レビュー

MetaのハイエンドVRヘッドセット「Meta Quest Pro」と下位モデルの「Meta Quest 2」を比べてみた


Metaからスタンドアローン型VRヘッドセットのハイエンドモデル「Meta Quest Pro」が2022年10月26日に登場しました。MetaはQuest Proの下位モデルに当たる「Meta Quest 2」もリリースしていますが、Quest Proの価格はQuest 2の約3倍。価格の違いほどに性能の違いがあるかどうか気になったので、実際にQuest ProとQuest 2を比べてみました。

Meta Quest Pro: シリーズ最先端の新型VRヘッドセット | Meta Store | Meta Store
https://www.meta.com/jp/quest/quest-pro/

Quest Proがどんな見た目のデバイスなのかは以下の記事を読むとわかります。

22万円超でスタンドアローン型VR/ARヘッドセットのハイエンドモデル「Meta Quest Pro」フォトレビュー - GIGAZINE


Quest ProとQuest 2のスペックは以下の通り。

 Quest ProQuest 2
プロセッサQualcomm Snapdragon XR2+Qualcomm Snapdragon XR2
ストレージ256GB256GB/128GB
RAM12GB6GB
レンズパンケーキ型フレネル型
ディスプレイ解像度(片目)1800×1920ピクセル、液晶1832×1920ピクセル(片目)、液晶
視野角(垂直・水平)106度・96度97度・93度
瞳孔間距離調整55~75mm、無段階58~68mm、3段階
重量722g503g
価格税込22万6800円256GB:税込7万9400円
128GB:税込5万9400円


左がQuest Proで、右がQuest 2です。


色はQuest Proが黒のみ、Quest 2は白のみ。ヘッドセットのバイザー部分の形が異なり、Quest Proはスノーゴーグルのような形状で半透明のパーツがはまっているのに対して、Quest 2は真っ白で箱形のゴーグルとなっています。


上から見たところ。Quest Proはプラスチック製のしっかりしたヘッドバンドになっているのに対して、Quest 2はシンプルなゴムバンド。


裏返して並べてみると、鼻の部分が大きく異なります。Quest Proは顔の左右を遮光ブロッカーで隠しているものの、鼻周りはそのまま開いていますが、これはQuest Proに搭載されているフェイストラッキング機能で顔の下をキャプチャするため。対するQuest 2はぐるりとクッションが配置されているので、目の下も隙間がなるべく開かないような構造になっています。


レンズはQuest Proがパンケーキ型で、Quest 2がフレネル型。Quest 2のレンズには同心円状の溝が見えますが、Quest Proのパンケーキ型レンズには溝がありません。レンズの大きさはQuest Proの方が一回り大きい印象。


Quest Proはヘッドバンドがバイザー部分に固定されていますが、Quest 2は可動式になっており、以下の画像のようにヘッドバンドの傾きを変えることが可能。なお、Quest ProとQuest 2の両方で、ヘッドバンド内にスピーカーが内蔵されています。


Quest Proの重量は遮光ブロッカーをつけた状態で、実測で739gでした。


Quest 2は実測で526g。


実際に装着したところを横から見たところ。Quest Proの方がバイザーが薄くなっている印象。


装着したところを下から見ると、明らかにQuest Proの方は開いています。


コントローラーは、Quest ProだとTouch Pro VRコントローラー、Quest 2だとQuest 2 コントローラー。最も目立つ違いは、Touch Pro VRコントローラーにはQuest 2コントローラーにあるリング部分がありません。


左手に持つコントローラーを並べたところ。グリップの形状や大きさ、ボタンの位置は変わりませんが、Touch Pro VRコントローラーはボタンのあるパネルのうち、親指側に少し傾斜がついています。対するQuest 2コントローラーのパネルは平面です。


Touch Pro VRコントローラーの重さは実測で165g。


Quest 2コントローラーは単3乾電池1本を含めて、実測で150gでした。


Touch Pro VRコントローラーを実際に持ってみると、Quest 2コントローラーと余り変わりはありません。ただ、親指の部分に傾斜がついているので、握り心地はやや異なります。


Quest 2コントローラーはリングがついていますが、握り心地にはあまり影響がありません。重さもTouch Pro VRコントローラーとほぼ同じ。ただし、パネルに傾斜がないので、親指の置き場として安定している印象。また、リングがあるため、机に置くときにリングを下にして置けば転がることがなく、安定感があります。この置いた時の安定感はヘッドセットをつけたままコントローラーを机に置く場合があるので、結構重要だと感じました。


装着して見える風景を比べて見ると、解像度自体はQuest ProとQuest 2でほとんど違いはなく、実際に装着して見た画面のきれいさにはほとんど差がありませんでした。ただし、視野角が広がっているからか、視界はQuest Proの方が広く感じました。

実際にQuest 2とQuest Proでロビーから見える風景をまとめたムービーが以下。

Meta Quest 2とMeta Quest Proで、ロビーからの風景を見比べてみた - YouTube


Quest 2でロビーから見た風景がコレ。わずかな差ですが、Quest 2の方が画面が狭い分、景色が少し広角になっている印象を受けました。


Quest Proで同じロビーの同じ位置から見た風景はこんな感じ。基本的なUIはQuest 2と全く同じなので、使い勝手は変わりません。


ただし、Quest Proはフェイストラッキングのためにバイザー下部の隙間を大きく開けているため、目の下から入ってくる光量がQuest 2よりもやや多い印象。また、顔の形によっては光が入りすぎたためか、装着しているにもかかわらずヘッドセットの画面が自動でオフになってしまうこともありました。Quest Proは額に当てるクッションの位置を調整することができないので、額の大きさや形によっては使っている途中で画面が突然暗くなってしまうことも起きてしまい、ややストレスになるかも。

また、Quest ProはQuest 2よりもバイザー部分に余裕があり、左右がシリコン製の遮光ブロッカーでできていることもあり、メガネをつけたままでも装着しやすくなっています。Quest 2だとメガネの大きさによってはつけたままの装着は厳しいこともありましたが、Quest Proは横幅が多少大きいメガネでも問題なく装着できました。


そして、少し動きの多いゲームをプレイするため、バイオハザード4 VRをQuest 2とQuest Proでプレイしてみました。以下のムービーで、Quest 2とQuest Proでのプレイを見ることができます。ムービーを見ても分かるとおり、画面のキレイさにはほぼ違いはありませんが、実際にプレイしているとQuest Proの方は視野が広いので、仮想体験のクオリティがQuest 2を上回っている印象を受ける場面もありました。

MetaのVRヘッドセット「Quest 2」と「Quest Pro」でゲーム「バイオハザード4 VR」をプレイ - YouTube


激しいアクションが多く頭を大きく動かすバイオハザード4 VRをプレイして気付いたのは、Quest ProとQuest 2で重心と頭への固定が大きく違うこと。Quest Proは頭の前後で重さのバランスがとれていて、なおかつヘッドバンドで頭を挟むようにしっかりと固定するので、頭を動かしても気になりません。一方で、Quest 2は前方のバイザー部分に重さが偏っている上に、シンプルなゴムバンドで固定しているだけなので、振り向いた時にヘッドセットが少し揺れたり動いたりするのが気になりました。重さはQuest Proの方が約200g重いのですが、Quest 2の方が装着していて重さを感じる場面が多いように感じました。


さらに、聞こえてくる音にも違いがありました。Quest Proの内蔵スピーカーはQuest 2の内蔵スピーカーよりもグリルが大きく、音に包まれているという感覚はQuest Proの方が優れているように感じました。もちろんイヤホンを装着した場合の差はほとんどありませんが、イヤホンを使わずにプレイする場合はQuest Proの方がより音響の没入感は増すといえます。


Meta Quest Proは税込22万6800円で、Metaの公式サイトで注文可能。配送料は無料です。

Meta Quest Pro: シリーズ最先端の新型VRヘッドセット | Meta Store | Meta Store
https://www.meta.com/jp/quest/quest-pro/

・つづき

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in レビュー,   ハードウェア,   動画,   ゲーム, Posted by log1i_yk

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