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発表会現地での「Meta Quest Pro」実機レポートまとめ


Metaが2022年10月発売の次世代VRヘッドセット「Meta Quest Pro」を正式発表しました。VRとARを複合して最大限に進化させた次世代のヘッドセットになるとのことで、Metaのオフィスで行われた新製品紹介デモに参加した海外メディアがレビューを投稿しています。

The Meta Quest Pro is a cutting-edge headset looking for an audience - The Verge
https://www.theverge.com/23393115/meta-quest-pro-vr-headset-hands-on-specs-price

Hands-on Preview: Quest Pro is Officially a Mixed Reality Headset
https://www.roadtovr.com/hands-on-meta-quest-pro-preview-mixed-reality/

Meta Quest Pro hands-on: The $1,500 headset that ‘will enable the metaverse’ | Engadget
https://www.engadget.com/meta-quest-pro-hands-on-specs-price-the-headset-that-will-enable-the-metaverse-173253437.html

Metaは2022年10月12日に開催したオンライン発表会「Meta Connect 2022」で「Meta Quest Pro」を正式に発表しました。発表された内容は以下の記事を見るとよくわかります。

MetaのハイエンドVRデバイス「Quest Pro」は2022年10月26日に発売、価格は22万6800円 - GIGAZINE


Quest Proの正式発表に際して、Metaのオフィスでメディア向けの新製品デモが行われました。Quest Proのパッケージをいち早く報道したIT系ニュースサイトのThe Vergeは、Meta Quest Proを触れた最初の印象として「フィット感が強い」と語っています。以前までのQuest製品を含め、VRヘッドセットはどうしてもかさばったりずっしり重かったりといった問題がありましたが、Meta Quest Proはバッテリーを頭の後ろに移動し、顔の上の位置には電子機器が軽い層に詰められていることで、VRヘッドセットとしてはかなりスッキリとした収まり感があったとのこと。また、ヘッドセットの装着プロセスが全体的にかなり向上しており、頭の上でヘッドセットを支えるトップストラップを取り除いたデザインに変更されていますが、「90分間のデモセッションではバランスの問題に気づかないほど軽量に感じました」とThe Vergeは語っています。


The Vergeによると、新製品紹介デモでMetaのマーク・ザッカーバーグCEOは記者に対し「これは最高級のVRデバイスです。VR愛好家、プロシューマー、仕事を成し遂げようとする人々のために、大いに役立ちます」と語っています。合わせてザッカーバーグCEOは、Meta Quest ProはQuestのハイエンドカテゴリとして分類され、2020年10月に発売したQuest 2の販売も継続すると説明しています。Quest Proはハイエンドカテゴリに位置づけられる一方で、Quest 2からの大きなダウングレードとしてバッテリー寿命の影響をThe Vergは懸念しています。ヘッドセットは1回の充電で1~2時間ほど稼働し、再充電には2時間かかるとMetaから説明を受けたとのことで、この稼働時間はQuest 2の半分ほどになっています。また、背面のバッテリーは簡単に取り外せないため、劣化した場合に交換するのが難しい可能性をThe Vergeは指摘しています。

また、コントローラーに関しても新しい仕様変更が行われています。従来のQuestコントローラーは持ち手の先に大きなリングがついていましたが、Quest Proの新コントローラーはリングのないスッキリとしたデザインとなっています。その代わりに、ヘッドセットに付けられているような追跡用のカメラがコントローラーにも付いており、これによりヘッドセットのカメラ範囲外にコントローラーが離れても、コントローラー自体のカメラで追跡が行われます。新しいタッチコントローラーはQuest 2でも使用可能になっています。


The Vergeが行ったデモには、AR空間にホログラムを作成するFigmin XRや、Metaのビジネス会議用VRのHorizo​​n Workroomsなどが用いられました。Quest Proの映像はかなりクリアになっていますが、The Vergeは「Google検索などのページの小さなテキストは少しぼやけてしまい、まだ実行可能なバーチャルオフィスとは言えませんでした。また、Microsoftとのパートナーシップにもかかわらず、PowerPointを使用する度にVR画面がクラッシュしました」と述べています。

VR・AR系ニュースサイトROADTOVRもQuest Proのデモに参加しており、「Mixed Reality(MR、複合現実)の幕開けです」と実機レビューの感想を語っています。Questには外側に向いたカメラが内蔵されており、これによってヘッドセットで視界をふさぎながらも周囲の様子を見ることができる機能が備わっていますが、Quest Proでは新しいセンサーの影響で、よりシャープかつより正確でキレイな周囲の映像を見ることができるとのこと。開発者と対面して説明を受けながらヘッドセットを装着しても、ヘッドセットの映像で現実世界がかなり高解像度で表現されていることから、「Quest Proを装着している自分と普通に会話している相手とで、まるで使用しているテクノロジーの差異がないように、そのまま会話ができました」とROADTOVRは語っています。


Quest Proのさらなる重要なポイントとして、トラッキング用の外向きカメラだけではなく、ユーザーの表情を捉える内向きのカメラが存在しています。これにより、ヘッドセットがユーザーの表情を検出してゲーム内のアバターが笑ったり顔をしかめたりといった、表情の変化の一部がアバターに反映されます。ROADTOVRはこの「表情追跡」に関して、「鼻や目、おでこなど、表情の幅が広がり、ファンタジーなアバターの肌が自然にまとまっていく様子が印象的でした。私ではないアバターの表情は、もっともらしいリアルに見えました」と感想を述べています。


同様のデモに参加したテクノロジーブログのEngadgetもQuest Proの特徴として、Quest 2でも最も優れたポイントであった「装着時の快適さ」を挙げており、Meta Quest Proでは従来のヘルメット型というよりバイザーのようなよりスッキリしたデザインになったことで、装着も簡単になったと述べています。また、フィット感の調整もより簡単になっており、装着のズレを直すことができるだけではなく瞳孔間距離の調整のダイヤルで簡単に行えるため、かなり自然な感覚で装着できたとEngadgetは話しています。


また、トラッキング用のカメラの重要なポイントについてEngadgetは説明しています。トラッキング用の外部カメラは単に映像を正確でキレイに捉えられるようになっただけではなく、「シーン理解」というサポート機能により、センサーが壁や机、テーブルなどの室内のオブジェクトを検出できます。これにより、VR空間で作成したオブジェクトやイラストなどを壁に掛けたり机に配置したりして、室内の模様替えを行うことが可能になっているそうです。他にも、壁にホワイトボードを設置して会議をしたり、キーボードを認識してヘッドセットを付けたまま物理的なキーを入力できたりと、VRとARを複合させた「MR」に大きな前進を感じられるとEngadgetは述べています。

Meta Quest Proは2022年10月12日から予約注文を開始しています。日本での価格は22万6800円となっており、発売日は10月26日を予定しています。

Meta Quest Pro: 最先端のVRヘッドセットが新登場 | Meta Store | Meta Store

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in ネットサービス,   ハードウェア,   ゲーム, Posted by log1e_dh

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