イーロン・マスクが暴露情報「Twitterファイル」の情報抑圧を理由にTwitterの副法務顧問ジム・ベイカーを解雇

TwitterのCEOとして大胆な改革を続けるイーロン・マスク氏が、Twitterの副法務顧問を務めていたジム・ベイカー氏を解雇しました。解雇の理由は、ベイカー氏がTwitterの内部情報をまとめた「Twitterファイル」の公開に制限をかけていたこととされています。

ベイカー氏の解雇に関連している「Twitterファイル」とは、ジャーナリストのマット・タイービ氏が入手した数千件におよぶTwitterの内部情報から抜粋されたTwitterスレッドを指しています。2022年12月3日には「Twitterファイル」の第1弾が公開され、「Twitter内部では民主党支持層の力が圧倒的に強く、ジョー・バイデン大統領の息子の汚職を隠していた」という衝撃の実態が明らかになっていました。公開された「Twitterファイル」の内容は、以下の記事で詳しくまとめています。

イーロン・マスクお墨付きの社内文書「Twitterファイル」でTwitter社内で民主党員の削除要請を優先的に受理しバイデンの息子の汚職を隠していた実態が発覚、今後は「シャドウバン」についても暴露予定 - GIGAZINE

上記の「Twitterファイル」は一連のシリーズの第1弾で、タイービ氏はシャドウバンに関連する情報をまとめた「Twitterファイル」も公開予定としていました。また、マスク氏も「Twitterファイル」の第1弾公開時に「Twitterファイルの第2弾は明日(2022年12月4日)公開予定！」とツイートしていましたが、翌日には「(第2弾の公開には)もう数日かかりそうです」とツイート。記事作成時点でも、「Twitterファイル」の第2弾は公開されていません。

2022年12月7日に、タイービ氏は「Twitterファイル」の公開が遅れている理由について説明するスレッドを投稿しました。投稿によると、「Twitterファイル」で公開されているTwitterの内部情報はTwitterの新経営陣に近い弁護士を通じて提供されていたとのこと。しかし、「Twitterファイル」の第1弾を公開した後、内部情報の提供が停滞するようになりました。そして、「Twitterファイル」で公開する情報の選別に関わっているジャーナリストのバリ・ワイス氏が情報提供に関わる弁護士の名前を調査した結果、Twitterの副法務顧問を務めるジム・ベイカー氏であることが判明しました。

ベイカー氏は、2016年のアメリカ大統領選の際に「ドナルド・トランプ氏がロシアがつながっている」という情報を流した人物です。当時ベイカー氏はFBIの弁護士として働いていましたが、マスコミに対する情報リークの調査の後、2018年にFBIの弁護士を辞任していました。ベイカー氏が「Twitterファイル」を精査しているという情報は、タイービ氏らを驚かせたとのこと。

その後、ベイカー氏がマスク氏によって解雇され、タイービ氏らは「Twitterファイル」で公開できる内部情報にアクセスしやすくなったとのこと。タイービ氏は「Twitterファイル」の第2弾を近日公開予定としています。

なお、Twitterの内部情報を暴露する「Twitterファイル」を巡っては、Twitterの創業者であるジャック・ドーシー氏がマスク氏に対して「(Twitterファイルを公開する)目的が透明性を確保して信頼関係を築くためだと言うなら、内部情報の一部を抜粋するのではなく、全文公開して人々が自分で判断できるようにするべきではありませんか？」「今すぐ、すべてを公開してください」と迫る一幕がありました。このドーシー氏の指摘に対して、マスク氏は「最も重要なデータは(ドーシー氏からも)隠されており、一部は削除された可能性があります。しかし、発見したものはすべて公開する予定です」と返答しています。