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イーロン・マスクとの口論が原因で社内文書「Twitterファイル」を公開したジャーナリストがシャドウバンされる


イーロン・マスク氏がTwitterのCEOとなり、それまでのTwitterで行われていた対策や処理をまとめた社内文書「Twitterファイル」が公開されました。このTwitterファイルを公開したのがジャーナリストのマット・タイービ氏でしたが、Substackの問題をきっかけにマスク氏との仲が険悪になり、マスク氏との関係が解消されたと報じられています。

Elon Musk tweets then deletes DMs from Matt Taibbi over his Substack snit - The Verge
https://www.theverge.com/2023/4/10/23678105/elon-musk-substack-notes-battle-matt-taibbi

マスク氏はTwitterを買収する前から「Twitterは政治的に偏った施策を行っている」と主張していました。そして、マスク氏がTwitterを買収した直後、マスク氏の主張を裏付ける社内文書が「Twitterファイル」として、タイービ氏のTwitterアカウントを通じて公開されました。

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また、ジャーナリストであるタイービ氏は、Twitter以外にも「Racket News」というニュースレターを発行しており、36万人以上の購読者に向けて情報を発信しています。タイービ氏が「Racket News」を発行するニュースレタープラットフォーム・Substackが、「Notes」と呼ばれるTwitterとよく似た機能を2023年4月5日に発表したところ、突如Twitterの埋め込みタグが機能しなくなるという事件が起こりました。

Twitterが特定サイトに対してツイートの埋め込みを禁止したと判明 - GIGAZINE


さらに、Substackのリンクを含むツイートに「安全ではない」という警告文を表示し、いいねやリツイートを一時的に禁止するという報復措置を取ったことも報じられました。

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タイービ氏はTwitterで、Substackへの一連の規制は、Notes機能を巡る論争によるものだと証言しました。この時、「When I asked why,(理由を尋ねたところ)」とタイービ氏は述べていますが、誰に尋ねたのかは明らかにされていません。

Of all things: I learned earlier today that Substack links were being blocked on this platform.

When I asked why, I was told it’s a dispute over the new Substack Notes platform…

— Matt Taibbi (@mtaibbi)


タイービ氏のツイートに対し、マスク氏は「Substackのリンクはブロックされていないのでタイービ氏の発言は誤りです。SubstackはTwitterのクローンをブートストラップしようとしていたため、IPアドレスが信頼できません」と述べ、さらに「タイービ氏はSubstackの従業員でした」と発言しました。

1. Substack links were never blocked. Matt’s statement is false.

2. Substack was trying to download a massive portion of the Twitter database to bootstrap their Twitter clone, so their IP address is obviously untrusted.

3. Turns out Matt is/was an employee of Substack.

— Elon Musk (@elonmusk)


その後、Substackに対するTwitterの制限が撤廃されたことを、Substackの公式Twitterアカウントが2023年4月9日にツイートしています。

We’re glad to see that the suppression of Substack publications on Twitter appears to be over. This is the right move for writers, who deserve the freedom to share their work.

— Substack (@SubstackInc)


しかし、このSubstackの一件でマスク氏とタイービ氏の仲は険悪になった模様。2023年4月9日に、タイービ氏がまとめたTwitterファイルのスレッドがTwitterの検索システムでヒットしなくなることが判明しました。また、タイービ氏のアカウント自体もシャドウバンされていることも判明。

Matt Taibbi’s Twitter Files tweets haven’t been deleted but it appears Twitter is blocking users from searching for any and all of his posts (including his Twitter Files tweets) https://t.co/fAQ5EI8g7O pic.twitter.com/sXvDQT1GCh

— Matt Binder (@MattBinder)


マスク氏は暗号メッセージングアプリのSignalでタイービ氏と個人的に行った以下のやりとりをTwitter上で公開しました。このやり取りで、タイービ氏は「Twitterファイルが検索にヒットしなくなったのを修正してほしい」とマスク氏に依頼しており、マスク氏は「明日には直ります」と述べています。


さらに返す刀で、マスク氏はタイービ氏に「Substackで働いているのですか?」と質問。タイービ氏は「自分はSubstackの従業員ではなく、Substackのニュースレターで購読料を得ており、そのうちの一部をSubstackに支払う代わりに前払い金が支払われるSubstack Proのライターである」と説明しています。なお、記事作成時点でマスク氏はこのやりとりのスクリーンショットを削除済みです。

その後、マスク氏がタイービ氏を含めたTwitterファイルに関わった人物のアカウントのフォローを外していたことが2023年4月11日に判明しています。

RIP Twitter Files pic.twitter.com/IwQPtHY8sO

— Matt Binder (@MattBinder)


なお、Substackのクリス・ベストCEOはマスク氏のツイート内容を否定しています。

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in ネットサービス, Posted by log1i_yk

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