牛肉を代替肉に切り替えると二酸化炭素排出量をどれだけ削減できるのか?


植物由来の材料を用いて肉に近い味や食感を再現する「代替肉」は、増え続ける食肉需要への対応や環境保護に役立つ存在として注目されており、ファストフード店でも手軽に食べられる段階に達しています。そんな代替肉が環境保護に与える影響について、海外メディアのKnowable Magazineがまとめています。

Fake meats: How sustainable are they?
https://knowablemagazine.org/article/food-environment/2022/how-sustainable-are-fake-meats

世界の人口が増加し続ける中、世界の食肉需要も増加し続けています。以下のグラフは世界全体の食肉需要の推移を示したもので、下から順に鶏肉、豚肉、牛肉、ヤギ肉&ヒツジ肉の需要を表しています。食肉需要は1961年から増加し続けており、2050年まで増加し続けることが予測されています。


上記のように食肉需要の増加が増加し続ける中、食肉の生産が追いつかなくなるリスクと共に、食肉生産に伴う環境負荷の増大も懸念されています。100gのタンパク質を得られる分の動物性食品や代替肉、植物性食品の生産に伴う二酸化炭素排出量をまとめた以下のグラフを確認すると、牛肉の生産(Beef, beef herd)や牛乳の生産(Beef, dairy herd)は豚肉や鶏肉、卵の生産と比べてかなり多くの二酸化炭素を排出していることが分かります。一方で、代替肉(Plant-based)の生産に伴う二酸化炭素排出量は鶏肉や卵よりも少ないことが分かります。


以下のグラフは、動物性食品や代替肉、植物性食品の生産の際に必要となる土地の面積を示しています。牛肉を生産する際は、他の食品を生産する際に必要な土地の10倍以上広い土地が必要なことが分かります。一方で、代替肉の生産に必要な土地は卵や豆類(Peas)、豆腐(Tofu)の生産に必要な土地よりも少ないことが分かります。


上記のように、代替肉の生産に伴う二酸化炭素排出量は食肉の生産に伴う二酸化炭素排出量よりも圧倒的に少なく、必要な土地も少なくて済みます。このため、食肉需要が高まり続ける地球において、代替肉の普及は環境保護や持続性の確保のために非常に重要だと言えます。

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in , Posted by log1o_hf

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