cmd+BackspaceおよびCmd+Delete
・Windows・Linux:Ctrl+BackspaceおよびCtrl+Delete
◆描画機能の向上
以下の点において、機能向上が図られています。
・macOS・Linuxでは、GPUで高速化されたCanvas2Dがデフォルトで有効になっています。
・Windows・MacOS・Linuxでは、WebGLのパフォーマンスが向上しています。
・Windows 10・11では、Intel以外のGPUを使用してハードウェアデコードされたビデオのオーバーレイを有効にしています。
また、Firefox 110には19件のセキュリティバグフィックスが含まれています。
なお、次期メジャー版となる「Firefox 111」は現地時間の2023年4月11日にリリース予定です。
・関連記事
「Firefox 109」正式版リリース、Manifest V3がデフォルトで有効に - GIGAZINE
「Firefox 108」正式版リリース、ICCv4プロファイルをサポート - GIGAZINE
「Firefox 107」正式版リリース、DevToolsによるWebExtensions開発がより便利に - GIGAZINE
メールソフト「Thunderbird」のUIがゼロから開発しなおされることが判明 - GIGAZINE
iOS版ChromeやFirefoxで独自エンジン搭載に向けた開発が進んでいる - GIGAZINE
ブラウザで開きすぎたタブやウインドウをリスト化して簡単に切り替え可能なブラウザ拡張機能「Tabist」 - GIGAZINE
・関連コンテンツ