ロボットの動きを筋肉で制御するシステム「Conduct-a-Bot」をMITが開発
マサチューセッツ工科大学(MIT)のコンピュータ科学・人工知能研究所(CSAIL)が、筋肉を動かす際に体内で発生する「筋電位信号」を使ってロボットを制御することが可能となるシステム「Conduct-a-Bot」を開発しました。
Controlling drones and other robots with gestures | MIT CSAIL
https://www.csail.mit.edu/research/controlling-drones-and-other-robots-gestures
MIT muscle-control system for drones lets a pilot use gestures for accurate and specific navigation | TechCrunch
https://techcrunch.com/2020/04/27/mit-muscle-control-system-for-drones-lets-a-pilot-use-gestures-for-accurate-and-specific-navigation/
MITのCSAILが開発した筋肉制御システム「Conduct-a-Bot」は、手や腕のジェスチャーのみでロボットを細かく完全制御することが可能となるもの。以下のムービーの中ではConduct-a-Botを用いてドローンを飛行させる様子をチェック可能で、ジェスチャーのみでかなり細かくドローンの動きをコントロールできることがわかります。
Controlling Drone with Gestures - YouTube
赤い帽子をかぶった男性が右腕を動かすと……
ドローンが赤く光り……
移動します。
CSAILが開発したのは、手や腕のジェスチャーのみでドローンを制御することができるConduct-a-Bot。
筋電図用表面電極とモーションセンサーを上腕二頭筋……
上腕三頭筋……
前腕に装着。
Conduct-a-BotではCSAILが開発したアルゴリズムがセンサーから受信した筋電位信号を処理し、ジェスチャーを検出。
ドローンを操作するためのジェスチャーは以下の通り。手をひねるとドローンが方向転換。
拳を上にあげるとドローンが浮上。
拳を握り込むとドローンが前進。
Conduct-a-Botはユーザーごとの「オフラインでの調節」や「トレーニングデータ」を一切必要とせず、簡単にロボットのジェスチャー操作を導入することが可能。
上腕二頭筋と上腕三頭筋に力を入れるとドローンがストップ。
ドローンを用いたConduct-a-Botのテスト時には、ジェスチャーの81.6%を正しく識別することに成功。なお、記事作成時点では前進・後退・右へ移動・左へ移動・上昇・下降・方向転換・停止という8つのジェスチャーだけが設定されています。
Conduct-a-Botは他のロボットやアプリケーションに拡張することも可能で、「人間とロボットの相互作用を容易にすることができる」とCSAILは述べています。
CSAILによると、Conduct-a-Botは簡単なウェアラブルセンサーとアルゴリズムだけでドローンを制御可能なシステムであり、「ロボットとのやり取りを行うカジュアルユーザーが感じる『操作が難しい』などの障壁をなくすために開発されたシステム」であるとのことです。
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