Twitterのワールドカップ関連広告収入が予想を80%も下回っているとの報道
Twitterはこれまでワールドカップのタイミングで記録的なトラフィックと広告収入を記録してきましたが、2022年11月21日にスタートしたFIFAワールドカップカタール2022では、広告収入がTwitterの予想を80%も下回っていると、The New York Timesが報じています。
Twitter Keeps Missing Its Advertising Targets as Woes Mount - The New York Times
https://www.nytimes.com/2022/12/02/technology/twitter-advertising-targets-missed.html
Twitter losing ad revenue during World Cup | Mashable
https://mashable.com/article/twitter-world-cup-ad-revenue
The New York Timesは、Twitterの広告事業に精通した3人の関係者から得た情報として、「Twitterがワールドカップ関連の広告収入として見込んでいた数字が、予想を80%も下回っている」と報じています。Twitterは世界的な景気後退を理由に、2022年第4四半期(10~12月)の売上を前年の16億ドル(約2150億円)よりも少ない14億ドル(約1880億円)と予想していました。しかし、Twitterは毎週の広告収入目標を達成できていない状況が続いているため、最終的な2022年第4四半期の売上は11億ドル(約1480億円)程度まで落ち込む可能性があると関係者は語っています。
Twitterを買収したイーロン・マスク氏は、同社が悲惨な財政状況に陥っていると何度も指摘してきました。そのため、マスク氏はTwitterの新しい収益源を確保するために、月額1200円で認証済みバッジを取得できるTwitter Blueを発表しています。しかし、この認証済みバッジが取得できるTwitter Blueがリリースされてから、認証済みバッジを取得したなりすましアカウントが急増したため、大手広告代理店が「Twitterへの広告出稿の停止」を顧客に推奨しているとも報じられました。
月額1200円で認証済みバッジが買える「新生Twitter Blue」をイーロン・マスクが正式公開、灰色の公式チェックマークは即廃止に - GIGAZINE
Twitterは収益の90%を広告収入に依存しているため、広告主のTwitter離れは同社にとって死活問題となり得ます。しかし、マスク氏がTwitterを買収してから行った「アカウントの凍結解除」や「新型コロナウイルスに関する誤報拡散防止ポリシーの廃止」が、広告主のTwitterでの広告掲出をちゅうちょさせているとThe New York Timesは指摘。また、マスク氏の大規模アカウント凍結解除や誤報拡散防止ポリシーの廃止により、Twitter上ではここ数週間でヘイトスピーチが急増しているという声もあります。
さらに、Twitterの内部文書や関係者からの証言をベースに、The New York Timesは「一部のブランドはスーパーボウルのようなイベントのプロモーションのみを約束し、大幅な割引やいかなる理由があっても、Twitter上から広告を撤退させることができる条項をつけている」と指摘。特にTwitter上での広告掲出に懸念を示しているのが自動車メーカーで、ゼネラルモーターズはTwitterのデータがマスク氏の所有する電気自動車メーカーのテスラと共有されるのではと懸念を抱いている模様。
広告代理店のR/GAでグローバルメディア責任者を務めるエリー・バンフォード氏は、「特にこの4週間で経験した事態により、Twitterに対する信頼は地に落ちました」と言及。実際、R/GAの親会社であり世界最大の広告代理店でもあるIPGは、顧客にTwitterへの広告掲出を一時停止することを推奨しています。
Twitter上でなりすましアカウントが大量発生したことにより大手広告代理店も「Twitterへの広告出稿の停止」を顧客に推奨している - GIGAZINE
The New York Timesによると、マスク氏がTwitterを買収すると発表した翌月の2022年5月時点では、Twitterに広告を掲出する企業が3980社も存在したそうです。しかし、マスク氏がTwitterの買収を完了させた2022年10月時点では、広告を掲出する企業の数が2315社まで激減しています。この数字はマスク氏の施策によりさらに減少しているものと思われます。また、Twitterのヨーロッパ・中東・アフリカでの広告収入が前年比で15%減少しており、週間ベースでも広告掲出数が49%も減少していることが報じられています。
Twitterから広告主が離れることを懸念して、Twitterは一部のブランドに対して広告掲出に関するインセンティブを提供していると、The New York Timesは報じています。The New York Timesによると、Twitterに費やす広告費が多ければ多いほど、Twitterはそのブランドの広告をより頻繁に掲出するようになるとのことで、これは別メディアにも報じられています。
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