乗り物

コンピューターシステムの不具合によりアメリカ全土のフライトが一時欠航に


2023年1月11日21時ごろ、アメリカ連邦航空局(FAA)のシステムがダウンしたため、アメリカ全土のすべての航空機に運航停止が命じられました。遅延・欠航したフライトは1万便を超え、多数の乗客に影響が及びました。

Computer system glitch causes chaos after all flights grounded across US | US News | Sky News
https://news.sky.com/story/all-flights-across-us-grounded-due-to-faa-computer-system-glitch-us-media-12784252

Airlines hope for return to normal Thursday after FAA outage snarls U.S. travel | Reuters
https://www.reuters.com/business/aerospace-defense/us-faa-says-flight-personnel-alert-system-not-processing-updates-after-outage-2023-01-11/

Flights Grounded As US NOTAM System Fails
https://simpleflying.com/flights-grounded-as-us-notam-system-fails/

US Flights Resume After FAA Computer Outage Disrupts Air Travel Nationwide - Bloomberg
https://www.bloomberg.com/news/articles/2023-01-11/us-flights-disrupted-after-outage-of-faa-pilot-advisory-system

FAAによると、システムのダウンは飛行ルート上の潜在的な危険性をパイロットに警告するNotice to Air Missions(NOTAM)システムに異常が生じたことが原因だとのこと。FAAは予備調査の結果、データベースファイルの破損が原因であるとし、サイバー攻撃の証拠はないことを付け加え、引き続き調査を行っていくと述べました。

NOTAMは航空機の運航に携わる人々にとって重要な情報が記載された通知を送るものであり、他の手段では伝えることが困難な、急を要する連絡の際に使用されます。天候、火山活動、空域制限などの状況変化や、パラシュート、ロケット打ち上げ、軍事演習などの異常事態の情報、加えて着氷、照明の故障、鳥の群れなど、空域や空港での異常事態をパイロットに知らせるものです。


関係者によると、NOTAMにはメインシステムと別にバックアップのシステムも用意されていたのですが、両方のシステムに不良データが入力されていたとのこと。また、サイバーセキュリティに詳しいドミトリ・アルペロビッチ氏は「悪質な破壊行為ではなく、不適切な更新によって引き起こされたものでは」と指摘しました。

FAAは11日21時19分時点でアメリカ全土の空港に離陸停止措置を命じましたが、22時50分時点でこれを解除しました。しかし、翌12日時点でも遅延・欠航が続いており、システムも完全に復旧してはいません。影響を受けたフライトは1万便を超え、国内線を利用する乗客200万人以上に影響が及んだとされています。

ジョー・バイデン大統領は、ホワイトハウス報道官を通じて「運輸省長官からFAAのシステム停止について説明を受けました。現時点ではサイバー攻撃の証拠はありませんが、運輸省に原因究明を徹底するよう指示しました。FAAは定期的に最新情報を提供する予定です」と報告しました。

日本時間の1月11日20時29分時点で、FAAは「NOTAMの復旧に取り組んでいます。現在、最終的な検証を行い、システムを再読み込みしています」と報告。


21時19分時点で「航空会社に対し、飛行および安全情報の完全性を検証するため、東部時間午前9時(日本時間23時)まですべての国内線出発を一時停止するよう命じました」と発表しました。


22時50分時点で「全国で通常の航空交通オペレーションが徐々に再開されています。グラウンドストップ(離陸停止措置)は解除されました。最初の問題の原因については引き続き調査中です」とツイート。


翌12日の8時31分時点で「予備調査で障害の原因がデータベースファイルの損傷であることが判明しました。現時点では、サイバー攻撃の証拠はありません」と報告しました。


グラウンドストップ発令時頃のフライトレーダー(左)を前週同時刻(右)と比較するとこんな感じ。統計によると、11日21時20分時点で前週より約700便ほど減少しています。


オーランド国際空港で足止めされた乗客は、計341便が遅延していることを示す電光掲示板の画像をツイートしました。


同じくオーランド国際空港で足止めされた乗客の様子。


ミッドウェイ空港でキオスクに並ぶ乗客の様子も撮影されました。


・つづき
システム不具合によりアメリカ全土のフライトが一時欠航になった原因は「請負業者によるファイル削除」との結論 - GIGAZINE

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in 乗り物, Posted by log1p_kr

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