サイエンス

人間がロボットのことを信頼するかどうかは「ロボットが言葉を発するかどうか」の影響が大きい


人間型ロボットを人間がどれぐらい信頼するかは、人間がそのロボットをどれぐらい知的と考えているかに依存していることが示唆されています。この「人間がロボットをどれぐらい知的と考えるか」について、ロボットがしゃべることの影響が大きいことが研究により明らかになりました。

[2208.13688] Using Speech to Reduce Loss of Trust in Humanoid Social Robots
https://arxiv.org/abs/2208.13688


Can a robot's ability to speak affect how much human users trust it?
https://techxplore.com/news/2022-09-robot-ability-affect-human-users.html

これはスウェーデン・ルンド大学のAmandus Krant氏らによる研究で明らかになったものです。


Krant氏らは以前、人間型ロボットへの信頼性に誤った視線動作がどのように影響するかを調べたことがあり、ほぼすべての条件において誤った動作は信頼性を大きく損なったものの、ロボットが短い発話をしたときだけ信頼性低下がなかったという結果を得ました。

そこで「ロボットの発話要素は知性を感じさせ、結果として生じる信頼度合いの変化は、誤った行動による信頼性低下を覆い隠すほどである」と考えて今回の研究を行いました。

研究に参加した227人は複数の人間型ロボットの映像を視聴し、その後にロボットの「信頼性」「好感度」「有生性(人間に近いかどうか)」「知性を感じたか」の4点について評価を行いました。

映像に出てくるロボットは欠陥のある振る舞いをするものと欠陥のない振る舞いをするものがいて、それぞれしゃべるものとしゃべらないものがいました。

評価の結果、信頼を勝ち得たのは当然ながら欠陥のない振る舞いをするロボットでした。一方で、明らかに欠陥のある振る舞いをするロボットであっても、しゃべるロボットはミスで失う信頼をほぼ完全に緩和できていることがわかりました。つまり、Krant氏らの仮説は正しかったというわけです。

Krant氏によると「発話するロボット」に関して類似の研究はあるものの、主眼を「ロボットの発話内容(主に謝罪)」に置いている研究が多く、発話能力の有無と人間からの信頼性についての研究は初のものだとのこと。

この結果は「操作ミスによってロボットが使われなくなることを減らしたい」消費者向けロボット、たとえばロボット掃除機などのメーカーにとって有益なものとなる可能性が考えられます。

なお、今回の研究はオンラインで実施されたもので、人間と人間型ロボットが対面して行うとまた異なる結果になる可能性があるため、参加者が現実世界でロボットと対面するようなフォローアップ研究を予定しているとKrant氏は語っています。

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in サイエンス, Posted by logc_nt

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