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低反発クッションやPC用のマウスなどNASAが発明した意外な身の回りのアイテム15選

by Nils Merker

世界の宇宙開発をリードするアメリカ航空宇宙局(NASA)は、2000を超えるテクノロジーや製品を民生品へと転用しており、その中には身近なアイテムも含まれています。NASAが発明したりNASAとの提携や資金提供によって生まれたりした技術の中で特にクールなものを、生活術や仕事術を紹介するアメリカのメディア・Lifehackerが15点にまとめました。

15 of NASA's Coolest Inventions That Regular People Use
https://lifehacker.com/15-of-nasas-coolest-inventions-that-regular-people-use-1849559944

◆1:低反発素材
枕やマットレス、ソファなどには柔らかくて独特な弾力を持つ低反発素材が使われています。「テンピュール」や「テンパーフォーム」といった名称で展開されていることもあるこれらの素材は、NASAの資金提供を受けた航空エンジニアのチャールズ・A・ヨスト氏がテストパイロット用の衝撃吸収シートとして開発したものです。


◆2:初期型のマウス
近年のマウスは光学センサーでマウスの移動を検知するものがほとんどですが、初期のマウスは金属製のホイールで上下左右の動きを検知するものでした。このマウスは、1960年代初頭に当時スタンフォード大学の研究所に所属していた発明家のダグラス・エンゲルバート氏が、NASAの資金援助で行ったコンピューターの対話型入力デバイスの研究により生まれたものです。マウス開発の功績をNASAに認められたエンゲルバート氏は、その後Xeroxに移ってマウスをさらに発展させました。

by SRI International

◆3:赤外線体温計
新型コロナウイルス感染症のパンデミックでも活躍した赤外線体温計は、元はNASAが宇宙のかなたにある天体の温度を測定する装置として開発したものです。


◆4:高性能なスイムスーツ
一般人がレジャーで着用する水着はNASA製ではありませんが、ウォータースポーツで活躍するアスリートが着るSpeedo製のスイムスーツであるLZR Racerは、NASAの流体力学の研究で得られた技術が用いられています。NASAの発表によると、2008年の北京オリンピックでは水泳競技のメダル獲得者の98%がこのLZR Racerを着ており、この時に生まれた25の世界新記録のうち23がLZR Racer着用者によってたたき出されたものだとのことです。


◆5:スマートフォンなどのカメラ
デジタルカメラなどのイメージセンサーに使われているCMOSという技術を最初にカメラに使ったのは、NASAのジェット推進研究所の職員であったエリック・フォッサム氏という人物で、その目的はより安価で効率的かつ優れた宇宙専用カメラを作ることでした。そして、この技術は実現するとすぐにカメラ会社にライセンスされ、世界中に広まっていきました。

by Bengt Nyman

◆6:自動運転車
自動車メーカー・GMの自動運転車にはLiDARシステムと呼ばれるセンシング技術が使われていますが、これはNASAの量子科学技術グループが発明した「whispering gallery mode optical resonator(ウイスパリング・ギャラリー・モード光共振器)」という光共振器によって実現されています。なお、ウイスパリング・ギャラリーは日本語ではささやきの回廊とも呼ばれており、きれいな円形をした建物の中にいると遠くのささやき声がよく聞こえるはこの現象によるものだとのことです。


◆7:さまざまなゲームや映画
レトロゲームには、ふわふわと浮遊する宇宙船を操作して慎重に着陸させるLunar Lander(月着陸船)というジャンルがありますが、これはNASAの月面探査計画をモチーフにしたものです。そのほか、アポロ13ドリームなど、NASAのミッションをテーマにした映画も多数製作されており、Lifehackerによると1965年~1980年の間に作られたアメリカの大衆文化のほとんどすべては何らかの形でNASAに影響されたものと言っても過言ではないそうです。

by NASA Goddard Space Flight Center

◆8:レーシック手術
2000年代半ばに、NASAは無重力状態が人の目の動きにどのような影響を与えるかを調べるための実験を国際宇宙ステーションで実施しました。この実験のために開発されたアイトラッキング技術は、レーザーで視力を矯正するレーシック手術として地球上の人々にも役立てられています。


◆9:傷がつきにくいレンズ
NASAは、精密機器のディスプレイを保護するため、ダイヤモンドライクカーボンという素材でコーティングして傷つきにくさを従来の10倍にする技術を実現させました。この技術は、傷が付きにくいサングラスなどにも用いられています。


10:航空管制システム
NASAとアメリカの連邦航空局は2021年に、6年かけて実証実験を行っていた「Integrated Arrival, Departure, and Surface(IADS)」という新しい航空交通システムを発表しました。記事作成時点で、IADSはアメリカで最も交通量が多い27の空港に導入されており、安全で効率的な空の旅に貢献しています。


11:滑りにくい道路
NASAは、航空機のトラクションを高めるために、滑走路などの路面に溝を掘るグルービングという加工を行っています。これが世界の道路に転用された結果、滑りやすくて事故が多発していた高速道路の事故が85%も減少したとのことです。

by John Roberts

◆12:非常用ホイルブランケット
救急箱や防災用の非常持ち出し袋に入っているホイルブランケットは、薄いプラスチックにアルミニウムを蒸着させたもので、NASAが1964年に宇宙望遠鏡の断熱材として開発したもの。保温に役立つので、マラソンを走り終えたランナーに渡される防寒具などとしても活躍しています。


◆13:Nike Air
靴底にある丈夫なバッグで衝撃を吸収してくれるナイキのスニーカーには、NASAの2つのイノベーションが詰まっています。そのうちの1つは、NASAがヘルメット用に開発したブロー成形で作られた硬いゴムです。そして、もう1つはNASAのエンジニアであるフランク・ルディ氏が開発した衝撃吸収素材です。

by @kevinv033

◆14:栄養満点の粉ミルク
NASAの科学者は、将来の火星探査に備えて栄養食を研究する中で、従来は母乳の中にしか見つかっていなかったオメガ3脂肪酸を藻類から抽出することに成功します。それ以来、ほとんどの粉ミルクにこの栄養素が添加されるようになりました。


15:コードレス掃除機
自動車の中など掃除機が持ち込みにくい場所で使えるハンディタイプの掃除機は、1960年代にNASAが工具メーカーと共同で開発した、無重力や低重力でも使える電動工具が元になったものとのことです。

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in メモ, Posted by log1l_ks

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