マウスの筋肉を組み込んで光で動く生体ロボットが開発される
研究室で培養したマウスの筋肉組織をロボットに組み込み、遠隔操作で動かすことができる設計方法が考案されました。任意の方向に動かすことが可能で、同様の研究が多数ある中で「史上最速」のスピードに進化しています。
Remote control of muscle-driven miniature robots with battery-free wireless optoelectronics | Science Robotics
https://doi.org/10.1126/scirobotics.add1053
This biohybrid robot walks using lab-grown mouse muscles
https://www.inverse.com/innovation/walking-biorobot-muscle-cells
イリノイ大学のキム・ヨンドク氏らの研究チームが開発したバイオハイブリッド・ロボットは、マウスの筋肉細胞、細胞培養に使われるスキャフォールド、ワイヤレスLED制御チップという3つの主要な部品を組み合わせて作り上げられるロボットです。
ロボットに組み込まれた筋肉組織はLEDチップから放たれる光で刺激を受け、収縮します。すると、筋肉組織につながったスキャフォールドがゆがんでロボットが動き出すとのこと。任意の方向に動かすこともできるそうです。
実際に動いている様子は以下の動画で確認できます。
Remote control electronic biobots - YouTube
今回の設計は既存の技術を刷新したもので、ロボットが動く速度も史上最速だとのこと。研究の共同執筆者であるマッティア・ガッツォーラ氏は「異なる部品がうまく機能するように、構造を設計し直す必要がありました。この設計により、ロボットは配線や不格好なバッテリーから解放され、従来のものよりも機動的になっています。今回の新しい研究は今後の研究の出発点になるでしょう」と述べました。
研究者らは神経細胞を培養してシステムに組み込み、ロボットが自分で計算を行い、自ら操縦できるようにすることを今後の目標としているそうです。
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