イーロン・マスクのTwitterが「有料動画」や「有料DM」の実装を計画中

Twitterを買収したイーロン・マスク氏は、同社の収益面を改善するべく複数の計画を立てていると報じられています。新たに、一般ユーザーが著名人のTwitterアカウント宛てに非公開のメッセージを送信することができるようになる「有料DM」の実装や、ユーザーに視聴料を請求する「有料動画」の実装、さらには従業員の半数を解雇することなどを計画していることが明らかになりました。

Elon Musk, Under Financial Pressure, Pushes to Make Money From Twitter - The New York Times
https://www.nytimes.com/2022/11/03/technology/elon-musk-twitter-money-finances.html

The New York Timesが独自に入手したTwitterの内部資料によると、マスク氏はアドバイザーと共にすぐに収益をもたらせるようなサービスの開発に取り組んでおり、製品開発チームと共にあらゆるアイデアについてブレインストーミングを行っているとのこと。マスク氏およびその側近と会ったことがあるというTwitterの従業員は、「いかに収益をあげるかに主眼が置かれている」と語っています。

製品開発チームはこの中で、「有料DM」の開発に取り組んでいるそうです。これは「Very Important Tweeters(とても重要なツイーター)」に主眼を置いた機能となっており、開発段階の同機能は「お気に入りの著名人にプライベートメッセージを送ることができるような機能」となっている模様。有料DMは低価格に設定されていますが、料金体系は決まっておらず、「数百円で1メッセージ送信可能」という料金設定になる可能性も示唆されています。

プロトタイプ版の有料DMでは、著名ミュージシャンのTwitterアカウントに好きなレコードについて質問する様子が描かれているそうです。なお、有料DMは通常のDMと同じ受信トレイに表示されますが、最上部に強調表示され、著名人が受け取りを設定することで「有料DMを受け取る代わりに収益を受け取ることができるようになる」模様。

ただし、有料DM機能はまだ開発段階にあるためリリースされない可能性も十分にあると情報筋は語っています。

また、Twitterはアダルトコンテンツを取り扱うOnlyFansのように、有料で動画を扱う「有料動画」機能の開発にも取り組んでいるそうです。計画によると、Twitterはユーザーに動画の視聴料を要求し、収益をクリエイターと折半する可能性があると情報筋は語っています。

なお、マスク氏はTwitterの従業員の約半数を解雇することを計画しており、この大規模レイオフは現地時間で2022年11月4日にも行われる可能性があるそうです。The Washington Postの報道によると、マスク氏がTwitterを買収して以降、同社の従業員は「CEOや幹部が即解雇されたこと」や「マスク氏が同社のCEOに就任したこと」などについて、一切連絡を受けていなかった模様。そのため、Twitterの従業員はメディアの報道やマスク氏のTwitterアカウントなどを通して会社の動向に関する情報を得ているそうです。

加えて、Twitterが2021年に買収したニュースレタープラットフォームのRevueを年末までに閉鎖する予定であるとも報じられています。

マスク氏による苛烈なTwitterの収益改善策は、「大胆な経費削減」と「ユーザーを引き付ける有料機能の追加」により成り立っています。このうち「ユーザーを引き付ける有料機能の追加」に携わるTwitter Blueの開発チームは、2022年11月の第2週までに新製品を導入しなければ解雇されるとウワサされていますが、同チームのプロダクトマネージャーのひとりであるエスター・クロフォード氏は「チームが24時間体制で締切に追われている時、仕事場で寝ることもあります」と冗談交じりにツイートしています。