動画

世界中の人々が愛する「動物の肉」が抱えている問題点とは?

by pulaw

近年では世界中で多くの人々がステーキやハンバーガー、バーベキューなどで鶏や豚、牛などの肉を好んで食べています。昔はそう簡単に食べられる食材ではなかった動物の肉は、21世紀においては簡単に手に入る食材となっています。そんな動物の肉を食べることの問題点についてまとめられたムービーが、YouTubeで公開されています。

Why Meat is the Best Worst Thing in the World


人々はステーキやフライドチキン、ソーセージなどの肉を使った料理が大好きです。


しかし、わずか数十年前までは肉といえば貴重な食材であり、特別なごちそうとして食べられることが多かったとのこと。


動物の肉を生産するには、非常に多くのエネルギーを必要とするため……


肉を食べることは地球の資源を食べることを意味します。


人間は食料を得る目的で多くの家畜を飼育しており、23億羽の鶏に15億頭の牛、10億頭の豚と羊を飼育しています。


地球は今や「巨大な養殖場」として活用されているとのことで……


地球上に存在する農地のうち、実に83%が家畜を飼育するための放牧地や飼料用作物の栽培などに使用されています。


これは、地球の陸地の26%を占めています。


また、世界中の淡水消費量に占める食肉や乳製品の生産に使用される割合は27%。


食肉を生産するために必要な資源は膨大であり、食肉生産は資源のブラックホールといえるほど。


家畜は長期間にわたって生きたまま飼育されるため、食料や水、その他生活に必要な大量の資源を消費します。


飼育に使用された資源のうち、最終的に食肉として人間の体に吸収される栄養は微々たるもの。たとえば、牛肉に含まれるタンパク質は飼育のために消費された資源のわずか4%、カロリーは3%に過ぎません。


1kgのステーキ肉を作るために必要な穀物はなんと25kg、水は1万5000Lにもなります。


その一方で、食肉や乳製品など家畜から人間が得るカロリーは、全体の18%にしかならないそうです。


家畜に与えた食料や資源を直接人間に与えると考えれば、35億人もの人々に栄養を行き渡らせることが可能。


大量の資源を消費する食肉産業は、人間が排出する温室効果ガスのうち15%を排出しており……


これは全ての船舶・飛行機・トラック・車が排出する温室効果ガスとほぼ同量です。


そして忘れてはならないのが、「食肉はもともと生命を持った動物だった」という点。


家畜からすると、人間は大量虐殺者といっても過言ではなく……


人間が殺す動物の数は1日に約2億頭ともいわれています。


1年間に換算すると、およそ740億頭もの動物が人間によって殺されている計算です。


20万年前から現代に至るまでに存在した全ての人間を合わせた数の動物を、人々はわずか1年半で殺してしまうとのこと。


もちろん家畜は人間によって生み出された存在であり、飼育するための食料や土地も人間によって与えられたものです。家畜は食肉を欲する人間なしに生存することはできませんが……


残念ながら家畜の生存環境は良好なものとはいえません。


食肉産業は非常に効率的に運営されていますが……


そこでは家畜の「生活の質」というものは考慮されていません。


動物は自分が産んだ子どもと親子の関係を得ることもできず……


狭い飼育場に閉じ込められて抗生物質入りの飼料を食べています。


中でも養鶏場は劣悪な環境であり、あまりにお互いの距離が近いためお互いにケンカすることが絶えません。


また、出生したヒヨコは生後数分以内にオスとメスの選別がされて……


卵を産むことができないオスのヒヨコはすぐに処分されていまいます。年間数億匹ものヒヨコが、出生後すぐに処分されているとのこと。


では、自然の中で家畜が飼育されているオーガニック牧場であれば、動物の「生活の質」は保たれているのでしょうか。


確かに有機飼育を行う牧場では、誠実に動物を飼育している生産者も多くいますが……


あくまでも食肉生産はビジネスです。オーガニックをうたう牧場で不正な行為が行われていたというスキャンダルは、後を絶ちません。


また、家畜の有機飼育には非常に多くの資源を必要とするため、環境に与えるダメージは従来の食肉生産よりも多くなります。


未来の世代は21世紀の人々が大量の食肉を得るために動物たちに犠牲を強いていたことに対して、大きな怒りを覚えるかもしれません。


しかし、ステーキやハンバーガー、フライドチキンといった料理は人々の欲望を刺激して止みません。


その一方で、私たちが食べている食肉を生産するために多くの動物が苦しんでいる現実に目を向ける人は、ほとんどいないとのこと。


私たちはこの直視しがたい現実に、どのように対処すればいいのでしょうか。


家畜たちを救う簡単な方法として、これまで肉を食べていた場面で野菜など肉以外のものを選ぶように心がけ、食生活を置き換える方法があります。週1日だけでも肉を食べない日を作ることで、消費する食肉の量を大きく減らすことが可能。


また、少々コストがかかりますが、信頼できる食肉販売者から、家畜たちを健全に飼育している農家が生産した食肉を買うという手もあります。


そして、「購入した食材はしっかり食べる」という当たり前の行動も重要になるとのこと。


平均的なアメリカ人は1日あたり約1ポンド(約450g)もの食料を捨てているそうです。


近年では多くのスタートアップが人工肉の生産を行っており……


Impossible Foods」のように商業的な規模で流通しているものもあります。しかし、これらの代替肉が一般的になるにはかなりの時間が必要と考えられています。


今のところは、ステーキなどを食べる時には「食肉はありがたいものだ」という意識を持ち、貴重な食べ物であるということを意識することが必要だそうです。

この記事のタイトルとURLをコピーする

・関連記事
完全菜食主義者を風刺する「完全肉食主義者」が食肉の素晴らしさを説くムービー - GIGAZINE

スーパーに並ぶ食肉がどう作られているのか現場の実態を淡々と記録したムービー - GIGAZINE

ニワトリや牛の細胞から培養された「人工食肉」が2020年代にも食卓に並ぶ見込み - GIGAZINE

植物由来の人工肉を使う「Impossible Burger」がいよいよ全米に店舗を大展開スタート - GIGAZINE

「肉の達人」は安い加工肉と高い加工肉を判別できるのか?を検証した動画が公開中 - GIGAZINE

in 生き物,   動画,   , Posted by log1h_ik

You can read the machine translated English article here.