ソフトウェア

この世に存在しない食べ物の高クオリティな写真を生成できる「This Food Does Not Exist」


2019年にUberのエンジニアが開発・公開した「This Person Does Not Exist」は、AIを用いてこの世に存在しない人物の顔を生成できるツールとして世界中の注目を集めました。その後、この世に存在しないアニメ画像を生成する「This Anime Does Not Exist」、足フェチのために作成された「This Foot Does Not Exist」、架空のネコの写真を生成できる「This cat does not exist」など、さまざまな類似ツールが登場しました。新たに、スイスの機械学習エンジニアであるFlorian Laurent氏は、この世に存在しない食べ物の写真を生成できる「This Food Does Not Exist」を開発したことを発表しました。

GitHub - nyx-ai/stylegan2-flax-tpu:Training StyleGAN2 on TPUs in JAX
https://github.com/nyx-ai/stylegan2-flax-tpu

This Food Does Not Exist | stylegan2-flax-tpu
https://nyx-ai.github.io/stylegan2-flax-tpu/

人間の顔写真を生成する「This Person Does Not Exist」では、AIアルゴリズムの一種である敵対的生成ネットワーク(GAN)をベースにした「StyleGAN」を用いていましたが、「This Food Does Not Exist」はStyleGANの改良版である「StyleGAN2」を基にして作られています。

近年の機械学習業界ではOpenAIが開発した「DALL・E」に用いられている拡散モデルが流行しており、写真的なリアリズムの点で優れているStyleGANモデルにも拡散モデルが追いつきつつあるとのこと。また、拡散モデルは文字情報から画像を生成できるため制御性に優れている一方、より大規模なモデルが必要となり、生成時間が長いという点でも制限があるとLaurent氏は指摘。拡散モデルを用いるには多額の資金がいることもあり、今回はStyleGAN2を用いて「This Food Does Not Exist」を開発したと説明しています。

Laurent氏はGoogleの機械学習用プロセッサ「TPU v4-8」を1つ使用し、4つのStyleGAN2モデルをそれぞれ10時間以内で訓練しました。クッキーの画像で訓練した「This Food Does Not Exist」で生成した写真がこれ。各画像のサイズは256ピクセル×256ピクセルです。


一方、「DALL・E」で生成した「a pile of cookies on a plate(皿の上のクッキーの山)」の画像がこれで……


「DALL・E」から派生した「Craiyon」で生成した画像がこれ。「This Food Does Not Exist」が生成した画像は「DALL・E」と遜色なく、「Craiyon」より高精度であることがうかがえます。


Laurent氏はクッキー以外にも、チーズケーキや……


カクテル


スシなどの画像を生成するように「This Food Does Not Exist」を訓練しています。


「This Food Does Not Exist」はウェブサービスとして公開されているわけではありませんが、TPU訓練用に最適化されたコードや事前学習済みのモデルがGitHubで公開されています。

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in ソフトウェア,   サイエンス,   , Posted by log1h_ik

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