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Metaが1兆6000億円の罰金に直面、欧州委員会から独占禁止法違反の警告で


欧州委員会がMetaに対し、「ソーシャルメディアのFacebookと、Facebookの広告サービスを抱き合わせることが競争をゆがめており、反トラスト法違反にあたる」との見解を示しました。Metaがこの問題を改善しなかった場合、同社は全世界における年間売上高の10%に相当する罰金が科される可能性があります。

Antitrust: Commission sends Statement of Objections to Meta
https://ec.europa.eu/commission/presscorner/detail/en/ip_22_7728

Meta abused its dominant market position to benefit Facebook Marketplace, EU’s initial findings show | TechCrunch
https://techcrunch.com/2022/12/19/meta-abused-its-dominant-market-position-to-benefit-facebook-marketplace-eus-initial-findings-show/

Meta could face $11.8 billion fine as EU charges it with antitrust breach
https://www.cnbc.com/2022/12/19/meta-could-face-11point8-billion-fine-as-eu-charges-it-with-antitrust-breach.html

欧州委員会は2022年12月19日の声明で、「欧州委員会はMetaに対し、同社がオンライン広告市場における競争を歪めることにより、EUの反トラスト規則に違反しているとの予備的見解を通知しました。Metaはクラシファイド広告サービスであるFacebook MarketplaceをソーシャルネットワークのFacebookと結びつけており、欧州委員会はこれを問題視しています」と述べて、Metaに対して独占禁止法違反の疑いがあるとの通告を行ったことを発表しました。

欧州委員会が指摘した「Facebook Marketplace」とは、Metaが2016年に開始した物品売買仲介サービスです。Facebook Marketplaceを利用すると、Facebookユーザーなら誰でも服や本などを出品したり、それを購入したりできます。また、Facebook Marketplaceでは物を売りたい側が自分のアイテムを宣伝する広告を掲載することが可能です。個人が簡素な広告を掲載できるこのようなサービスは「クラシファイド広告」と呼ばれています。


このFacebook Marketplaceのクラシファイド広告がFacebookに掲載されると、Facebookユーザーはその広告を目にせざるを得ません。つまり、Facebookのユーザーは、望むと望まざるとにかかわらず自動的にFacebook Marketplaceにアクセスさせられてしまうことになります。この結びつきが、競合サービスにはない優位性をFacebook Marketplaceに与えており、競争の阻害につながっていると欧州委員会は懸念しています。

欧州委員会の競争政策担当ヴァイスプレジデントであるMargrethe Vestager氏はさらに、MetaがFacebookやInstagramに広告を掲載している競合サービスに対して「広告関連データをFacebook Marketplaceに利用できるようにすること」を求めており、不公正な取引条件を一方的に押し付けていると非難しました。


以上の2点が支配的地位の乱用にあたるとして、欧州委員会はMetaに対して「異議告知書」を送達しました。この異議告知書は、反トラスト法違反の疑いに関する欧州委員会の調査の正式なプロセスです。異議告知書は調査の結果を予期させるものではありませんが、もし調査によりMetaが法律違反を犯したことが認められれば、最大で年間収益の10%の罰金が科される可能性があります。Metaの2021年の年間収益は約1180億ドル(約16兆円)だったため、その10%は約118億ドル(約1兆6000億円)に上ります。

MetaのEMEA競争責任者であるTim Lamb氏は、「欧州委員会の主張には根拠がありません。私たちは規制当局と協力して、当社の製品イノベーションが消費者保護と競争力強化につながることを証明し続けていきます」とコメントしました。

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in ネットサービス, Posted by log1l_ks

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