ケンタッキーが植物由来の代替肉「Beyond Meat」を使ったフライドチキンをアメリカ全土で販売へ
近年は健康や環境問題に高い関心を持つ人たちの間で、牛肉や鶏肉を植物由来の原料で再現した「代替肉」への注目が集まっています。そんな中、ケンタッキーフライドチキン(KFC)が2022年1月10日より、植物由来の代替肉「Beyond Meat」を使ったフライドチキンをアメリカ全土で、期間限定で販売すると発表しました。
Behold! A crispy miracle coming 1/10. pic.twitter.com/QgHiYsYfqX
— KFC (@kfc) January 5, 2022
Beyond Fried Chicken: KFC's new menu item tastes like chicken (but isn't) - CNN
https://edition.cnn.com/2022/01/04/business/kfc-beyond-fried-chicken-launch/index.html
KFC to launch plant-based fried chicken made with Beyond Meat nationwide
https://www.cnbc.com/2022/01/04/kfc-to-launch-meatless-fried-chicken-made-with-beyond-meat-nationwide.html
Beyond Meatは肉の風味や食感を分子レベルで解析し、100%植物原料で再現した代替肉です。KFCは以前から、Beyond Meatと提携して「植物由来の代替肉を使ったフライドチキン」を販売することを構想しており、2019年にはアメリカ・アトランタの一部店舗で実際に「Beyond Fried Chicken」がテスト販売されたほか、2020年には対象店舗を拡大してテスト販売が行われました。2021年には、KFCやピザハット、タコベルを展開するヤム・ブランズとBeyond Meatが、グローバル供給に関する契約を締結したと発表しています。
ケンタッキーが肉を使わないフライドチキン「Beyond Fried Chicken(フライドチキン越え)」を一部店舗で販売 - GIGAZINE
そして2022年1月4日、KFCは「Beyond Meatを使用した『Beyond Fried Chicken』を、アメリカ全土のKFC店舗で1月10日から期間限定で販売する」と発表しました。Beyond Fried Chickenは6ピースまたは12ピース単位で注文することが可能で、価格は場所によって異なるものの、最低価格は6ピースで税抜6.99ドル(約810円)とのこと。
アメリカKFCのケビン・ホフマン社長は、Beyond Meatを使ったフライドチキンの展開は顧客のニーズを反映したものだと主張。ホフマン氏は、「顧客は動物ベースのタンパク質を食べる量を減らしたいと思っていますが、快適な食べ物も諦めたくありません」「1月は新年の決意を持つ時期であり、人々は食事の中で何かを変えたいと思っています」と述べ、タンパク源を動物から植物へ移したい顧客にとって、Beyond Fried Chickenは魅力的な選択肢になるとしています。
また、Beyond Fried Chickenは味にもこだわっているそうで、2019年のテスト販売から顧客のニーズに合わせていくつかの変更を加えているとのこと。ホフマン氏は「(Beyond Fried Chickenの)味は非常に素晴らしいので、通常のフライドチキンよりも選ばれるかもしれません」とまで語っています。KFC店舗はすでに揚げられた状態のBeyond Fried Chickenを受け取り、提供前に店舗で二度揚げするシステムですが、その他の通常メニューと同じスペースで調理するため、動物由来のものを一切口にしない厳格なビーガンやベジタリアン向けのメニューではないそうです。
Beyond Meatのイーサン・ブラウンCEOは、「供給の観点からは初期テストでの経験もあり、非常にいい感触です」と述べ、アメリカ全土への展開にも自信を見せました。Beyond Meatは2021年12月、最高執行責任者(COO)としてアメリカ食肉加工最大手のタイソン・フーズで鶏肉部門などの要職を歴任したダグ・ラムジー氏を、サプライチェーン責任者としてタイソン・フーズでサプライチェーン管理などを担当したバーニー・アドコック氏を迎えるなど、拡大に備えて体勢を整えてきたとのこと。「私たちは運用チームを成長させ続けています」とブラウン氏は述べています。
Beyond MeatはKFCだけでなく、マクドナルドとも提携して代替肉バーガーの「マックプラント」を2021年11月3日から試験展開しており、2022年はさらにマックプラントの展開を拡大する予定だと報じられています。
2021年は競争力低下への懸念などからBeyond Meatの株価は50%近くも下落しましたが、2022年1月5日の市場取引では、Beyond Meatの株価は9%近く上昇したとのことです。
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